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介護現場のお役立ち

投稿日:2020年09月23日

介護疲れの緩和法
~介護疲れのエピソードも紹介~

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介護は、終わりの見えないマラソンのようなものです。家族を介護する方の多くが、精神的、肉体的負担を重ね、気がつかないうちに疲れ切っています。介護離職や介護うつなどにもつながる介護疲れを上手に緩和する方法について、「がんばらない介護」を提唱する専門家の橋中さんに伺いました。

写真:介護者メンタルケア協会代表 橋中京子さん

介護者メンタルケア協会代表

橋中今日子さん

理学療法士。リハビリの専門家として勤務するかたわら、認知症の祖母、重度身体障害の母、知的障害の弟、の家族3人を21年間にわたって1人で介護した経験を持つ。
自身の介護体験と理学療法士としての経験、心理学やコーチングの学びを生かし、家族を介護する人、医療や介護の現場スタッフに「がんばらない介護」を伝える活動を全国で展開中。
介護メンタルケア協会のサイトはこちら

介護疲れは「気づく」ことが第一歩

家族の介護をされる方の多くは、もうすでに疲れきっているのに「まだ大丈夫だ」「まだ相談する必要はない」と思ってしまいがちです。そして「こんなこともできないなんて」と自分を責めてしまう、責任感の強い方が多いです。
家事や仕事をしながら介護をしていたら、誰でも疲れます。介護で疲れるのは、介護のやり方が悪いから、愛情がないからではありません。まずは、自分が疲れていることに気づきましょう。

介護疲れ対策の第一歩は、疲労の予兆に気づくことです。注意力が低下するのが疲労の予兆です。

  • 洗い物をしていて食器をよく落とす
  • 鍵の場所がわからなくなる
  • 車の駐車が下手になる
  • 小銭が出すのが面倒で、お札でばかり支払う
  • 忘れ物が多くなる。受診日を間違える

まだまだ元気なつもりでも、こんな小さな日常のミスが続いたら、もう疲れているサインです。

介護で無視できない「家事負担」を減らすコツ

介護疲れを引き起こす要因で無視できないのが家事負担です。特に食事の準備は大きな負担です。加齢や病気で咀嚼力(噛む力)や飲み込む力が弱った人が食べやすい食事の準備は想像以上に大変なのです。

市販品をどんどん活用しましょう。茶碗蒸しを一品足すだけでも食事の準備は楽になりますし、比較的安価で種類が豊富なベビーフードに塩味を足して利用されている方もいらっしゃいます。持病のない方であれば、お惣菜のコロッケなどは飲み込みやすくて満足度も高いです。
「手作りすること=愛情」ではありません。以前の介護食は高価でしたが、今は比較的リーズナブルな価格になっています。ときどきでいいので便利な市販品を使って負担を減らし、気持ちを楽にしましょう。

さらに負担が大きいのがトイレや排泄の介助です。
汚物の後始末は慣れるものではありません。寝たきりの母と認知症の祖母をひとりで介護していたとき、衣類だけでなくシーツや家具など、部屋中が汚物まみれになったことが何度もありました。苦労して洗たくをしたあと、黄ばみやシミ、ニオイが残っていることに気がつくと、疲れが一気に増しました。汚物のニオイは心を削るのです。
「汚い、臭い、嫌だと思う自分が許せない」とおっしゃる方がいらっしゃいます。けれども、汚物のニオイを嫌だと感じることも、触れたくないと思うのも正常な生理的反応です。愛情とは別物です。どんなことでも受け入れ、対応しなければと思う必要はありません。理想論で自分を追い込むのではなく、便利なグッズで上手に解消しましょう。

最近では、花王の消臭ストロングもそうですが、介護に特化した洗剤や消臭剤が開発されています。ドラッグストア(薬局)の介護用品のところで探してみましょう。私が本当に助かったのは介護独特のニオイや汚れに特化した洗剤です。何度も洗い直さないと取れなかった独特の黄ばみやニオイが1回の洗たくで解消され、汚物処理の負担がぐっと減りました。
一般の洗剤より少し高価ですが、ニオイや汚れがひどい時だけ使えばいいのです。悲鳴をあげたくなるほどつらかったニオイの問題が解決したことで、憂鬱な気持ちが一気に解消しました。まだ活用されていない方は、ぜひ試していただきたいです。

