title_people

  • 法務 No.01

【キャリアインタビュー】
全ての経験を糧とし、更なる事業貢献へ

法務 グループリーダー
法学部 2006年卒業

mk_11_02

【キャリア年表】

1年目~4年目

法務/ガバナンス担当


4年目~6年目

法務/事業担当


6年目~9年目

法務/㈱カネボウ化粧品 出向


9年目〜12年目

法務/事業担当


12年目〜13年目

米国留学


13年目〜15年目

法務/ガバナンス担当


15年目〜

法務/グループリーダー(事業領域)
※16年目は育児休職期間を含む

入社12年目

事業部と二人三脚で成功させた
インドネシア合弁会社設立のプロジェクト

入社してから、いずれはM&A案件を担当したいと思い勉強を続けてきました。実際に合弁会社立ち上げプロジェクトを任された時は嬉しかったです。アジアの油脂会社と花王との合弁企業をインドネシアに作り、高品質かつ安価な油脂製品の供給体制を確立し、収益の向上を目指すという案件でした。株主間契約をはじめ何十ページにもわたる契約を相手企業と結ぶのですが、花王が巨額に投資する、ケミカル事業における貢献度や影響度が非常に大きな案件だったので、ワクワクしていた一方で相当なプレッシャーがありました。
日本企業間の契約では「何か揉めた際は互いの協議で解決しましょう」となりがちなところ、外国企業との英文契約のため、権利義務や揉めた際の解決手段をしっかりと記載する必要があります。また、合弁会社設立は企業間の結婚のようなものなので、一方的に花王の要求だけ伝えてもWIN-WINではなく、よい結婚にはなりません。花王にとっても相手企業にとってもメリットのある、両社が受け入れ可能な内容に向かっていく過程が非常に難しかったのを覚えています。

入社12年目②

半年間のプロジェクトから得られた、
二つの大きな達成感

一般の方にとって法務部は、書類をチェックするお役所のようなイメージがあるかもしれません。しかし実際には、花王がどのような事業で何を達成したいのか、また譲れない部分は何なのか、法務担当が事業の本質をよく理解する必要があります。時には知的財産権や税務など、周辺領域の知識も用いながら、ケミカル事業メンバーと二人三脚で契約交渉を成し遂げました。半年間のプロジェクトをやりきった時は、お互いに納得のいく契約内容に漕ぎ着けられたという安堵感が押し寄せました。また、事業部門が成し遂げたいことと法務リスクのバランスの取れた契約内容にできたことで、必ず事業貢献できるはずという大きな達成感がありました。今になっても思い出深いプロジェクトですし、その後米国留学した際の自信にも繋がった案件です。
(注:本案件は後に、事業・研究・生産・法務メンバーらが社長表彰を受賞)

mk_11_03

入社初期

仕事への責任を学んだ、株主総会の運営

新入社員の時はガバナンスグループに所属していました。このグループの最も大きな仕事が株主総会の運営ですが、会社法等に則った厳密な書類を作る必要があります。私が入社した年に会社法が施行されたのですが、驚いたことに入社2年目の株主総会では、新会社法に基づいた書類作成のメイン担当を任命されました。
この仕事は単純に法律に則って書類を整えればよいものではなく、会社の思想に基づきながら、過去の書類との整合性や、一方で新たな開示要求にも応えていく必要がありました。
その中で社内関係者と調整を重ね、弁護士にも確認しながら仕事をしていましたが、当時は日々忙しく、プレッシャーも重くのしかかっていました。会社役員への説明がうまくいかず、人目につかない所でひとり涙を流したこともあります。自分の仕事として自分で調べて自分で提案して、自身の仕事への責任の持ち方を学んだ期間でした。また副次的に、大きなプロジェクトのゴールからバックキャスティングしてタスクリストを整理し、周囲と連携しながらいつまでに何をやらねばならないか、その段取り力が身につけられたと思います。

