2022.04.05
2020年4月の緊急事態宣言から2年が経過しました。人との接触を避けるためにテレワークが推奨され、働き方も大きく変化しました。最初は戸惑いもあったテレワークは、コロナ禍が収束した後も働き方の一つとして定着すると予想されています。今回は、在宅勤務のテレワーカーを調査。新たな働き方がもたらした意識や行動の変化を紐解きます。 (以下、「テレワーク」は在宅勤務を示す。)
テレワークの最大のメリットは、男女ともに通勤時間の削減(男性73%、女性79%)でした。通勤に使っていた時間を自分のペースで家事や仕事に使ったり、家族との時間を増やしたり、自由に有効活用しているようです。特に女性は、身だしなみにかける時間やコスト、人間関係のわずらわしさが減ることをメリットと受け止めるところもあるようです。
一方で、デメリットはその裏返しとなる内容で、最も回答の多かったデメリットは、家の中に仕事を持ち込むことでのオンオフの切り替えの難しさ(男性47%、女性46%)でした。ついで通勤などの移動がなくなったことによる運動不足。通信費の負担や、ワークスペースなど家の環境が整備されていないこともデメリットに挙げられていました。また、身だしなみや服装に気を使わなくなったことも、必ずしもよいとは考えられていないようです。
オンライン会議で映ってしまう範囲だけでも部屋の掃除をこまめにしてくれるようになって良かった。 (30代女性)
家族と過ごす時間が増えた。子どもに目を向ける機会が増えて、小さなことでも成長を感じる。 (30代男性)
育児を手伝ってもらえて負担がすごく軽くなった。夫も子どもの成長を身近で見れるのが嬉しいようでよかったと思う。 (30代女性)
時間的余裕が増えたので、家事を積極的にやるようになった。 (50代男性)
また、仕事の合間に家事ができることで気持ちの余裕が生まれたり、家事が気分転換になっていたり、時間の使い方の変化により上手にリフレッシュすることで、仕事の効率も上げながら、テレワークによって家事がより軽やかなスタイルへと変化しているように感じられます。
昼休み中やテレワークの合間に夕飯の下ごしらえができる。 (30代女性)
洗濯は、仕事の合間の気分転換と軽い運動になって良い。ときには掃除機をかけて体を動かしている。 (50代女性)
洗濯や掃除・アイロンがけを朝や夕方にやれるので、夕食後に自由な時間を持てて、気分をリフレッシュできる。 (50代女性)
自宅にテレワーク用の設備が整っていないため画面が暗かったり、イスに長時間座っていると腰が痛くなったりする。 (20代女性)
運動不足で、身体中バキバキになってしまったので、通勤したほうがいいかも。 (50代女性)
休むタイミングがわからず、楽ではない。メリハリがきかないので疲れる。 (50代男性)
テレワークが一時的なものではなく、働き方の一つとして定着する中で、仕事と家庭生活のありようも変化しています。オンオフの切り替えの難しさを感じながらも、時間の自由度が増すことで、仕事と家事をフレキシブルに行うようになっています。家事で気分転換する、家族でシェアするなど家事に追われるのではなく気持ちに余裕が生まれる様子が伺えました。一方で、在宅が増えたことにより積極的に運動しようという意識も生まれています。
テレワークの広まりは、在宅・出勤といったワークスタイルが、暮らしや仕事に与えるメリット・デメリットを意識する機会となったようです。働き方によって暮らし方も変える、そんな柔軟なスタイルがこれからの暮らしの満足度をあげる重要なポイントになるのかもしれません。
調査概要
「在宅勤務者の暮らしに関する意識調査」
◎2021年7月/インターネット調査/首都圏在住25~64歳既婚男女/在宅勤務者(最近1カ月間に在宅勤務有)、出勤者(最近1カ月間に在宅勤務無) 男性各240人、女性各320人