コレステロールを 下げるには: 運動編

まずは歩数を増やしましょう!

「運動」というと「きつい運動を長い時間やらないと意味がない」と考えてしまいがち。
消費エネルギー量を高めるためには、日々の何気ない活動で、少しずつ歩数を稼いで、1日の歩数=消費エネルギー量を高めることが大切です。
日本人の平均歩数は男性7,500歩、女性6,500歩くらい。まずは平均歩数以上を目指してみましょう。それがクリアできれば男性9,000歩、女性8,000歩、更には男女ともに1日10,000歩を目指しましょう。

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消費エネルギー量を計算!

運動や生活活動による消費エネルギー量は、「体重×運動強度×時間」で決まります。
ここでの体重は「kg」、運動強度は「メッツ」です。
1メッツとは安静状態を指しており、何もしなくても体重80kgの人は1時間に80kcalのエネルギーを消費することになります。
(計算式:80kg×1メッツ×1時間=80kcal)
座っていないで立って何かをしていれば約2メッツ、歩きながら何かをしていれば約3メッツ、ウォーキングで4メッツ、ジョギングで6メッツ、といった具合です。
例えば、いつも座っている1時間をウォーキングに換えれば240kcalの余分なエネルギーを消費したことになります。
(計算式:80kg×(4-1)メッツ×1時間=240kcal)

このように、余分に消費したエネルギーの蓄積が体脂肪減少につながるのです。体脂肪1kgを消費するには7000kcalが必要です。1日1時間のウォーキングを毎日続ければ、1ヶ月で1kg減量できる計算になります。

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コレステロールを下げるためには有酸素運動

コレステロールを下げるためにはどんな運動がいいのでしょうか?
コレステロールを取り込む善玉のコレステロールであるHDLコレステロールについて、運動によって増加することが知られています。
その運動効果について、最近の複数の研究をした結果では、少なくとも週120分の有酸素運動が必要であること、1回あたりの運動時間を長くするほど改善効果が高いこと、が報告されています(Kodamaら、Archives of Internal Medicine 2007)。

このような研究から、HDLコレステロールを増やして、悪玉のLDLコレステロールを減らすためには、有酸素運動をしっかり行うことが大切です。
頻度は週3~5日、1回あたり30~60分、週150分~300分を目標にしましょう。

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監修:筑波大学体育系 准教授 中田由夫先生
2004年筑波大学大学院博士課程体育科学研究科修了。生活習慣病の予防および改善について食事と運動を中心とした行動変容から研究。2004年筑波大学大学院人間総合科学研究科助手。2007年筑波大学大学院人間総合科学研究科助教。2011年筑波大学医学医療系助教、2012年筑波大学医学医療系准教授。2018年より現職。日本健康支援学会理事長。日本運動疫学会理事。

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