入社初期②

サービス業としての法務を実感するきっかけ

株主総会は、じっくり考えて作りこんだ提案を行い、取締役会の承認を得ながら進めるようなとても重い案件でしたが、コンシューマープロダクツ事業担当になってからは、一変してとにかくスピードが求められました。事業部から今日相談頂いたものを、お取引先との関係で明日返事しなければならない、という場面もありました。パッとやりとりをして迅速に事業判断することが必要な中で、クオリティだけではなく、スピードも伴って法務のサービスなのだと実感した時期でした。契約締結に必要な事業的な背景や目的、要は取引の肝がまだ分からない頃だったので、そこはペアで業務を担当する先輩の姿から学びながら、徐々に鍛えられていきました。
入社初期の数年間は、法務がサービス業だということが身に染みていなかったというか、少しお役所的なマインドがあったのかもしれません。事業側からの契約内容の相談についても、法務部が確認することで会社としてリスク低減につながっているのだから、見るのが当然というか。そこから私も複数の部署を経験し、他部署の状況を含めて俯瞰的に物事を捉えられるようになり、法務が花王社内ではどのようなプレゼンスで、どう評価していただいているのかを意識するようになりました。現在では、クライアント(依頼元の部署)を通じて、また会社を通じてどれだけの貢献が法務としてできたか、それが私の働く喜びになっています。

mk_11_04

入社15年目

人生の新ステージ、グループリーダー

担当時代は自分の興味が赴くままに勉強するなりなんなり、自分の時間を自由に使えていました。今はプレイングマネジャーの役割なので、自分の案件を責任を持って担当するだけではなく、メンバーからの相談にも応えつつ、グループ最適、それから部門最適を考えながら日々を過ごしています。とは言え現状の業務を回していくだけだと法務としてのスキルアップには繋がらないので、自己啓発の時間も作っています。グループリーダー着任後に出産したため育児とのバランスもあり、今までと目線が変わったというか、人生の新ステージだなと思っています。
そういう意味で、今は「自分らしいマネジメント」や「自分がなるべき姿」を考える機会が多いです。ある程度厳しい指導が向いている方もいれば、褒めて育てる方が向いている方もいます。メンバーそれぞれの経験次第、個性次第だとは思いますが、向き合い方に難しさを感じる時もあります。他社の女性管理職の方々との勉強会に出席したり、心理学を使った人財マネジメントを勉強したり、自分にはどういうやり方がいいのかなと日々模索しています。
過去には経営会議の事務局も務めましたが、そこでは花王幹部の方々が常々、「この目的はなんだ」「これで成し遂げたいことはなんだ」「花王ウェイ(企業理念)に即して考えるとどうだ」といった議論を重ねていました。経営幹部とはやはりかくあるべきだなと学びました。自分自身も、必ず目的に立ち返って、ブレない上司でありたいなと思っています。

mk_11_06

キャリアを振り返って

全ての経験が、自らの糧となる

自身のキャリアへの満足度は、100点です。もちろんこれまでの16年間、必ずしもその時やりたかった仕事に就けていたかと言うと、そうではありませんでした。海外の案件がやりたいのに国内の担当だったり、事業法務をやりたいのにガバナンス担当だったり、その当時は残念に思う瞬間は多々ありましたが、今ではその全てが自分の糧となっていると感じています。ガバナンス担当時に学んだプロジェクトマネジメントや会社法、事業法務で体感したスピード感、経営サポート部門での幹部の方々の経営に対する考え方、全てが自分の血肉となり、仕事に生かされています。
花王の法務部門はフラットな風通しの良い組織で、私も新入社員の頃から、「おかしいと思うことはおかしいと言いなさい。それがあなたの役割です。」と当時の上司・先輩に言われて育ちました。それはつまり、自分の意見をアサーティブに伝えることが大切な環境でもありました。仕事においても、やりたい案件や血肉となりうる案件を任せて頂けるかどうかは、常日頃から自己発信すること、そしてその裏付けとなる自己啓発や準備を続けることが肝心です。特に法律は、社会の動向やビジネスの潮流に合わせてどんどん形を変えていくものです。私も時間を作ってセミナーに参加したり、子どもが寝た後に書籍を読んだり、情報のキャッチアップを常日頃から行っています。そうして培ったプロフェッショナルな知識をベースに、また関係者とのコミュニケーションを通じた事業理解を大切にしながら、これからも事業貢献していきたいです。

mk_11_05

Page Top