ただ、残念なことに、介護がスタートすると新しいものを探す余裕がなくなります。だから、直接介護に携わっていないご家族は、お惣菜や洗剤を差し入れてみるのもいいでしょう。

介護疲れの緩和法

介護をしている方は、相談した方がいいことも、助けを求めなければならないことも、十分に理解されていることでしょう。でも、いざ本当に助けが必要な時には疲れ切って助けを求める気力も余力も失います。「迷惑をかけたくない」「できていないと思われたくない」といった抵抗感から相談する機会を見失ってしまう方も多いのです。
すぐに助けを求められなくても、まずは次のことを試してみてください。

3分でいいから自分の時間を持つこと

まず、3分でいいから自分の時間を作りましょう。お風呂にゆっくり浸かったり、庭に出て深呼吸したりするだけでもいいのです。「そんな時間なんて取れない!」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。私も、食事介助中にはトイレまで我慢することが当たり前の生活でした。でも、たった3分でいいから、家族より自分を優先する時間をとる、そのことに意識を戻すきっかけを作ってみていただきたいのです。

まだ使っていないサービスがないか考える

自分の時間を取り戻すには、介護保険サービスと、宅食などの介護保険外サービス、両方の活用が不可欠です。介護疲れしている人のお声を聞いていると、例外なく介護保険サービスをうまく活用できていません。「本人が嫌がる」との理由で介護保険の申請さえもしていらっしゃらないケースもありました。
逆に、介護と上手に折り合いをつけて、自分の時間をうまく取っている方は、介護保険と保険外サービスを上手に活用されています。定期的にショートステイ(お泊まりサービス)を使っている方は、その期間に仕事に集中したり、趣味に打ち込んだり、友人と過ごしたりと有意義に過ごされています。「自分の都合で施設を利用するのは申し訳ない」とサービスの利用を躊躇する方がいらっしゃいますが、介護者自身に余裕があってこそ、介護を受ける人も笑顔になれるのです。

専門家を頼り、あきらめずに何度でも相談する

私はいつも「介護でわからないことがあったら自分だけで調べず、専門家に聞きましょう!」とお伝えしています。特に、煩雑になりやすい申請手続きは、専門家である行政をしっかり頼りましょう。 例えば、書類の記入の仕方がわからない時、私は市役所の窓口に行って、そこで書くようにしていました。介護者自身が手続きの専門家になる必要はありません。こういった作業が積もり積もって介護疲れを助長します。わからないことはすぐに専門家に聞いて解決しましょう。
誰に相談したらいいか迷った時には、ケアマネジャー、そして介護のよろず相談所である地域包括支援センターに相談しましょう。相談しても、すぐに期待した答えや反応が返ってこないこともあるかもしれません。その時は、一回であきらめずに、何度でも聞いたり相談したりすることを意識してみてください。

ここからは、私がこれまでご相談に応じた介護疲れのエピソードとその対策をご紹介します。似たような悩みや思い当たる節はないか、ご自身を振り返ってみてください。

介護疲れエピソード1:
排泄のニオイが気になって、吐き気がするように
(50代/会社員/女性)

「7年前から、脳梗塞で車椅子生活になった母親(80代・要介護3)を自宅で介護しています。これまであまり気にしたこともなかったのですが、ポータブルトイレのニオイが辛くなってきて、吐き気がするときもあります。臭いと思うのは母に申し訳なくて。どうしたらいいでしょうか?」

こういったケースでの対策は?

