意外と知らない贈り物の基礎知識。
今一度確認してみましょう。
贈答の基本は、「季節のあいさつ」「お祝い」「日頃のお礼」などを、物品という形にして相手に伝えることで、相手との関係性を円滑にすることが主目的なので、儀礼的なものであっても、ベースに相手に対する感謝や敬意、気遣いが込められていることが大切です。
贈る品は、相手の「年齢性別」「家族構成」「ライフスタイル」などを考慮したうえで、相手に負担あるいは不足を感じさせない価格帯の品を選びましょう。
好みが分かれるような趣味性の強いものを贈ったり、ひとり暮らしの人に賞味期限の短いお菓子や生鮮食品を贈ったり、あるいは病気などで飲食に制限のある人に食品や酒類を贈るなど、相手の状況に無配慮な品を贈るのはNGです。取引先に贈る場合は、くれぐれも競合他社の製品を送らないようご注意を。
相手に直接手渡しできない贈り物には、必ず「送り状」を添えます。送り状がないと、受け取る側はなぜ贈られたのか理由が分からず困惑してしまいます。デパートやインターネットショップから相手に品物だけ直送する場合は、品物の到着予定日より前に送り状が届くように出しましょう。
送り状には、「品物を贈った理由」「品物の内容」「感謝やお礼の言葉」を簡潔に書きましょう。品物だけをデパートなどから別途発送する場合は「品物の到着予定日」も必ず書き添えます。
「のし」の起源は「のしあわび(熨斗鮑)」です。あわびを薄く切って乾燥させた保存食で、縁起物の象徴でした。そのことから、「のし」は慶事のお祝いや、季節のあいさつの贈り物に用い、お見舞いや弔事には付けません。また、厳密には魚や肉にも「のし」は付けません。
正式には、慶事の贈り物には白い「奉書紙(ほうしょがみ)」をかけて「水引」で結び、「のし」を付けますが、通常はこれらを一枚に印刷した「のし紙」を使うのが一般的です。また、お見舞いや弔事には、水引だけを印刷した「かけ紙」を用います。「のし紙」にも「かけ紙」にも、表書きに名目を書きます。
包装紙でラッピングした上から貼るのしを「外のし」、包装紙で包む前に品物の箱に直接貼るのしを「内のし」といいます。手渡しする際や、慶事などで贈り物を強調する場合は「外のし」、もう少し控え目にしたい場合は「内のし」にするのが一般的。いずれも和式の包装なので、洋式のリボンは併用しません。
「お返し」はいただいた贈り物への返礼です。いただいたお祝いへのお返しに「○○内祝」という表書きを入れることがよくありますが、「内祝い」とは本来、結婚祝い、快気祝いなど自分や自分の家のお祝いごとの喜びを、親しい人に伝えるための贈り物のことです。
祝儀には「倍返し」、不祝儀には「半返し」が返礼のマナーといわれてきましたが、地域によって違いがあり、近年では祝儀は半返し、不祝儀も1/3~半返しが一般的になっています。目上の人や、勤務先からの祝儀や不祝儀、お年賀などにもお返しは必要ありませんが、お礼の気持ちを込めた礼状を送りましょう。