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Q.胎動はいつからわかるの?どんな感じがするの?【医師が回答】

2026.08.26 New

#おなかの赤ちゃん

妊娠中期に入りましたが、まだ胎動を感じません。「もしかすると、これが胎動?」と思うことはあるのですが、確信が持てません。胎動って、どんな感じなのでしょうか?(妊娠5カ月)

回答した専門医

善方 裕美先生の写真

産婦人科医師 (医学博士)
善方 裕美  先生

よしかた産婦人科 院長
横浜市立大学産婦人科 客員教授

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日本産科婦人科学会専門医、女性ヘルスケア専門医、日本骨粗鬆症学会認定医。大学病院で臨床研究を通して若手医師の育成に携わると同時に、国際出産イニシアティブ(ICI)に関東圏で初めて認証された分娩施設の院長も務める。女性が本来持っている産む力を活かせるように、そして、ママと赤ちゃんご家族にとって、幸せな出産と育児になるように、安全で自然なお産を守り、産後ケアの充実に取り組んでいる。家庭では3人娘の母。

A.胎動は妊娠20週前後から感じ始めるママが多いでしょう。まだ赤ちゃんが小さい時期は動きもささやかなため、すぐに気がつかないことも少なくありません

胎動を感じ始める時期には、個人差があります。一般的には妊娠20週前後から気づく方が多いといわれていますが、この時期はまだ赤ちゃんが小さく、動きの伝わり方が弱いため、すぐには胎動だと確信を持てないこともめずらしくありません。
そのため、現時点で明確な胎動を感じられていなくても、妊婦健診で赤ちゃんの順調な発育が確認できていれば、過度に心配する必要はありません。まずは、ゆったりとした気持ちで過ごしてみてください。

胎動とは?いつから感じる?

胎動をチェックする夫婦

実のところ、おなかの赤ちゃんは妊娠初期から子宮の中で体を動かしています。しかし、そのころはまだ赤ちゃんが非常に小さいため、お母さんがその動きを自覚することはほとんどありません。

週数が進み、赤ちゃんの骨格や筋肉が発達して羊水の中で活発に動くようになると、その動きが子宮の壁を通して伝わるようになります。これが胎動です。
赤ちゃんの成長に伴って、少しずつ胎動も強く感じられるようになっていくのです。

胎動を感じることは赤ちゃんとのコミュニケーションができるようになるということです。赤ちゃんに呼びかけるときの名前、いわゆる「胎児ネーム」を考えてあげると、より赤ちゃんへの愛着が増して、胎動を愛おしく感じられるようになるでしょう。

胎動が感じられるようになる時期

胎動の感じ方は個人差がありますが、赤ちゃんの骨格や筋肉が発達して、大きくなってくる妊娠20週前後から胎動に気づき始めるママが多いようです。
最初はまだ小さいため、腸がゴロゴロ動くような感覚や、おなかの中でプクプクと空気が弾けるような感覚として捉える方も多く、「これは本当に胎動なのだろうか」と迷われるかもしれません。

初めて胎動を感じる位置の目安としては、おへそより少し下の下腹部あたりです。妊娠中期になると、子宮は大人の頭よりも一回り大きいくらいになり、子宮の最も高い位置(子宮底)がちょうどおへその高さまで上がってきます。この時期に、下腹部に普段とは違うかすかな動きを感じたら、それは胎動かもしれません。

胎動の感じ方は時期によっても変わる

発育が進むにつれて赤ちゃんの手足の力は強くなり、動きもダイナミックになっていきます。このため、妊娠週数が進むごとに胎動も力強く変化していきます。「元気に大きくなってきたんだね」と成長を喜んであげましょう。

妊娠中期にはポコポコといったかわいらしい動きだったものが、妊娠後期に入ると、ムギューっと押してきたり、ゴロゴロと大きな動きをしたりするようになります。また、赤ちゃんが動くたびにおなかが波打ったり、伸ばした足の形が皮膚越しに浮き出て見えたりすることもあります。

一方で、出産が近づくにつれて赤ちゃんの頭は骨盤の中へと下がっていくため、それまでのような激しい動きが少し落ち着いてくることもあります。ただし、これも個人差が大きく、出産の直前まで元気な胎動を感じていたというママも少なくありません。
赤ちゃんは「苦しくてもがく」ということはなく、胎動が激しいのは、元気な証拠です。胎動の激しさや感じ方には個人差がありますが、「おなかの中にいたときの胎動の様子が、生まれてからの様子と似ている」という声も聞かれるなど、赤ちゃんのタイプによっても違うのです。

胎動を感じやすい人・感じにくい人もいる

胎動の感じやすさは、羊水の量やママの皮下脂肪の厚さによっても左右されます。例えば、羊水の量が少なめだったり、皮下脂肪が少なかったりする人は、赤ちゃんの動きがダイレクトに伝わりやすいため、胎動に早く気づく傾向があります。
反対に、羊水が多めであったり、皮下脂肪が厚かったりすると、動きが緩衝されるため、胎動をやや感じにくいと考えられます。

また、日中の過ごし方も影響します。静かに座ったり横になったりしている時間が長い方は些細な動きに気づきやすい一方で、仕事や家事で忙しく体を動かしている時間が長い方は、どうしても胎動に意識が向きにくくなるものです。

