赤ちゃん相談室
新生児の育児
病院で「泣いたらまずおむつを見て」と言われましたが、見ると毎回ぬれています。こまめに替えると、すぐにおむつがなくなります。時間をあけて交換してもいいでしょうか。(みゆん 4カ月)
新生児期から乳児期早期は膀胱におしっこがたまると反射的に出てしまううえ、泣いて腹圧がかかっただけでも少量のおしっこが出てしまいます。しかも、寝ている間も排尿しています。多い赤ちゃんでは1日に20回近く、平均しても1日に12~16回も排尿することがわかっているほど、おしっこの回数がひんぱんです。
現実的には、そのつどおむつを交換するというのは不可能ともいえるでしょう。「泣いたらまずおむつを見て」とは、そのような厳密なことを言っているわけではなく、赤ちゃんが泣く原因の1つは、「おむつがぬれて気持ち悪い」とか「おしっこが出て目が覚めた」という赤ちゃんからのサインですよ、という意味なのです。
泣く原因は、おむつのぬれた不快感だけとは限りません。むしろ、最近の紙おむつは吸収力が高く、排尿後もサラッとしていて皮膚に水分を戻すことも少ないので、排泄後の不快感で泣くというのは少ないはずです。もちろん、紙おむつが重く感じるほどおしっこをするまで交換しないというのは考えものですが、授乳前、授乳後、ねんねから目覚めたときなどにおむつを見てあげるなど、節目節目に交換するくらいのこまめさでも十分だと思います。おむつがもったいないから何時間おきに交換、ということではなく、ほかのことも含めて、泣く原因を探って対処してみるとよいでしょう。
泣く理由は、抱っこをせがんでいたり、ねんねに飽きて退屈し、お母さんに相手をしてもらいたがっているのかもしれません。
回答者/かずえキッズクリニック
院長 川上一恵先生
医学博士、日本小児科学会認定医、子どもの心相談医。1987年筑波大学卒。1994年筑波大学大学院博士課程修了筑波大附属病院、(株)日立製作所水戸総合病院、茨城県立こども病院で研修。1996年4月より現職。