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Q.妊娠初期は「おなかの張り」を生理痛のように感じる?原因や対処法は?【医師が回答】

2025.05.29 New

#マイナートラブル

生理のときのように下腹部に鈍い痛みを感じることがあります。しばらくすると痛みは消えるのですが、これが「おなかの張り」と呼ばれるものなのでしょうか?おなかの張りだとすれば、流産の心配があるのでしょうか?(妊娠3カ月)

回答した専門医

善方 裕美先生の写真

産婦人科医師 (医学博士)
善方 裕美  先生

よしかた産婦人科院長
横浜市立大学産婦人科客員准教授

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日本産科婦人科学会専門医、女性ヘルスケア専門医、日本骨粗鬆症学会認定医。大学病院で臨床研究を通して若手医師の育成に携わると同時に、国際出産イニシアティブ(ICI)に関東圏で初めて認証された分娩施設の院長も務める。女性が本来持っている産む力を活かせるように、そして、ママと赤ちゃんご家族にとって、幸せな出産と育児になるように、安全で自然なお産を守り、産後ケアの充実に取り組んでいる。家庭では3人娘の母。

A.生理痛のような痛みは、おなかの張りの可能性があります。おなかに手を当てて確認してみて

おなかの張りの感じ方は人によって異なりますが、妊娠初期でおなかの張りをまだあまり経験したことのない人の中には生理痛のように感じる人もいるようです。
張っているのかどうか迷ったときは、おなかに手を当ててみましょう。触れてみて、かたくなっているようであれば、おなかが張っているということです。

おなかの張りには、子宮が大きくなることで起こる自然現象で心配のない張りと、流産・早産につながりかねない危険な張りがあります。しばらくして治まるのであれば、心配のないおなかの張りの可能性が高いでしょう。

妊娠初期におなかの張りが起こる理由

妊娠時特有の「おなかの張り」という言葉は、「子宮の収縮」の意味で使われます。子宮の収縮は、通常、妊娠初期よりも中期、中期よりも後期、というように妊娠経過が進んでおなかが大きくなるほど回数が増えます。

また、おなかの張りには、おなかが大きくなっていく過程で起こる心配のない張りと、なんらかのトラブルが起きていて流産・早産につながる危険な張りとがあります。これは、妊娠全期にわたって共通することです。

おなかの張りが起こる理由

妊娠中は、子宮が大きくなる過程で筋肉が伸び、その一方で元に戻ろうとする力が働きます。そのため、子宮の筋肉が収縮することがあります。これが「おなかの張り」です。体を休めて治まるようであれば、自然現象で起こる心配のない張りです。
ただし、最初は心配のない張りでも、そこでママが無理をしてしまうと、おなかが張る回数が増え、強く長い張りになる恐れが出てきます。
強いおなかの張りが続くと、おなかの中の赤ちゃんが子宮口のほうに押し出されて、流産につながる心配があります。

妊娠初期のおなかの張りの感じ方

妊娠初期は、まだ子宮もあまり大きくないので、おなかが張っていたとしても気づきにくいものです。
おなかが張っているときの感じ方は、月経時のような下腹部の鈍痛、おなかにガスがたまっているような感じ、おなか全体が引っ張られるような感じ、下腹部がキューッと痛むなど、さまざまです。
張っているのかどうか迷ったときは、おなかに手を当ててみましょう。おなかがかたくなっていれば張っているということです。

円靭帯が伸びる痛みの場合も

妊娠初期は、下腹部や脚のつけ根あたりが引っ張られるような痛みを感じることもあります。
これは、子宮が大きくなる過程で子宮を左右から支えている円靭帯が引っ張られるために起こる痛みで、おなかの張りではありません。円靭帯が伸びる痛みがあっても、妊娠経過に影響はありません。

腹圧がかかる動作や疲れもおなかの張りの原因に

自然現象で起こる心配のないおなかの張りでも、ママが無理をすると、さらに子宮の収縮が促されて危険な張りにつながる心配も出てきます。とくに、まだ胎盤が完成していない妊娠初期は、無理をしないように心がけましょう。

腹圧がかかる動作による張り

重い荷物を持つ、お風呂掃除をするなど、腹圧がかかる動作によっておなかが張ることがあります。こうした作業でおなかの張りを感じるようなら誰かに代わってもらうなどして、できるだけ避けるようにしましょう。

ストレス・疲労による張り

身体的な疲労や精神的なストレスによって子宮の筋肉が緊張し、おなかが張ることもあります。立ち仕事を続ける、十分な睡眠をとらないなど、無理をするのはよくありません。
疲れたら休み、できるだけリラックスして過ごせるようにしましょう。

冷えによる張り

体が冷えたときも子宮の筋肉が緊張しやすくなります。とくに妊娠中はおなかを含め、下半身を冷やさないように心がけましょう。

子宮筋腫による張り

子宮筋腫はホルモンの影響で妊娠中に大きくなることがあります。また、それが原因でおなかが張りやすくなることもあります。子宮筋腫がある人はとくにおなかの張りには注意し、おなかの張り・痛みを感じたら産院に連絡しましょう。

多胎妊娠による張り

双子などの多胎妊娠では単胎よりも子宮が大きくなるペースが速いので、それだけおなかが張りやすくなります。産院の指示を守り、無理をしないように心がけましょう。

性行為による張り

性行為によって子宮が収縮することもあります。とくに妊娠初期は胎盤が未完成で体調が安定しないので、性行為はできるだけ控えたほうがよいでしょう。

便秘・ガスによる張り

妊娠中はホルモンの影響で便秘になりやすくなります。便秘や腸にガスがたまっていることが原因で、おなかが張ることもあります。
水分、食物繊維を摂るなどの対策を行っても便秘が改善しないようであれば、産院に相談し、妊娠中でも服用できる便秘薬を処方してもらいましょう。

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おなかが張ったら体を休めて様子を見る

おなかの張りを感じたら、まず体を休めて少し様子を見ましょう。休んで1時間以内に治まるようであれば、無理をしないように気をつけつつも、普通に過ごして大丈夫です。
ただし、不安が残るようであれば、産院に電話して相談しましょう。不安を抱えたままでいるとストレスになるので、医師や助産師と話して不安を解消することも大切です。

張りがおさまらない・他の症状がある場合は受診を

妊娠初期のおなかの張りは、流産につながる危険な張りの場合もあります。以下のような症状が1つでもあれば、危険な張りの疑いがあります。その場合はすぐに産院に連絡し、指示に従いましょう。

危険な張りの兆候

  • おなかの張りが治まらない
  • おなかの痛みがどんどん強くなる
  • おなかの痛みが激しい
  • 出血がある

産院に向かうときの注意点

産院に向かう途中で、症状が悪化することもあり得ます。誰かに付き添ってもらい、車で移動するのが安心です。
1人で向かうことになる場合は、タクシーを利用するようにしましょう。また、1人で産院に向かう場合は、家族にその旨を電話などで伝えましょう。

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