胎動の種類と赤ちゃんの動き

胎動をチェックする妊婦

おなかの赤ちゃんは、ただ手足を曲げ伸ばしするだけでなく、体全体を使って向きを変えたりもしています。こうした動きの種類によって、ママに伝わる感覚も変わってきます。

キッキング

赤ちゃんが子宮の壁を蹴る動きを「キッキング」といいます。トントン、ボンボンと響くようになればわかりやすいのですが、まだ体が小さい妊娠20週前後ですと、腸が動いているように感じたり、おなかの中で泡が弾けているように感じたりすることもあります。

ローリング

赤ちゃんが体全体をぐるんと回す、寝返りのような動きを「ローリング」といいます。このとき、ママはおなかの中で何かが大きく回転しているように感じることが多いでしょう。
赤ちゃんが回りながら手足で子宮の壁をこすっている場合には、おなかの内側をスーっとなぞられているように感じることもあります。こうしたローリング動作は、赤ちゃんが成長して子宮内のスペースに余裕がなくなってくる妊娠30週を過ぎたあたりから、徐々に減っていくと考えられます。

しゃっくり

「ピクッ、ピクッ」という規則的なリズムの胎動が、数分から、ときには何十分も続くことがあります。「もしかして、赤ちゃんがけいれんを起こしているのでは?」と不安になるかもしれませんが、これは正常な動きの1つで、心配いりません。
赤ちゃんがしゃっくりをする明確な理由はまだ解明されていませんが、神経系の発達が未熟なために横隔膜がけいれんしているのではないかと考えられています。また、生まれてから呼吸をするための練習だともいわれています。
大人はしゃっくりが続くと苦しくなりますが、赤ちゃんは苦しくないので安心してください。

足を伸ばす

赤ちゃんがぐーっと伸びをしたとき、子宮の壁に押し付けられやすいのが頭や足です。内側からグリグリ、あるいはグイーっと強く押されているように感じられます。このとき、おなかの表面に足の裏の形がぽっこりと浮き出て見えることもあります。

注意が必要な胎動の変化

胎動カウントを行う妊婦

胎動が痛いほど激しい場合、それは赤ちゃんが元気である証拠といってよいでしょう。
動きが激しすぎて「このまま破水してしまうのでは」と心配されるママもいるようですが、赤ちゃんの胎動が原因で卵膜が破れるようなことは決してありませんので、まずは安心してください。

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一方で、注意しておきたいのは「いつもより胎動が極端に少ない」と気づいたときです。これまで1日に何度も感じられていた胎動がまったく感じられなくなった場合、おなかの中で赤ちゃんに何らかのトラブルが起きている可能性もゼロではありません。

受診が必要な場合の目安

おなかの赤ちゃんにも睡眠のサイクルがあり、眠ったり起きたりを繰り返しています。なので、ママがおなかに意識を向けたタイミングでたまたま赤ちゃんが眠っていて、動きを感じにくかっただけということも十分に考えられます。
まずは、少し様子を見てみましょう。リラックスできる楽な姿勢で静かに過ごし、1〜2時間経ってもやはり胎動が感じられないようであれば、念のためかかりつけの産院に連絡をして、相談してみるとよいでしょう。
産院スタッフも、「胎動が少ない」というママの訴えには、慎重に対応すべきと考えています。我慢しすぎたり、ひとりで抱え込んだりしないことが大切です。

「胎動カウント」で胎動の変化を確認する方法もある

赤ちゃんの胎動がいつもと違わないか、元気に動いているかを確認する目安として「胎動カウント」という方法があります。胎動がしっかりと感じられるようになる妊娠28週ごろから始めてみるのが一般的です。

いくつかの方法がありますが、赤ちゃんが10回動くまでに何分かかるかを計測する「10回胎動カウント法」がよく知られています。

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胎動に関するよくある質問

初産婦さんと経産婦さんでの感じ方の違いや、胎動を感じやすい体勢など、妊婦さんからよく寄せられる疑問にお答えします。

Q.

初産婦と経産婦で感じ方に違いはある?

A.

経産婦さんは、以前の妊娠で一度胎動を経験しているため、初産婦さんに比べると「あ、これが胎動だな」と早い段階で気づきやすい傾向があります。
一方で、上の子のお世話や日々の生活に追われて、なかなかおなかに意識を向ける時間がとれず、結果として1人目のときよりも気づくのが遅くなった、という経産婦さんも少なくありません。

また、赤ちゃんの体勢や個性によっても感じ方は変わります。右側ばかりをキックする子もいれば、おへそのあたりを強く押してくる子もいるなど、胎動を感じる位置も強さも、赤ちゃんによってそれぞれです。

Q.

胎動を感じやすい体勢はある?

A.

「この体勢でなければならない」という決まりはありませんが、ママ自身がリラックスしているときのほうが、胎動には気づきやすいといえます。夜、布団に入って横になり、体が休まり始めたころに胎動が活発に感じられるという声もよく耳にします。
胎動を感じてみたいと思ったら、まずはソファにゆったりと座ったり、楽な姿勢で横になったりして、ご自身が一番リラックスできる体勢をとってみましょう。

胎動を感じ始めたら、コミュニケーションを楽しもう

初めて胎動を感じる時期は、本当に人それぞれです。今の段階で確信が持てなくても、妊婦健診で赤ちゃんの順調な成長が確認できているのなら、焦る必要はありません。その日が来るのを、穏やかな気持ちで楽しみに待ってみてはいかがでしょうか。
そして、はっきりと胎動を感じられるようになったら、おなかにそっと手を当ててみたり、優しく話しかけたりしながら、おなかの赤ちゃんとのコミュニケーションをぜひ楽しんでみてください。

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