赤ちゃんとママ・パパのための情報
妊娠中、大きくなった子宮によって、骨盤を形成する骨はつなぎ目(関節を支える靱帯)が引き伸ばされます。また、分娩時は狭い産道を通ってくる赤ちゃんのために、恥骨の合わさり目も緩んで、赤ちゃんの娩出を助けます。
こうした体の変化は、出産がすむと徐々に元に戻ってきます。しかし、骨や関節を支える筋肉や腱が、あまりにも引き伸ばされてしまったり、骨のつなぎ目が大きく離れてしまうと、戻りが悪くなることがあります。その結果、産後に恥骨結合(恥骨の合わさり目)や、骨盤の後ろ側にある仙腸関節(腰骨の後ろ真ん中にある仙骨と、その両側にある腸骨をつなぐ関節)に痛みが残ることがあります。
おそらく、そのような骨や関節、その周辺の組織の回復が十分でないために、痛みが起こっているのではないでしょうか。
赤ちゃんを抱っこして立ち上がったり、ゆらゆら揺らす動作をすると、そうでなくても体を支えるための負担が大きい骨盤にふだん以上の力が加わります。
また、生理のときには、骨盤内の血流が悪くなるために痛みが増すことがあります。
分娩時に負担を受けた組織の損傷は、徐々に回復して痛みは軽減すると思いますが、痛みの症状に対しては、骨盤を外から支えてあげるような処置が効果的なこともあります。たとえば、腰を支えるコルセットや腰痛ベルトなどの使用です。産婦人科や整形外科で一度相談してみてください。
医学博士、日本小児科学会認定医、子どもの心相談医。1987年筑波大学卒。1994年筑波大学大学院博士課程修了筑波大附属病院、(株)日立製作所水戸総合病院、茨城県立こども病院で研修。1996年4月より現職。
出産してから5カ月がたちますが、産んだ所の骨(腟の周りの骨)と恥骨が痛みます。立ち上がり抱っこしてゆらゆら揺らしたりするときや、生理のときなど特に痛くなります。病院に行ったほうがいいでしょうか?
(るりり 5カ月)