家族みんなの笑顔のために
ニオイ解決ナビ
くらしのアイデア
投稿日:2020年09月11日
トイレの個室に充満するニオイ、その原因のひとつがアンモニアです。誰が嗅いでも不快極まりないこの悪臭を一刻も早く消すにはどうすればよいのでしょうか? ニオイが発生する原因と効果的な消臭方法を探っていきます。
トイレに入ると不意に鼻をつく“ツン”とした刺激臭。そのニオイの主な原因は、アンモニアです。アンモニアは体内でタンパク質が分解されることで生じる有害物質ですが、後に腎臓内で無害な尿素に作り変えられるため、排泄直後の尿はほとんどニオイがありません。しかし、排泄後は細菌によって尿素が分解され、再びアンモニアになるため、そのまま放置すれば強いニオイを放つようになります。
また、近年の研究ではニオイの原因は他にもあることがわかってきています。それは「フェノール化合物」です。私たちが赤ワインなどに含まれるポリフェノールを摂取すると、体内で分解されて「フェノール化合物」という化合物群が作られます。「フェノール化合物」は蓄積すると毒になるため、体内では水に流れやすく無毒化された「抱合体(ほうごうたい)」となり、やがて尿として排出されます。「抱合体」は本来であれば無臭ですが、尿道を通る時や排出後に菌と組み合わさることで強烈な尿臭が発生するとされています。
トイレ掃除で取り切れず、便器内やトイレの壁などに付着してしまった尿は、フェノール化合物とアンモニアという2つの物質が菌と混ざることで悪臭を放ち、誰もが顔をしかめる“トイレのニオイ”の原因になってしまうのです。
定期的にトイレ掃除をしているのに、個室に入るとなぜか充満している不快なニオイ。もしかしたら、まだトイレのどこかが汚れてしまっているのかもしれません。汚れが付きやすく落としづらい、そんなトイレの要注意ポイントをまとめてみました。
便器のすみずみまで掃除をしたつもりでも、落とし切れていないのがふちの裏についた汚れです。角度的に便器に顔を近づけないと汚れの有無が分からないため、軽くこすって掃除を終えてしまう方も少なくないでしょう。特にふちの裏が細い溝のようになっている便器の場合、大きめのトイレブラシでは奥までこすることができません。ふち裏に残った尿はいつしか固まって尿石となり、やがて強いニオイを放つことになります。
また、ふたの裏側、便座の裏も見落としやすいポイントのひとつ。ふたを閉めて水を流すと便器内で飛び散った汚れが大量に付着します。一見汚れていないように思えますが、放っておけば汚れから細菌が繁殖してこちらもニオイの原因になる可能性があります。
汚れやすい便器や床の掃除はバッチリ。でも、壁や天井の掃除はどうでしょうか? 便器のフタを開けたまま水を流したり、男性が立った姿勢で用を足したりすると、床だけでなく個室の壁全体に尿が飛び散ってしまうのです。
また、「さすがに天井までは飛び散らない」と思われるでしょうが、実はアンモニアは空気よりも比重が軽く、そのニオイ成分は天井付近にまで到達することが分かっています。また、男性が立ったまま小用を足すと、周辺に尿が飛び散ります。そのまま天井のクロスに付着すれば、いつまでもイヤなニオイを放つことになるでしょう。そのため、定期的に壁や天井も掃除するようにしましょう。
便座カバーと足元に敷くマットには、飛び散った尿や、直接触れた時に付着する皮脂汚れ、衣類を脱ぎ着する際に落ちるホコリなどがビッシリ。実はホコリもニオイを吸着します。さらに布製品はニオイを吸着しやすいため、トイレの使用頻度が少なくても悪臭の元になりかねません。家族構成にもよりますが、便座カバーは毎日、トイレマットは3日に一度は必ず交換し、洗たくをするようにしましょう。洗ってもニオイが取れない場合は、酸素系漂白剤を使用して浸け置きをしてみてください。
一度こびりついてしまうとなかなか取れないトイレのアンモニア臭。気持ちの良い空間を取り戻すには、ニオイの原因となりやすい箇所を定期的に掃除してニオイの原因となる汚れを取り除くほかありません。
不快極まりないアンモニア臭も、毎日のこまめなお掃除がニオイの予防になります。尿が悪臭のアンモニアになる前にお掃除しておけばトイレはニオイません。毎日のお掃除には除菌効果のあるアルコールを含む洗剤や拭き取りシートを使用しつつ、便器だけではなく、トイレの床・壁・天井、トイレマットや便座カバーも頻繁に洗たくするようにしましょう。