title_people

  • <生産技術職> 技術開発 No.04

建築技術で工場の安定操業と
花王のモノづくりを支える

建築工学専攻 2010年卒業

menber_parts_2

現在担当している仕事

安全・安心を確保するための総合的な建築技術。
災害や社会の動きに応じた多角的な業務を展開。

私が所属する基幹技術グループ(プロセス技術)の建築部会では建築の安全・安心を確保するための総合的なエンジニアリングを行っています。建設プロジェクトの支援や既存建築物等の健全性調査や耐震診断・補強、自然災害リスク評価(地震・津波・液状化・洪水など)、防火対策など業務は多岐に渡ります。又、昨今は環境問題もクローズアップされており、自然エネルギーの導入(太陽光)等も積極的に行っています。
具体的な仕事内容を下記に紹介します。
【建物,構築物の安全性評価】
マレーシアにある工場に、配管を支持する構築物(パイプラック)が工場全域にあります。工場の操業年数が増えると、それに伴い、この構築物に載せる配管数も増加します。つまり構築物が負担する重量が増えます。その為、この構築物の強風時安全性評価を行い、必要に応じて、強度を増すための補強計画や仕様書の作成を行っています。又、建設会社と直接やり取りを行い、計画内容の確認や仕様の決定等の技術支援を行っています。又、品質を落とさず、コストを削減する対策案を試行錯誤しながら工場へ立案し、採択された時は、工場へ貢献できた歓びを感じています。
【自然エネルギーの導入】
環境への取り組みから、太陽光パネルを各工場へ随時導入しており、既存建物へ太陽光パネルを設置する際、追加重量に対する屋根の安全性検討、時には補強の提案等を行っています。又、事務所等に太陽光パネルを設置する場合、モニターによる発電量の見える化等も行っています。
【建物の維持管理対応】
建物の維持管理状況を確認する為、各工場を定期的に確認しています。花王の商品や原料をつくる設備が稼働している建物を確認し、柱・梁・床など1部材ごとの劣化状況や耐震安全性等の確認を行い、必要に応じて、具体的な修繕方法を各工場の方へ提案しています。花王の社員の中でも、国内工場のみならず、海外工場を含め、工場の全体を把握しているのは、我々しかいないと自負しています。

menber_parts_2

仕事への姿勢

知識と技術の積み重ねが、仕事の成果につながる。
社会的責任を有する企業一員が建物の性能を把握。

私たちは工場の安定操業を継続して行う技術者であり、そこで働く人や設備、製品などの安全を守ることで企業や社会に貢献する役割を担っています。自社の建物を建設後は、維持保全をしながら、長く大切に使い続ける必要があります。日本のみならず、海外を含めた全施設が対象となるため、各地の建築に関わる法律や地理・気象など様々な条件を把握し、また災害や火災等による社会問題に関する情報収集を行います。海外においては、日本での常識が通用しないことが多々あるので、広い視野で物事をとらえることが必要になり、その点が特に面白いところだと感じています。予定不調和なことや逆境がある程、良いアイデアが生まれる可能性があると信じて、仕事に取り組むようにしています。又、仕事以外でも日頃から業務に応用できる考え方や技術がないかと常にアンテナを張っています。この心掛けから、新しい知見が得られたり、問題を解決するための技術を身につける事が出来ます。この知識と技術の積み重ねが、仕事への成果につながると考えています。
又、建築物を所有する企業や個人が社会的な責任を有していることもあり、私たち企業一員が建物の性能(耐震設計レベルなど)を把握し、課題があれば、課題解決することが重要と考えています。その為、一例として建物の建設をする際、建設会社の設計内容を鵜呑みにするのではなく、自ら設計内容の本質を理解し、分析し、納得するまでは時間をかけてでも議論をする事が大切だと考えており、常に信念を持って活動することを心掛けています。(写真は、建物外壁の劣化診断を赤外線を使って調査しているところ)

menber_parts_2

印象的なエピソード

慣れない海外での安全対策を経験。

入社一年目からマレーシアの風荷重への安全対策を担当しています。日本の建築基準法では構造計算に用いる風荷重やそれに基づく内容がわかりやすく解説されています。日本で長く生活をしてきているので台風などの災害に直面しており、身体的な体験をしてきました。
一方、海外では日本とは異なる法律があり、法律ができた背景や数値の根拠がよく理解できておらず、そこで生活した経験もないので、風に対する考えが非常に曖昧でした。まず、マレーシアの風について理解するところから始まりました。出張期間の僅かな間で、スコールがあると外部に出て雨風にうたれて、なるべく身体で感じるように心掛けたり、通勤時のハイウェイでは沿道の並木が強風で傾いている木がないか、ひたすら注視したりしていました。それらの行動からその地域の風を理解するヒントが得られたような気がします。
海外での慣れない環境で身体のセンサーを全開にすることで、普段見過ごしている情報を収集することが出来たのは、良い刺激と経験になりました。日本では日常化し過ぎているために鈍感になっていた感覚が鋭くなったので、意識的にセンサーを張るようになりました。

