POINTコレステロール対策には“LDLコレステロールを上げない”食事法がおススメ!
基本は、栄養バランスの取れた食事を3食きちんと食べること。
ただ、わかっていても毎食実践するのはなかなか大変ですよね。
そこで、実践しやすいポイントをご紹介します。
ポイント① 飽和脂肪酸を減らす
ポイント② 食物繊維をとる
ポイント③ コレステロールの高い食品は控えめにする
食事の脂質の主な成分は、脂肪酸という物質です。そのうち、悪玉(LDL)コレステロールを増加させる質の悪い脂肪酸が、飽和脂肪酸です。
飽和脂肪酸は常温で固まる脂でお肉やバター、生クリーム、菓子パンにも多く含まれており、知らず知らずのうちに摂り過ぎてしまっているので注意が必要です。お肉やバターなどの乳製品を使う洋食よりも和定食の方が、飽和脂肪酸も少なく、食物繊維も多くなるので、選べるときには和定食を選ぶと飽和脂肪酸が少なくなります。
食物繊維はLDLコレステロールを増えにくくしたり、心筋梗塞のリスクを下げるとも言われています。食物繊維の多い野菜やキノコ、海藻、玄米、もち麦などを積極的に食事に取り入れることがおすすめです。
ごはんは玄米や麦ごはんなど、できるだけ精製されてないものを選ぶと食物繊維が豊富です。
食事でのコレステロールは気にしなくてよいと思っている方はいませんか?
確かにコレステロールはその7-8割が体内で作られていますが、食事からの摂取量が多いと影響が出てきてしまいます。
LDLコレステロールが高めの方は、コレステロールが多く含まれる食品を食べる場合、頻度や食べる量を調整しましょう。
飽和脂肪酸はお肉やバター、菓子パンにも多く含まれており、知らず知らずのうちに摂り過ぎてしまっているので注意が必要です。
お肉は、良質なたんぱく質源になるので、積極的に食べたい食品ではありますが、脂身には飽和脂肪酸が多く、部位によってはカロリー90%が脂肪ということも。
賢くお肉を選べば、飽和脂肪酸を効率よく減らせます!
ばら肉やひき肉は避け、もも肉や鶏むね肉など、できるだけグラフの右側のお肉を選ぶのが◎
実は、お肉の脂身をとるだけで、飽和脂肪酸は劇的に減らせます。
カロリーもおよそ半分に。
これらのレシピは、KAO PLAZAの中で紹介されています。上の料理の写真をクリックして、レシピを見て作ってみてください。
コレステロールは動物性食品に含まれます。特に肉・魚の内臓類、魚卵、卵、卵を使った菓子類などに多く含まれます。
松樹皮(プロシアニジン)
16世紀の大航海時代に船員たちが松樹皮を煎じて飲んで壊血病から身を守ったと言われています。
プロシアニジンは、松樹皮やリンゴに豊富に含まれているポリフェノールの一種です。カテキンが2つ結合した構造体をとっています。
プロシアニジンを継続的に摂ることで、LDLコレステロールが下がることが報告されています。
大麦(β-グルカン)
大麦は人類最古の作物の1つとされ、今から約1万年前には、すでにその栽培が始められていたといわれるほど、古くから摂られてきた食材です。大麦β-グルカンは、水に溶ける食物繊維の1種です。大麦は、私たちが食べる部分である「胚乳」と呼ばれる細胞に大麦β-グルカンを豊富に含んでいます。
大麦を継続的に摂ることで、LDLコレステロールが下がることが報告されています。
トマト(リコピン)
西洋には、「トマトが赤くなると医者が青くなる」ということわざがあるそうです。リコピンとは、植物などに含まれる赤色やオレンジ色の色素成分・カロテノイドのひとつで、高い抗酸化作用をもっており、トマトに豊富に含まれています。
リコピンを継続的に摂ることで、血中HDL(善玉)コレステロールを増やすことが報告されています。
監修:日本肥満予防症協会 副理事長 宮崎滋先生
1971年東京医科歯科大学医学部卒業。糖尿病、肥満症、メタボリックシンドロームの診療に従事。「よりよい特定健診・保健指導のためのスキルアップ講座」などを企画、開催。東京逓信病院外来統括部長・内科部長・副院長を経て、2012年より新山手病院・生活習慣病センター長、2015年より公益財団法人結核予防会理事・総合健診推進センター所長に就任。日本肥満学会副理事長、肥満症診療ガイドライン作成委員長等歴任。東京医科歯科大学医学部臨床教授。