介護疲れのサインの一つとして、五感が敏感になる、というのがあります。今まで平気だった音やニオイが急に気に触るようになるのは、ストレスによって心身に余裕がなくなっているサインです。臭いと感じることに罪悪感を持つ必要はありません。「臭いものは臭い!嫌だと思っていい!」と自分に許可を出してあげてください。「臭いなんて思っちゃダメだ!」と言った心理的な抑圧がストレスを増長させることもあるからです。
対策としては、中に入れる消臭液を使ったり、トイレ用の掃除シートでポータブルトイレの本体や蓋の部分を拭いたりすることでニオイを軽減できることもあります。

汚物が臭い、洗たくしたくないと思う気持ちは、愛情が不足しているからではありません。介護用の洗剤を使ったり、ニオイが取れなかったら捨てたりなど、きちんと楽をしましょう。安価な下着を購入していれば、気軽に捨てられるようになります。

介護そのものがつらいと感じた時には、家から離れる時間を取ることをおすすめしています。
ビジネスホテルのデイユースを一人で過ごし、昼寝をするために活用している方もいらっしゃいます。新型コロナウイルスの影響で在宅ワークが増えています。要介護者がデイザービスを利用している間は、ビジネスホテルで仕事をするなど、介護の現場であるご自宅から少し離れてみるのもいいでしょう。

介護疲れエピソード2:
仕事を辞めたほうが楽かもしれない
(40代/会社員/女性)

「車で20分ほどの実家で、認知症の母(75歳要介護1)を父(78歳)が介護しています。先日、父が圧迫骨折をして、歩くのがやっとの状態に。仕事の前後と週末に実家に行って生活のサポートをはじめましたが、2ヶ月目、朝突然起きられなくなりました。仕事を辞めて、介護に専念した方が楽かも、と考えています」

こういったケースでの対策は?

介護の初期は、火事場の馬鹿力でがんばれてしまうものです。緊張感で疲労を感じにくい状態ですが、実は心身の消耗が激しいです。介護が始まって2〜3ヶ月後に、体調を崩す介護者が多いのはそのためです。疲れていると、誰でも冷静な判断ができなくなります。「仕事を辞めたら楽になるかも」と極端な考えが浮かんで離れなくなるのも当然です。
このケースでは、デイサービスを一切利用していませんでした。まずは介護保険サービスを利用し、介護保険外では宅食サービスや市販のお惣菜を活用することで家事負担を減らすことで、退職を避けることができました。
そして、家族のためではなく、自分が休むための時間を意識して取ることをおすすめしました。通院の付添いには介護休暇などの制度を積極的に活用し、有給は自分が休むために使いましょう。

介護疲れエピソード3:
イライラして、怒鳴ってしまう。優しくできない
(橋中さんご自身)

私は、当時要介護5だった母に「なんで歯磨きも自分でできないの?」といきなり怒鳴ったことがあります。その後、これまでずっとやってきたことなのに、オムツを替えながらまた怒鳴っていました。3人を寝かしつけた真夜中、壁に頭をガンガンぶつけている自分がいて「私、疲れてるんやなぁ。このままじゃ手を上げてしまうかもしれない」と思いました。仕事をしながら家族3人の介護を1人でやり続けて、もう限界だったんだと思います。

こういったケースでの対策は?

介護疲れは気づきにくいものです。優しくなれず、怒鳴ってしまうのは疲れているからです。自分の体が知らせてくれていると思って、物理的に距離を取りましょう。私の場合、祖母はショートステイを嫌がってほとんど使っていなかったのですが、これをきっかけに、無理にでもとショートステイを増やし、窮地から脱しました。最終的には、友人と旅行を楽しめるようにもなったのです。

一緒にいること、自分で世話をすることだけが愛情ではありません。家族だからこそ、適度な距離感でいることが大切だと思います。
介護は、毎日が戦場です。目の前のことに追われて、体力と気力の限界がきていることに気がつくことができません。介護虐待や介護殺人といった悲しい事件は、特別な人や特別な環境の人だけに起きることではないのです。

どうか、介護をがんばらないでください。できないこと、分からないことを自分だけで抱え込まずに、上手に介護疲れを乗り越えていってもらえたらと思います。

写真:がんばらない介護

橋中今日子さんの著書

「がんばらない介護」

だいじょうぶ。もっとラクなやり方、ありますよ。介護の心を軽くする36のコツを紹介。
出版社 : ダイヤモンド社

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