備えの考え方
(持ち出し袋/在宅避難)

災害への知識と備え

協力:全国災害ボランティア支援団体ネットワーク(JVOAD)

災害への備えは、「何を準備すればいいのか分からない」「備えは大切だと思うけれど、何から始めればいいのか迷ってしまう」。そんな人も多いのではないでしょうか。
災害時には、安全な場所へ避難することもあれば、自宅で生活を続ける在宅避難という選択肢もあります。どのような行動が必要になるかは、災害の種類や被害の状況、また家族の状況などによっても異なります。だからこそ、避難するときの「持ち出し袋」と、自宅で生活を続けるための「在宅避難の備え」の両方を考えておくことが大切です。
まずは、自分や家族に合った備えを、できることから始めてみましょう。

命を守るための避難と
持ち出し袋

災害時には、まず「命を守る」行動が最優先。避難所など安全な場所へ避難するときに役立つのが「持ち出し袋」です。

●避難生活を想像して備えよう

避難所には食料や支援物資が届けられますが、災害直後は必要なものがすぐに行き渡るとは限りません。また、家族構成や年齢、健康状態によって必要なものは一人ひとり、家族ごとに異なります。
だからこそ、避難生活を想像しながら、自分や家族に必要な備えを考えておくことが大切です。
避難所での生活や、平時からの備えの考え方については、災害支援の専門家へのインタビューで詳しく紹介しています。

もしもあなたが避難所で生活することになったら
~災害支援のプロが語る、避難所生活の現実と備え~

●避難することを想定して持ち出し袋を準備しよう

避難生活を想像して必要なものが見えてきたら、実際に持ち出し袋を準備してみましょう。家族の状況に合わせて必要な備えを確認し、いざというときにすぐに持ち出せるよう準備しておくことが大切です。
「わが家には何が必要だろう?」という視点で、まずはチェックしてみましょう。

▼家族の状況に合わせた必要な備えは、「備えリスト わが家流にカスタマイズ(持ち出し袋/在宅避難)」で確認できます。

  • 備えリスト わが家流にカスタマイズ(持ち出し袋/在宅避難)

・すぐに持ち出せる場所に置く

災害時にすぐ持ち出せる場所に保管しましょう。また、浸水の恐れがある地域では、持ち出し袋は水につからない場所に保管するなど、住んでいる地域の災害リスクも考えて保管場所を決めることが大切です。

・持ち運べる重さにする

持ち出し袋は無理なく持ち運べる重さにしましょう。一般的には、成年男性で約15kg、成年女性で約10kg、子ども・高齢者で約6kg程度が目安とされています*。自分の体力や状況に合わせて調整しましょう。

出典:政府広報オンライン「【防災特集】ACTION01 災害に事前に備える」(外部リンク)

・両手が使えるものを選ぶ

避難時は、階段を上り下りしたり、子どもの手を引いたりすることもあります。リュックサックなど、両手が空くものを選びましょう。

持ち出し袋は、中身をそろえるだけではありません。いざというときに、すぐ持ち出せて、無理なく避難できるようにしておくことが大切です。


自宅が安全なら在宅避難
という選択も

自宅が安全であれば、自宅で生活を続ける「在宅避難」という選択肢もあります。自宅で生活を続けられるよう、日頃から備えておくことが大切です。

●在宅避難を想像して備えよう

在宅避難でも、災害で水道や電気・ガスなどのライフラインが止まると、普段どおりの生活ができなくなることがあります。災害の規模によっては、復旧までに時間がかかることもあります。
ライフラインが止まると、暮らしにどのような影響があるのでしょうか。詳しくはこちらで紹介しています。

ライフライン停止で生じること

●わが家に必要な備えを確認しよう

こうした状況に備え、飲料水や食料、携帯トイレはもちろん、トイレットペーパーや手洗い・はみがきなどの衛生用品を含む日用品も、7日分を目安に備蓄しておくと安心です。
備えるものは、家族の人数や状況によって異なります。子ども・乳幼児がいる、高齢者がいる、介護・見守りが必要な人がいる、ペットがいるといった家庭では、それぞれに必要なものも忘れずに備えておきましょう。

▼家族の状況に合わせた必要な備えは、「備えリスト わが家流にカスタマイズ(持ち出し袋/在宅避難)」で確認できます。

  • 備えリスト わが家流にカスタマイズ(持ち出し袋/在宅避難)

●無理なく続けるローリングストック

「7日分の備蓄」と聞くと、難しく感じるかもしれません。まずは、家の中にある食品や日用品に目を向けてみましょう。冷蔵庫や冷凍庫の食品、戸棚の乾麺やレトルト食品、トイレットペーパーや衛生用品など、普段使っている食品や日用品の買い置きも立派な備えです。
ここで意識したいのが、「普段の生活で使うもの」と「非常時に必要なもの」を分けて考えることです。普段使う食品や日用品は、少し多めに買い置きし、使った分だけ補充する「ローリングストック」を取り入れると、無理なく備えを続けられます。一方で、携帯トイレや非常用ライトなど、普段はあまり使わないものですが、災害時に命や健康を守るために必要なものは、別に備えておくことが大切です。
食べ慣れた味や使い慣れた日用品は、非常時の安心にもつながります。ローリングストックと非常時の備蓄を組み合わせることで、日常の延長で無理なく備えを続けることができます。まずは、できることから始めてみましょう。

日用品のローリングストックを表すイラスト。備える→消費する→買い足すを繰り返す備蓄方法。


自分や家族に合った
備えを始めよう

災害への備えは、持ち出し袋や備蓄をそろえることだけではありません。災害が起きたときに、自分や家族がどのように行動するかを考え、日頃から話し合っておくことも大切な備えです。
災害は、家族がそれぞれ別の場所にいるときに起こるかもしれません。どこへ避難するのか、どのタイミングで避難するのか、何を持って行くのか、家族との連絡方法や集合場所などを、あらかじめ確認しておきましょう。
また、持ち出し袋や備蓄品は、定期的な見直しが欠かせません。防災の日や梅雨・台風シーズンを迎える前などをきっかけに、持ち出し袋の中身や備蓄品の賞味期限・使用期限を確認し、家族構成や生活の変化、季節に合わせて定期的に見直すことも大切です。

備えは、一度に完璧を目指す必要はありません。災害はいつ起こるか分からないからこそ、日常の延長で、できることから少しずつ備えていきましょう。

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