menber_parts_2

今後の目標・挑戦したいこと

建築の設計基準づくりと
大規模な建設への参加。

建築確認申請を要する建物に対しては、建築基準法に準拠することは大前提ですが、そのプラスαとして花王独自の建築の基準を定めています。建築基準法は最低基準として一般的に求められており、また既存の建物に対しては現行法の遡及を義務化されていません。建物をつくるところから維持保全を行いながら使い続ける立場として、建物の品質を確保し、災害等に対するリスク管理をする必要があります。それらを包括的にまとめた建築設計基準書を作成したいと考えており、それを全社的に共有したいと考えております。この基準書に基づいて建設計画が組立てられるので、大きな責任を感じると共に多くのことを学べるチャンスがあると感じています。
挑戦したいことは、花王の大規模な生産関連施設の建設に携わりたいと思っています。インフラ整備、建築物の計画、維持保全管理など、一貫してプロジェクトに関わることができればよいと考えています。これまでの建築に関わる知識と技術を活かして、スケールの大きな経験をすることで、社会に貢献し、更に成長していきたいと考えています。

学生時代の研究テーマと入社動機

建築部門として
「モノづくり」精神に貢献。

学生時代は課外活動でフリーペーパーの企画・営業・デザイン・発刊をしてビジネスを学んだり、数十名の学生をまとめてFRPの家具を制作しデザインコンクールで受賞したりと、仲間と協働して「ものづくり」をしてきました。新しい価値観を感じることに神経を張り、高いモチベーションで共に刺激し合う仲間と活動をしてきました。プロジェクトを終えるまで走りきる達成感を感じることはこの頃に覚えました。社会人になってもその精神が今も変わらないと思います。
就職前は、花王が化学品メーカーでありながら建築部門を備えていることに驚きを感じていました。営繕的な部署を持つ企業はよく聞きますが、建物の健全性調査や耐震診断をはじめ、津波対策・液状化対策など多くの建築技術や知識を必要とする業務を行っている企業があることを知りました。建設会社に頼りきりではないところに、発注者としての責任感を強く感じ、それが花王で就職する決めてとなりました。また、学生時代に学んできた建築・構造設計の知識を活かすことができると思いました。さらに資格取得や自己学習に寛容なので学び続けられる良い環境だと思いました。
又、化学系のリーディングカンパニーとして革新的な商品が多いことから、化学の研究者や技術者など面白い人がたくさんいるのだろうなと想像していました。その人達の話を近くで聞いて刺激を受けたいという考えを強く抱いていたように思います。今では、建築と分野は違いますが、高い意識でプロジェクトに取り組む姿勢は常に勉強になっています。

皆さんへのメッセージ


建築の幅広い経験とグローバルな価値観を
身につけることができる環境だと思います。

化学品メーカーの中での建築部門は特殊な専門部門である為、頼られる存在となります。花王では、建物の新設工事,改修工事,耐震工事,省エネ対応,自然災害対応(水害対応等)など、幅広い経験と知識を身につける事が出来ます。このような建築分野全体の知識を得る事が出来るメーカーや建設会社は、世の中にあまりありません。又、新築工事の建物用途も工場のみならず、事務所,倉庫,研究所など多岐にわたり、研究所の建設では、温室(洗剤の原料となるヤシを育てる施設)など、特殊な建設を経験できる可能性もあります。
又、我々の部署は、各工場への技術支援も行っており、国内のみならず海外工場への支援も行っています。海外工場の方とのコミュニケーションは、基本は英語を使用しています。英語が苦手と言われる方もおられるかと思いますが、花王には、社内に講師を招いた英会話教室があったり、社内でTOEICの試験を受験できる等、教育体制も充実しています。また海外での経験をすると社会性や文化の違いなど日本の常識と異なることに直面し、視野が広がり様々な価値観を身につけることができると思います。
ところで、花王は、モノづくりの企業であり、規程など標準化された内容もありますが、応用が必要な業務もあり、自分で色々と考え、成果として結果を残せた時の喜びもひとしおです。 常に自分の心持ち次第でチャレンジできる風潮にあると思うので、自分のゴールの設定次第で成長できる環境だと思っています。

DAILY SCHEDULE

私のある1日の仕事


05:00 起床


06:00 身支度


06:30 通勤


08:00 出社、当日の業務整理


08:30 朝礼


10:00 技術検討(耐震検討等)


11:30 昼食


menber_parts_2


12:30 打合せ


15:00 情報収集・整理


16:30 会議資料作成


18:30 退社


20:00 帰宅


20:30 入浴、夕食


21:00 自己研鑽(読書、学習)


23:00 就寝


Page Top