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前駆陣痛とは?いつから始まる?どんな痛みか本陣痛との違いを解説【医師監修】

2026.06.30 New

#臨月・お産

妊娠10カ月の臨月に入り、おなかの張りや痛みが増えてくるママもいるでしょう。前駆陣痛は陣痛とは違い、赤ちゃんが生まれるためのリハーサルです。
もうすぐ赤ちゃんに会える日が近づいています。いざというときにあわてないように、本陣痛との見分け方や陣痛が来るまでの過ごし方、産院へ連絡するタイミングについて詳しく解説します。
「これって陣痛かな?」と迷ったときの判断基準として、ぜひ参考にしてください。

監修した専門医

善方 裕美先生の写真

産婦人科医師 (医学博士)
善方 裕美  先生

よしかた産婦人科 院長
横浜市立大学産婦人科 客員教授

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日本産科婦人科学会専門医、女性ヘルスケア専門医、日本骨粗鬆症学会認定医。大学病院で臨床研究を通して若手医師の育成に携わると同時に、国際出産イニシアティブ(ICI)に関東圏で初めて認証された分娩施設の院長も務める。女性が本来持っている産む力を活かせるように、そして、ママと赤ちゃんご家族にとって、幸せな出産と育児になるように、安全で自然なお産を守り、産後ケアの充実に取り組んでいる。家庭では3人娘の母。

前駆陣痛とは?いつから始まるかと痛みの特徴

前駆陣痛とは、本当の陣痛ではないおなかの張り・痛みのことです。陣痛の予行演習のようなもので、代表的なお産の兆候でもあります。
おなかの張り・痛みの間隔が不規則で、次第に落ち着いてくるようであれば、前駆陣痛だと考えられます。なかには規則的な痛みではあるものの、1時間以内に落ち着いてくるケースもあります。また、前駆陣痛は1度だけとは限りません。数日、前駆陣痛を経験することもあります。

前駆陣痛は出産の数日前から始まるケースが多い

前駆陣痛は、陣痛が来る数日前に起こることが多いですが、始まる時期には個人差があります。前駆陣痛がなく、いきなり陣痛が来る人もいます。
37週0日から41週6日までが、赤ちゃんが生まれる正期産で、この間に陣痛が始まります。37週に入る前から、少しずつおなかの張りを自覚することが増えてくるのが一般的です。
張りの程度は個人差が大きいので、前駆陣痛と感じるママも少なくありません。まだ37週未満で、強い張りがある場合は、切迫早産かもしれないので、産院に相談してみましょう。

前駆陣痛の痛みは生理痛に似ている

前駆陣痛の感じ方は人によってさまざまですが、次のような痛みと表現される場合が多いです。

  • 生理痛のように下腹部がキューッと痛くなる
  • 下痢のときのようなゴロゴロする感じ
  • おなか全体がパンパンに張る

なかには、前駆陣痛であるにもかかわらず、「動けないくらいの強い痛み」と感じる人もいます。強い痛みが来ても、痛みが来る間隔や、痛みに波があるかを落ち着いて確認しましょう。

こんなときは本当の陣痛である可能性も

張り・痛みの頻度が増えてきたと感じたら、それは本当の陣痛の可能性があります。
陣痛の定義は以下の通りです。

  • 張り・痛みが規則的かつ10分以内の間隔で1時間以上続く
  • 1時間に6回以上の張り・痛みがある

痛みの間隔だけでなく、1回ごとに痛みがどんどん強くなる場合は陣痛であることが多いので、産院に連絡し指示を仰ぎましょう。

前駆陣痛と本陣痛の違い

おなかが痛い様子の妊婦

子宮が収縮しておなかの痛みを感じると、「陣痛かも」と期待や不安が生じる人も多いでしょう。ただし、その痛みが前駆陣痛か本陣痛かについては、すぐに判断は難しいケースが多いです。
知っておいてほしいのは「陣痛=赤ちゃんのおしりを押し出すパワー」ということです。痛みという言葉に対し、不安にならないように心がけましょう。

