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発熱で受診したら「尿路感染症」と診断された

4カ月の男の子です。急な発熱で受診したら「尿路感染症」と診断され、大きな病院で詳しい検査を受けるように勧められました。どんな病気が考えられるのでしょうか?(じんママ 4カ月)

腎臓でつくられた尿は、尿管を通過して膀胱に集められ、尿道を通って排泄されます。この腎臓・尿管・膀胱・尿道をまとめて腎尿路系と言い、このどこかに大腸菌などの菌がついて炎症を起こす病気を総称して「尿路感染症」と言います。感染を起こした部位がわかる場合は、「膀胱炎」とか「腎盂腎炎」という言い方をされる場合もあります。

赤ちゃんでこの病気が疑われるのは、発熱が見られるのに、せきや鼻みず、のどの炎症などといったかぜ症状を伴わない場合です。尿検査で白血球や亜硝酸塩が認められたり、尿の培養検査で細菌が陽性であれば「尿路感染症」と診断されます。おそらく、この赤ちゃんもそのような検査の結果、診断されたのでしょう。たった1回の発熱でも、検査を行えばこの病気の診断は可能であり、医師からするとかぜ症状のない発熱でこの病気を疑うことはとても重要なのです。

かかりつけ医で大きな病院での受診を勧められた場合は、ただちに受診してください。
その際も窓口は小児科です。0歳児はひとまず小児科が鉄則です。泌尿器科でも、小児を専門としていないと、なかなか乳幼児の診断はできません。
赤ちゃんの「尿路感染症」で注意しなくてはいけないのは「膀胱尿管逆流症」で、この赤ちゃんに精密検査が必要と判断されたのも、この病気を疑ってのことと思われます。「膀胱尿管逆流症」は、膀胱に備わっている尿の逆流を防ぐ機構が何らかの原因で障害され、膀胱の尿が尿管、腎臓へと逆流してしまうものです。そのため、たまたま膀胱に感染した細菌が腎臓まで到達し、発熱や腰痛、尿の濁りなどをきたします。

「膀胱尿管逆流症」で最も多い原因は、尿管の走行を維持している平滑筋が発達不全のために起こる膀胱内尿管の短縮で、これは先天性のものです。また、尿管の奇形が原因となることもあります。これらは泌尿器の専門医(小児科や泌尿器科)の検査を受ければわかります。

平滑筋の発達不全による逆流は、成長とともに自然に治ることが多いので、ケースによっては感染の防止を心がけながら経過を観察することもあります。しかし、逆流の程度によっては、早期に外科的治療を行わないと、将来腎機能低下につながることもあります。
専門医の受診を勧められたのであれば、早めに検査を受けましょう。

院長 川上一恵先生

回答者/かずえキッズクリニック

院長 川上一恵先生


医学博士、日本小児科学会認定医、子どもの心相談医。1987年筑波大学卒。1994年筑波大学大学院博士課程修了筑波大附属病院、(株)日立製作所水戸総合病院、茨城県立こども病院で研修。1996年4月より現職。

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