2024.12.25
#臨月・お産 #出産準備
妊娠10カ月(妊娠36週~39週)は「臨月」とも呼びます。出産まであと少し。お産の始まりや安産のために、やるべきこと・やってはいけないことを知り、ママは体調を整えて、夫婦で心の準備をしておきましょう。もうすぐ出会える赤ちゃんのための出産準備も最終チェック段階です。
監修した専門医
産婦人科医師 (医学博士)
善方 裕美 先生
よしかた産婦人科院長
横浜市立大学産婦人科客員准教授
プロフィールを読む
日本産科婦人科学会専門医、女性ヘルスケア専門医、日本骨粗鬆症学会認定医。年間約700人の赤ちゃんが生まれる分娩施設の院長。女性が本来持っている産む力を活かせるように、そして、ママと赤ちゃんご家族にとって、幸せな出産と育児になるように、安全で自然なお産を守り、産後ケアの充実に取り組んでいる。家庭では3人娘の母。
妊娠37週頃になると赤ちゃんは内臓などの身体の機能が整い、いつ生まれても大丈夫な状態になります。そのため、妊娠37週0日~41週6日の出産を「正期産」と呼び、この期間に出産となることが多いです。
正期産より早く生まれることを「早産」といい、赤ちゃんが未熟なため治療が必要な場合があります。また、42週以降は「過期産」と呼ばれ、胎盤の機能が低下してくるため過期産にならないように分娩誘発をします。
出産予定日が近づくとママは緊張するかもしれませんが、もうすぐ会える赤ちゃんを思い描きながら、できるだけリラックスして過ごすようにしましょう。
かなりおなかも大きくなり、「動きたくない」と思うママもいるでしょう。また、赤ちゃんが骨盤のほうに下がってくると胃の圧迫がなくなり、急に食欲が出てくるママもいるでしょう。しかし、この時期に体をまったく動かさず、食欲にまかせて食べてばかりいるのはよくありません。体重が必要以上に増える原因になりますし、動かないでいると筋力が落ちてしまいます。
医師から安静の指示がない限り、臨月に入っても洗濯や掃除などの家事は普段通りこなして大丈夫。体を動かすことは適度な運動になるうえ、緊張をやわらげる効果も期待できるのでおすすめです。
パパと一緒に楽しくお散歩して、気持ちよい場所で日光浴、外気浴をしましょう。食事に関しては、食べ過ぎないように注意しながら、栄養バランスを考えて3食きちんととることを心がけて。お産や産後の育児に備えて、体力を蓄えましょう。
規則正しい生活で、疲労をためずに睡眠をしっかりとることも大切です。大きなおなかでは寝苦しいかもしれませんが、抱き枕やクッションなどを使いながら、少しでもラクな姿勢を探ってみてください。
臨月になると、夜に何度も起きてしまうことが増えますが、これは赤ちゃんが生まれた後、赤ちゃんの寝起きのペースに沿うようにママの睡眠サイクルが変化するからです。あせらないで、「この時期はそういうものなのね」と、気持ちを落ち着けてください。
寝つきにくいときは、ゆっくりと鼻から吸って口から吐く呼吸で体の力を抜いてみましょう。この呼吸法は、陣痛が始まったときにお産の進行を促すのにも役立つので、お産の練習もかねて実践してみましょう。
臨月に限ったことではありませんが、妊娠中は体を冷やさないことも鉄則です。とくに下半身は保温を心がけましょう。そして、万が一、緊急帝王切開手術などになった場合に備えて、ネイルはオフにし指輪ははずしておくことも忘れずに。
ネイルをしていると爪の色で健康状態を確認することができませんし、血中酸素濃度を測るパルスオキシメーターが正しく作動しない恐れもあります。また、指輪をしたままだと、むくんで指輪がはずれなくなることもあります。
大切な時期、新米パパの役割も大切です。家事を率先して行いながら、ママが不安や悩みを抱え込まないように寄り添いサポートを。夫婦で共に協力しながら、赤ちゃんを迎えましょう。
妻をリラックスさせる
マッサージなどのスキンシップもおすすめです。普段からスキンシップをとっておくと、お産が始まったときのサポートもスムーズに。夫婦で散歩をするのもいいでしょう。
仕事の予定など、夫婦で情報共有
お産が始まったときに、なかなかパパと連絡が取れないとママは不安になります。いつ・どこにいるのかなど、できるだけパパの予定を共有する習慣を。
