赤ちゃんとママ・パパのための情報
赤ちゃんは生まれた直後から、教えられなくても乳首を吸うことができますね。乳首を口の端に触れさせるとあわてたようにくわえて、一生懸命吸い始めます。これは、乳探し反射、吸啜反射(きゅうてつはんしゃ)といって、赤ちゃんが持って生まれた反射によるものです。
しかし、ただ吸っているわけではありません。舌を乳首に巻きつけ、前後にしごきながら圧力をかけて飲みます。その証拠に、飲んでいる途中で乳首をいきなりはずすと、乳首が哺乳びんの乳首のように細長く伸びているでしょう。赤ちゃんは小さな口の中で、あんなふうにお母さんの乳首を引き伸ばして吸っているのです。
ところが、乳首が大きすぎたり固すぎると、赤ちゃんは上手に舌を動かせず、オエッとなってしまうことがあります。無理に嘔吐させようとするとき、舌を指で圧迫するのと同じようなことが起きてしまうのですね。
ma-saさんの赤ちゃんは、その典型的なケースだと思います。母乳がよく出るようですから、おそらく授乳のときには乳首も乳輪も張っているのでしょう。新生児の口の中はとても狭いので、口いっぱいに乳首をほおばってしまい、どうにもならなくて嘔吐のようなしぐさをとってしまうのです。でも、しばらくすると飲み始めるのは、赤ちゃんに吸われることで張りや固さがとれて、乳首が吸いやすい状態になるからです。
そこで、赤ちゃんが最初から吸いつきやすいように、授乳の前に軽く乳首をマッサージしてみましょう。乳輪から乳首の方向に向けて何回かしごくと、やわらかくなります。また、もうしばらくすると赤ちゃんの口の中も大きくなり、哺乳も一層上手になりますから、今のようなしぐさもなくなるはずです。母乳が嫌いなわけではなく、そんな単純な理由から起こっていることです。安心して、楽しく母乳育児を続けてください。
なお、授乳中にむせて泣くときは、母乳の出がよすぎて口の中に乳汁があふれてしまっていることが考えられます。あらかじめ軽くしぼってから飲ませるといいでしょう。
医学博士、日本小児科学会認定医、子どもの心相談医。1987年筑波大学卒。1994年筑波大学大学院博士課程修了筑波大附属病院、(株)日立製作所水戸総合病院、茨城県立こども病院で研修。1996年4月より現職。
母乳です。1日に1~2度ですが、乳首を口にふくむと「オエッ」という嘔吐のようなしぐさをします。それでも欲しがるので、ふくませると飲めるようになるのですが。病院では「母乳を嫌がることはない」と言われたし、実際、哺乳びんよりおっぱいのほうが好きでよく飲むのに、なぜこんなつらそうなしぐさをするのでしょう。理由がわかれば、もっと楽しく授乳できるのに。
(ma-sa 0カ月)