おなかの痛みや張りの間隔が毎回10分以内なら本陣痛

前駆陣痛と本陣痛の明確な違いは「おなかの張りや痛みの間隔が10分以上あくかどうか」です。前駆陣痛と本陣痛それぞれの特徴は以下です。

前駆陣痛
10分以内の間隔で張ることもあるが、間隔がバラバラだったり、次第に遠のいたりする。

本陣痛
毎回10分以内の間隔で規則的に発生し、そのまま1時間以上続く。だんだん間隔が短くなる。

痛みが始まったら、まずは痛みの間隔がどのくらいなのか確認しましょう。

本陣痛なら痛み(子宮収縮のパワー)はどんどん強くなる

痛みの程度がどんどん強くなる場合は、本陣痛である場合が多いでしょう。子宮が収縮して、赤ちゃんのおしりを「よいしょー」っと押し出すのが陣痛の役割です。この力がなければ、いくらママがいきんでも赤ちゃんは外に出てこられません。
多くの本陣痛は、以下のように痛みが変化します。

  1. 生理痛のように下腹部が痛いが、呼吸が止まることなく我慢できる
  2. 下腹部の痛みに加えて腰も痛くなり、普通の呼吸で過ごすのが難しくなり始める
  3. 痛みに合わせておしりが押される感覚がある、呼吸法で痛みを逃すと少し楽に感じる
  4. 下腹部だけでなくおなか全体が痛み、おしりが押される感覚や便を出したい感覚に変化する

前駆陣痛以外の「お産の準備が進んできた兆候」

胎動をチェックする夫婦

前駆陣痛以外にも、おしるしや子宮口の変化といったお産の準備の兆候といえるものがあります。
兆候が見られた際、あわてず過ごせるようにどのような変化があるかを見ていきましょう。

おしるしがある

出産が近づくと「おしるし」といって、量の少ない出血が見られることがあります。予定日が近づくにつれ、子宮口が開きやすい状態に変化します。そのときに赤ちゃんを包んでいる卵膜の一部が子宮壁から剥がれるため出血します。

出産する人全員に必ずしもおしるしがあるわけではありません。
また、なかにはお産の兆候といっても、おしるしがあってから1週間たっても陣痛が来ない人もいます。「おしるし」は赤ちゃんの出口がやわらかく変化して、生まれてきやすい状態に準備が整ってきた、ということと理解しておきましょう。

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赤ちゃんが下りてくる

誕生の日が近づくと赤ちゃんは下りてきて、ママの骨盤の中に頭を入れるようなかたちでスタンバイします。そのため、ママは胃の圧迫が取れてすっきりした感覚になる一方で、膀胱が圧迫されて頻尿や尿モレが悪化することもあります。
また、赤ちゃんは骨盤内に収まることで動きが制限されるため、以前よりも胎動が減ったり弱く感じたりすることもあります。しかし、まったく胎動がなくなることはありません。胎動がないと感じたら、赤ちゃんに異常が起きている可能性もあるため、産院に相談しましょう。

子宮頸管がやわらかくなる

子宮頸管とは子宮の入口にあたる筒状の部分で、分娩の際には赤ちゃんが通る「産道」の出口になります。それまでは早産を食い止めるために子宮頸管は硬く閉じていましたが、出産が近づくと、赤ちゃんが生まれてきやすいように徐々にやわらかくなっていきます。

もともと、子宮頸管は小鼻くらいの硬さくらいですが、出産が近づくと、徐々に子宮の出口は耳たぶくらいの硬さに変化します。陣痛が始まるころには、子宮頸管はマシュマロのようにふわふわにやわらかくなります。

こうした変化が起きるのは、お産に伴いママの体内から分泌されるホルモンの影響です。母体本来が持っている「生む力」は、こんなところにも現れています。

前駆陣痛が始まったときの過ごし方

おなかに手を当てる妊婦

前駆陣痛かも、と思われるおなかの張り・痛みが繰り返すときは、痛みの間隔(痛みが始まってから、次の痛みが来るまでの時間)を計りながら様子を見ます。ほかにも、いつ陣痛や破水をしてもよいように、以下で紹介する準備をしてみましょう。

入院準備の最終確認をする

前駆陣痛が始まったら、いつ本陣痛に変わるかは予測が難しいものです。まずは入院に必要な物がそろっているかを確認しましょう。
どの産院でも、以下の持ち物は入院時に必要です。

