専門医に聞く!マタニティお悩みQ&A

Q.臨月に入り体重が激増、食事制限や運動をしたほうがいい?【医師が回答】

2024.12.25

#臨月・お産

妊娠後期に入ってから、食べるとすぐ気持ち悪くなるので、食事を何度かに分けて少しずつ食べるようになりました。体重増加は臨月に入った時点で約9㎏。助産師さんからは「いいペース」と言われていました。ところが、最近、胃のむかつきが取れて、それと同時に食欲もアップし、あっという間に1㎏増。このペースだと、出産時には10㎏以上の体重増になりそうです。食事制限や運動をしたほうがいいのでしょうか?(妊娠10カ月)

回答した専門医

善方 裕美先生の写真

産婦人科医師 (医学博士)
善方 裕美  先生

よしかた産婦人科院長
横浜市立大学産婦人科客員准教授

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日本産科婦人科学会専門医、女性ヘルスケア専門医、日本骨粗鬆症学会認定医。年間約700人の赤ちゃんが生まれる分娩施設の院長。女性が本来持っている産む力を活かせるように、そして、ママと赤ちゃんご家族にとって、幸せな出産と育児になるように、安全で自然なお産を守り、産後ケアの充実に取り組んでいる。家庭では3人娘の母。

A.適切な範囲であれば10㎏以上増えても大丈夫。栄養バランスを考えた食事、適度な運動を心がけて

妊娠後期は、大きくなった子宮に胃が押し上げられるので、食事をするとすぐムカムカしたり、吐き気をもよおしたり、といった不快症状に悩まされる妊婦さんは多くいます。

ところが、出産が近づくと赤ちゃんは骨盤の中に下がってくるので、急に胃の圧迫が消え、好きなだけ食べられるように。それまでの反動で、つい食べすぎてしまうという妊婦さんもいるようです。

急激に体重が増えたとしても、もう少しで出産なので、体重増加にそれほど神経質になる必要はないでしょう。ただし、元から肥満傾向、すでに適正体重をオーバーしている、血圧が高めといった人は、体重増加がむくみによるものの可能性もあり、妊娠高血圧症候群の心配があるので、早めに産院で相談しましょう。

妊娠高血圧症候群はどんな病気?

妊娠20週以降に発症する高血圧で、妊婦さんの20人に1人の割合で起こるといわれています。

軽症の間は食事治療などで様子を見ますが、重症になるとけいれん発作(子癇)、脳出血、肝臓や腎臓の機能障害、肝機能障害に溶血と血小板減少を伴うHELLP症候群などを引き起こしたり、赤ちゃんの発育や状態が悪くなることも(胎児発育不全・胎児機能不全)。

その場合、出産することが一番の治療となるので、入院管理で分娩誘発を行います。

出産までの適切な体重増加は、妊娠前のBMIでわかる

妊娠中は、非妊娠時よりも体に脂肪がつきやすくなります。それは、おなかで成長する赤ちゃんに十分な栄養を与えるため、そして産後の授乳期に備えるためです。なので、赤ちゃんと胎盤、羊水の重さに加えて、母体の増加分(子宮、乳房、血液や水分、脂肪の増加量)が加わり、体重は増加します。

妊娠中の体重増加は「プラス10㎏が目安」といわれていた時代もありましたが、今は、妊娠前の体格に応じて、適切な体重増加の目安を出すようになっています。その体格の判定式がBMI(Body Mass Index)です。まずは、BMIで自分の適切な体重増加量を知りましょう。

BMIの計算式:
BMI=妊娠前の体重(㎏)÷身長(m)÷身長(m)

妊娠中の体重増加量の目安*1

妊娠前が低体重:BMI18.5未満、体重12~15kg増加、普通:BMI18.5以上25.0未満、体重10~13kg増加、肥満(1度):BMI25.0以上30.0未満、体重7~10kg増加、肥満(2度以上):BMI30.0以上、体重個別対応(上限5kgまでが目安)

  1. *1
    「増加量を厳格に指導する根拠は必ずしも十分ではないと認識し、個人差を考慮したゆるやかな指導心がける」産婦人科診療ガイドライン編 2020 CQ 010 より
  2. *2
    日本肥満学会の肥満度分類に準じた。
  • 出典:厚生労働省「妊娠前から始める妊産婦のための食生活指針 解説要領」P18 表8より

体重が増えすぎても少なすぎてもリスクは上がる

妊娠中の体重管理が必要なのは、増えすぎても少なすぎても母体やおなかの赤ちゃんへのリスクが上がるからです。

妊娠中に体重が増えすぎると、妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病などの合併症が起こる確率が上がります。また、産道に脂肪がついて狭くなると難産になりやすく、帝王切開でのお産になるリスクも上がります。

一方、体重増加が少なすぎると、赤ちゃんへの栄養が不足し、低出生体重児で生まれる確率が高くなります。また、ママは分娩や産後の育児への体力が不足する可能性が出てきます。

体重が増加しすぎのリスク

  • 妊娠高血圧症候群
  • 妊娠糖尿病
  • 脂肪がついて産道が狭くなる

体重増加が足りないリスク

  • 早産
  • 赤ちゃんが低出生体重児になる
  • 分娩や産後の子育てに必要な体力が不足する

栄養バランスを考えながら、食べ方の見直しを

急に体重が増えたからといって、1食抜いたり、炭水化物を食べなかったりするようなダイエットはよくありません。

おなかの赤ちゃんとママ自身のために、栄養はしっかりとりましょう。厚生労働省のサイトで公開している『妊産婦のための食事バランスガイド』などを参考にして、栄養バランスのよい食事を心がけることが大事です。

また、妊娠後期は、妊娠初期よりも必要なエネルギー量が400kcal増えます。これは大盛りのごはん約1杯分(約240g)に相当するので、この時期は、妊娠初期よりも食べる量を少しだけ増やしても大丈夫だということも知っておいてください。
その上で、太りやすい食生活になっていないかを振り返り、食べ方を工夫してみましょう。

太りやすい食生活

  • おやつなど間食が多い
  • 3食の時間が日によってまちまち
  • 高カロリーなものばかり食べている

体重が急増したときの食べ方の工夫

  • 3食を規則正しく食べる
  • 夕食は軽めで18時くらいまでにとる
  • 食事は野菜から食べる

激しい運動は不可、ただし適度な運動はおすすめ

体重管理のためには適度な運動も大切です。臨月でかなりおなかも大きくなり、動くのがつらいと感じるかもしれませんが、家事や散歩、マタニティヨガ、ストレッチなどで体を動かすように意識しましょう。

適度な運動は血行を促し、むくみや腰痛の緩和にも役立ちます。また、お産を控えて緊張している人には気分転換としても、おすすめです。ただし、おなかが張りやすい時期になっているので、無理は禁物。おなかの張り・痛みを感じたら、無理をせず体を休めましょう。

また、この時期は、出産に向けて恥骨の間にある軟骨がゆるんでくるので、恥骨痛がひどくなる妊婦さんもいます。運動したくても恥骨痛がつらくて動けないと感じる人もいるでしょう。

そんなときは、骨盤ベルトの着用を試してみるのもいいでしょう。骨盤ベルトを初めて着用する場合は、産院で正しい装着法を確認することをおすすめします。

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