赤ちゃんとママ・パパのための情報
歯が生える時期は、歯茎がかゆいからいろいろなものを噛むとは昔からいわれていますが、実際にそうなのかどうかは定かではありません。また、ストレスから噛みつくというようなことも言われますが、1歳前後の赤ちゃんの噛みつく行為には、そのような理由や攻撃的な要素はないはずです。
この赤ちゃんがいろいろな物に噛みつくのは、むしろ遊びの1つになっているのだと思います。人を噛むのも、噛むと「痛い!」とか「やめて~」などと派手な反応が返ってくるので、それが面白くてやっている可能性があります。この頃は、周囲の反応が大きいとかえって興奮して繰り返すことが少なくありません。
噛まれたら、「痛い」あるいは「いけません」とひと言だけ言って、あとは無視することです。そうすれば、面白くないのでじきにやめます。くどくどと噛みついてはいけない理由を言って聞かせても、まだわかりません。「不快だ」という気持ちさえ伝えれば十分です。
また、噛むことで周囲の注目を集められることを知り、それが喜びになっているとしたら、ほかの「良い行動」に対して十分な反応を示してあげるという工夫を大人もすべきでしょう。赤ちゃんが新しい発見をして(積み木が積めたとか、車のおもちゃを上手に走らせることができたなど)楽しく遊んでいるときに、うんと喜んで共感してあげたいですね。
医学博士、日本小児科学会認定医、子どもの心相談医。1987年筑波大学卒。1994年筑波大学大学院博士課程修了筑波大附属病院、(株)日立製作所水戸総合病院、茨城県立こども病院で研修。1996年4月より現職。
何でも噛みたがって、主人や私も噛まれています。絵本は角がなくなるくらいになめて噛んでいます。先日はお友だちのまだねんねの赤ちゃんのほっぺを噛んでしまいました。叱るのは早いと思うのですが、いずれ治まるのでしょうか? 放っておいていいものか。どうしたらいいのでしょう。
(しょうちん 10カ月)