専門医に聞く!マタニティお悩みQ&A
2026.08.26 New
#おなかの赤ちゃん

おなかの赤ちゃんが元気か、毎日気になっています。「胎動カウント」で確認できると聞いたのですが、具体的にどうやるのでしょうか?(妊娠8カ月)
回答した専門医

産婦人科医師 (医学博士)
善方 裕美 先生
よしかた産婦人科 院長
横浜市立大学産婦人科 客員教授
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日本産科婦人科学会専門医、女性ヘルスケア専門医、日本骨粗鬆症学会認定医。大学病院で臨床研究を通して若手医師の育成に携わると同時に、国際出産イニシアティブ(ICI)に関東圏で初めて認証された分娩施設の院長も務める。女性が本来持っている産む力を活かせるように、そして、ママと赤ちゃんご家族にとって、幸せな出産と育児になるように、安全で自然なお産を守り、産後ケアの充実に取り組んでいる。家庭では3人娘の母。
胎動カウントとは、ママ自身が感じた胎動の数を数えて記録する方法です。これには主に2つのやり方がありますが、比較的よく知られているのは、胎動を10回感じるまでに何分かかったかを計る「10回胎動カウント法」です。
いつから始めるかについて厳密な決まりはありませんが、胎動がはっきりと感じられるようになる妊娠28週ごろを1つの目安にしてみるとよいでしょう。

胎動カウントとは、ママ自身が感じられる胎動の数を確認することで、おなかの赤ちゃんの様子をチェックするためのものです。
具体的なやり方としては、ママが静かに座るか横になった状態で、ある一定の時間の間に感じた胎動の数を数える方法と、胎動を10回感じるまでに要した時間を計る方法(10回胎動カウント法)の2通りがあります。
日々の生活の中で比較的簡単に行えるため、10回胎動カウント法を用いることが多いでしょう。
胎動カウントは、おなかの赤ちゃんの健康状態に何か変わったことがないかを察知するための、大切な手がかりの1つになります。
ただし、ママの胎動の感じ方と、実際の赤ちゃんの健康状態が、必ずしも完全に一致するわけではありません。胎動の感じ方には個人差がありますし、一時的に胎動が減っていたとしても、それがすぐに赤ちゃんの異常と結びつくわけではないのです。
赤ちゃんの正確な状態を把握するためには、産院を受診して、超音波検査や胎児心拍モニタリングなどの医学的な確認を行う必要があります。つまり、胎動カウントをしていて「いつもより胎動が少ない」「極端に弱い気がする」と気づいたときは、できるだけ早く産院を受診して赤ちゃんの健康状態を確認することが大事です。
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胎動カウントをいつから始めなければならないという、明確な規定があるわけではありません。まずは、胎動がしっかりとコンスタントに感じられるようになる妊娠28週ごろを1つの目安として始めてみるとよいでしょう。
また、赤ちゃんの起きている時間と寝ている時間のサイクルがより規則的になってくる妊娠34週ごろからは、さらに適した時期といえます。

胎動カウントの中でも、日々の生活の中で比較的取り入れやすい「10回胎動カウント法」の具体的なやり方について説明します。
まずは、スマートフォンのストップウォッチ機能など、時間を正確に計れるものと、測定した結果を記録できるメモなどを準備してください。最近では、胎動の計測と記録に特化した便利なスマートフォンアプリなどもありますので、そうしたものを取り入れてみるのもよいでしょう。
胎動は、ママ自身がリラックスしているときのほうが感じやすくなります。10回数え終わるまでの間、ゆったりと過ごせるように、ソファに深く座ったり、ベッドに横になったりと、ご自身が一番ラクだと感じる体勢で行ってみてください。
準備ができたら、胎動を10回感じ終わるまでに何分かかるかを計ります。
もし、10回に到達するまでに30分以上かかるような場合は、たまたま赤ちゃんがぐっすり寝ている時間帯だったのかもしれません。そのようなときは無理に続けず、少し時間を空けてから、もう一度計り直してみましょう。
なお、「ピクッ、ピクッ」と一定のリズムで繰り返される動きは、赤ちゃんがしゃっくりをしている状態と考えられます。これは通常の胎動のカウントには含めない、という点も知っておいてください。
計測は1日1回行えば十分です。例えば、昼食後の休憩時間や、夜寝る前のひとときなど、毎日できるだけ同じような状況で、リラックスした状態で行うのが理想的です。

おなかの赤ちゃんは、睡眠と覚醒(起きている状態)を交互に繰り返しています。赤ちゃんが起きているタイミングであれば、だいたい30分前後で10回のカウントを終えることが多いでしょう。ただし、胎動には大きな個人差があります。10分もかからずに終わる方もいれば、普段から40分以上かかるという方もいます。
胎動カウントに関する目安も、「1時間以上まったく感じない場合は産院に連絡を」とする産院もあれば、「2時間以上感じない場合は産院に連絡を」とする産院もあります。これをどの程度参考にするか、どのような方法を推奨するかは、担当する医師によっても少し見解が異なります。なので、ご自身がどんなときに産院へ連絡すべきか、あらかじめかかりつけの医師に確認しておくと安心です。
ただし、胎動が減っている感覚と共に、おなかの痛みや出血などがある場合には、赤ちゃんの状態が心配なので、迷わずすぐに産院へ連絡してください。
胎動の感じやすさは、羊水の量や妊婦さんの皮下脂肪の厚さ、そして赤ちゃんの睡眠サイクルなどによっても変わってきます。人それぞれ、個人差が大きいのです。なので、胎動の強弱や頻度を他の妊婦さんと比べて不安になる必要はありません。
ここで最も大切な判断基準は、「ご自身のいつもの胎動と同じかどうか」ということです。「昨日はあんなに強く何度も動いていたのに、今日は極端に弱くて少ない」など、明らかにいつもと違う変化を感じた場合は、赤ちゃんが少し元気をなくしている可能性も考えられます。そうした際は、遠慮せずに産院へ連絡してみましょう。
胎動カウントは、あくまで赤ちゃんの「元気度」を日常的にチェックするための手がかりの1つです。胎動の回数と赤ちゃんの健康状態に関連があるとする研究報告はありますが、胎動カウントを行うこと自体が赤ちゃんの命を確実に守る手段として医学的に証明されていません。
胎動に関心を持ち、日々のささいな変化に早めに気づけたり、おなかを蹴る動きを通じて赤ちゃんとのコミュニケーションを楽しんだりすること自体は、精神的にもとてもよいことです。
ぜひ、赤ちゃんに「胎児ネーム」をつけてあげてください。例えば、「ポンちゃん」という名前をつけたなら、毎日「ポンちゃん、元気ですか?」と呼びかけてあげましょう。
胎動が感じられていれば、胎動カウントを必ずしなければならないというわけではありません。「毎日きっちり計らなければ」と神経質になりすぎてしまい、それがママのストレスになってしまうようであれば、あまりおすすめはできません。
まずは無理をせず、胎動カウントを日々の生活にどの程度取り入れていくか、かかりつけの医師と相談してみてはいかがでしょう。
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