飲酒は控えて、早めの帰宅
自家用車で産院に向かう予定の場合、パパが飲酒していると運転できません。運転の予定がなくても、お産が始まったときにきちんとサポートできるようしばらくは飲酒を控えて。
入院してからのサポートを予行練習
陣痛の痛みをやわらげるためのマッサージや指圧など、付き添い時にできるサポートを予習しておきましょう。
積極的に動くことが安産につながるといっても、特別なことをする必要はありません。大きいおなかでは体のバランスもとりづらく、転倒などの心配もあります。
掃除などの家事や、近所のお散歩、ストレッチ、マタニティヨガなどがよいでしょう。体を動かすと血行が良くなり、緊張もまぎれます。拭き掃除などのしゃがんだ姿勢は股関節を柔らかくするのに役立ち、ストレッチやマタニティヨガは腰痛や肩こりなどの改善にもつながります。
臨月ではおなかが張っても、ママがつらくなければ心配いりません。ただし、痛みがあるときは無理をせず、体を休めて様子を見ましょう。
しばらく休んでも張り・痛みが継続する場合は、陣痛かもしれないので、張り・痛みの間隔を計りましょう。陣痛は10分間隔で1時間以上続くと定義されていますが、始まったかどうかは、わかりにくいものです。陣痛が疑われる場合や激痛の場合、出血を伴う場合は我慢せず、産院に連絡して指示を仰ぎましょう。
外出はいつお産が始まるかわからないので遠出を控え、出掛けるときはできるだけ家族や友人と一緒のほうが安心です。近所に買い物に行く場合でも、破水や陣痛が始まったときに備えて、夜用ナプキン、母子手帳、健康保険証は携帯するようにしましょう。
入院時に必要になる荷物は、あとから家族に持ってきてもらえるように、ひとまとめにして玄関に準備しておきましょう。また、感染症予防のために人混みを避けることも大切です。
近所に出掛ける際も、最低限これだけは携帯を。
出産準備も入院準備も臨月に入るころには、ほぼ終えているのが理想です。この時期は、足りない物や忘れている物がないかをチェック。準備した育児用品の使い方なども事前に見ておきましょう。
出産準備は最終チェック段階です。育児用品をそろえるだけでなく、赤ちゃんを迎える環境も整えて。産後1カ月間くらいは、ママは赤ちゃんのお世話をするとき以外はできるだけ体を休めることが大事です。
そうした生活をイメージしながら、ママと赤ちゃん、パパの寝る部屋を決め、ベビーベッドを使う場合は今のうちから組み立てておきましょう。そして、赤ちゃんが過ごす部屋はしっかり掃除を。
育児用品の置き場所は、赤ちゃんのお世話をイメージしながら決めて、どこに何があるかの情報も夫婦で共有しておくと、産後、育児がスムーズにスタートできます。また、室内でペットを飼っている場合は、赤ちゃんのスペースと仕切る工夫も必要です。
移動グッズ
抱っこで移動する場合は、おくるみや新生児から使える抱っこひもなどを用意。赤ちゃんを車に乗せるなら、チャイルドシートが必要です。
赤ちゃんの寝具
ベビー専用の寝具は必須アイテム。ふかふかのやわらかい敷布団は、赤ちゃんが窒息するリスクもあるので避けましょう。
肌着&ベビーウエア
まずは退院着が必要。産後1カ月間はほとんど外出しないので、肌着以外のウエア類は必要最小限にして、様子を見ながら買い足しても。ウエア類は水通し(水で洗っておくこと)しておきましょう。
沐浴用品
ベビーバス、沐浴布、ガーゼハンカチ、ベビーソープ、ベビー用スキンケア剤、つめ切り、綿棒は必須。とくにガーゼハンカチ、つめ切りは、入院中から活躍するケースが多いようです。
授乳用品
ミルク用品は産後に母乳の出具合を見ながら買い足すのがおすすめ。退院時に産院からプレゼントされることも多いようです。
おむつ用品
入院中は産院が用意してくれることが多いですが、退院直後から必要に。最低限、新生児サイズの紙おむつ1パックとおしりふき1パックは用意しておいて。紙おむつは、どれがいいかを比較できるように、妊娠中にサンプルを集めておくのもおすすめです。
入院グッズの準備は、遅くとも妊娠36週には済ませておきたいものです。外出先から産院に向かうことになった場合、あとから家族に入院バッグを持ってきてもらうこともあり得ます。入院バッグの置き場所は、家族に伝えておきましょう。