  • マイナ保険証(資格確認書)
  • 母子健康手帳
  • 診察券
  • 病院から指示された書類や入院グッズ

また、産院の連絡先や、陣痛タクシーの連絡先も確認しておくと、いざというときにあわてずに過ごせます。

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入浴をする

我慢できる程度の痛みであるうちは、入浴がおすすめです。いざ陣痛が来たときにも、入浴は痛みの軽減やリラックスにつながります。
出産後は、少なくとも1カ月健診までは入浴ができません。また、出産したら1人でゆっくり湯船につかる時間がなかなか取れないこともあるため、本格的に痛みが強くなる前にゆっくりと入浴をするのがおすすめです。

痛みがある状態での入浴をする場合、飲み物をお風呂の中に持っていき、こまめに水分補給をしましょう。

体を動かす

前駆陣痛があるなら、家の中で過ごしてもよいですが、無理のない範囲でウォーキングや階段昇降など適度な運動をして、体調を整えておきましょう。
気分転換にお散歩をするなら、できれば、パパやご家族とご一緒に、1人であれば家から15分圏内など、すぐに帰宅できる範囲にしておくと安心です。

体が疲れていて眠いときは、休息を優先しましょう。本格的な陣痛が来たときに、疲れすぎていたり寝不足だったりする場合、陣痛がなかなか強くならず、お産が長引くこともあります。

食事を摂る

痛みが始まったら、今のうちに食事を摂っておきましょう。痛みが強くなると、吐き気があったり食べる気になれなかったりするためです。
お産を乗りきるには体力が必要です。ある程度エネルギーを蓄えておかないと、スムーズに陣痛が強くならないこともあります。
何か食べる場合は、お菓子などの嗜好品よりも、おにぎりやパンなどしっかりとエネルギー源になるものがおすすめです。

陣痛や破水など、産院へ連絡するタイミング

産院に電話する妊婦

10分以内の間隔で規則的に来るおなかの張り・痛みが1時間以上続いたら、本当の陣痛が始まった可能性があります。医師や助産師に説明されたタイミングがきたら連絡して、指示を仰いでください。
ほかにも、破水や出血など産院へ連絡が必要なケースは以下の通りです。

陣痛が始まった・破水をした場合

陣痛かもしれないと感じたら、産院への連絡が必要です。産院によって、連絡するタイミングが決められていることが多く、正期産に入る前に説明されるのが一般的です。
説明を受けていない場合は以下の目安を参考に、産院に連絡をして指示を仰ぎましょう。

  • 10分以内の間隔で規則的に来るおなかの張り・痛みが1時間以上続いたとき
  • 10分以内の間隔の痛みがまだ1時間続いていないものの、動けないほど強い痛みがきているとき
  • 痛みが来るたびに、おしりが押される感じや便を出したい感覚があるとき

初産婦さんは、痛みが我慢でき、まだ1時間程度しかたっていなければ「数時間様子を見ましょう」と指示を受ける場合が多いでしょう。ただし、産院によって、陣痛時間をどのように過ごすかの方針が違うので、不安な場合はどうしたらよいか、産院に詳しく聞いてみてください。

また、陣痛がなくても破水をしたら入院となります。水がちょろちょろ出続ける、ショーツが濡れている感じがする、ばしゃっと水が出たなど、「破水かな?」と思ったらすぐに連絡をしましょう。

陣痛・破水以外でも出血や胎動の変化に注意

陣痛や破水以外にも、すぐに連絡が必要なトラブルのサインがあります。以下のような症状がある場合は、迷わず産院へ連絡しましょう。

  • 生理2日目より多い出血がある
  • サラサラで鮮やかな赤色の血が出ている
  • 陣痛のように痛みに間隔はなく、ずっと痛い
  • 1時間胎動を感じられない・胎動があるもののいつもと比較して少ない

上記以外でも、心配や不安が強く受診したいと感じる場合は、我慢をせずに電話で相談してください。

前駆陣痛が始まったら、お産に向けて心の準備を

前駆陣痛が始まったら、いよいよ出産はもうすぐです。いつ子宮収縮のパワーとなる本陣痛がきてもよいように、湯船に浸かってリラックスしたり、おいしいものを食べたりして、赤ちゃんに会えるそのときを楽しみにして待ちましょう。
もしも「痛みに耐えられるか心配」「1人で過ごすのは不安」など、少しでも心が落ち着かないときは、遠慮せずに産院へ相談しましょう。

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