入院の荷物は用途別にパッキング
入院の荷物は、「受付時に必要な物・貴重品」「入院から出産までに使う物」「産後の入院生活で使う物」「退院時に使う物」に仕分けしてバッグに詰めておくと、取り出すときに便利です。
携帯電話の充電器など、家を出るタイミングで荷物に入れる物はバッグの上にメモを貼っておくなど、忘れないための工夫を。
受付時に必要な物・貴重品
健康保険証、母子健康手帳、診察券、お財布、携帯電話、必要書類(入院申込書など)、印鑑、筆記用具、家の鍵、携帯電話の充電器など。
入院から出産までに使う物
パジャマや靴下、カーディガン、汗拭き用のタオルなど入院したらすぐ使う物をまとめておきましょう。産院によって自分で用意するべきものが異なるので、よく確認してから必要なものを持参して。
他には、陣痛中の飲み物、陣痛を乗りきるために役立つグッズ(例:ストロー付きキャップ、使い捨てカイロ、ポータブル扇風機、いきみ逃しにおしりを押す用のテニスボール)など。
産後の入院生活で使う物
産褥パッド、産褥ショーツ、授乳用ブラジャー、母乳パッド、洗面グッズ、マスク、除菌グッズ、化粧品、着圧ソックス、骨盤ベルト、ガーゼハンカチ、ベビー用つめ切り、円座クッション、授乳クッション、おくるみなど。
産院によって用意されている物もあるので、事前に確認を。
退院時に使う物
退院時のママの衣類、退院時の赤ちゃんの衣類、(自宅までの移動時間が長い場合)紙おむつ、おしりふき、おむつ替えシートなど。
お産は陣痛から始まるケースと、破水(前期破水)で始まるケースがあります。お産が始まったらどうすればいいか、かかりつけの産院から事前に説明があるでしょう。ママだけが理解しておくのではなく、夫婦でその段取りをきちんと確認しておくことが大事です。
里帰り出産の場合は、同居の家族ともしっかり確認を。ただし、お産が始まったときは、状況を正しく伝えることが大切なので、産院への連絡はママ本人が行うようにしましょう。
緊急時の連絡方法
パパの勤務中にお産が始まる場合もあるので、すぐ連絡がつく方法を確認しておきましょう。
産院までのルートと交通手段
自宅から向かう場合、外出先から向かう場合、それぞれの交通手段を考えて。陣痛タクシーを利用する場合は、複数の会社に登録しておくと安心です。
夜間の産院入口
いざというときにあわてないために、夜間専用の入り口の場所を確認しておきましょう。
上の子がいる場合は、誰が面倒をみるか
ママの入院中、上の子のケアはどこで誰がするのかをしっかり決めておきましょう。
お産の始まりから出産までの流れを夫婦で予習しておきましょう。すでに、予習済みの人も再確認しておくと、落ち着いてお産に臨むことができます。
また、経腟分娩の予定だとしても、お産は何が起こるかわかりません。分娩途中で何らかのトラブルが起きて、急きょ帝王切開手術に切り替わることもあります。手術の大まかな流れも予習しておくと、もしものときも、必要以上に不安になることがないでしょう。
赤ちゃんが生まれたら、出生届など、必要な手続きがいくつもあります。ママはお産の疲れと育児で余裕がないので、手続き関係はパパの出番です。今のうちに、いつ・何の手続きをするかを夫婦で確認し、事前にもらえる申請書は準備しておきましょう。また、パパは育休をどれくらい取るか、仕事をどう調整するかの段取りなども考えておきましょう。
出生届
児童手当の申請
赤ちゃんの健康保険加入
出生育児一時金の申請
乳幼児の医療費助成の申請
このほか必要に応じて、以下の手続きなどがあります。
高額療養費の申請
(帝王切開など、健康保険が適用される医療処置で自己負担限度額を超えた場合)
育児休業給付金の申請
(パパが育児休業を取得する場合)
赤ちゃんのお肌はとてもデリケート。皮膚は大人よりも薄く、とっても汗っかき!*
おしっこによるムレムレ湿気、おむつの摩擦による刺激などから守るために、おむつ選びは「通気性のよさ」と「やわらかさ」がポイントです。
ずっと気持ちいいがつづく!上質な100%通気素材*で赤ちゃんの繊細な肌をやさしく守ります。
あわせて読みたい