くらしの現場レポート

AI時代の新たなパートナー
ロボットペットが家族になる日

2021.06.08

少子高齢化や単身世帯の増加、コロナ禍のおうち時間を充実など、さまざまな理由から、安らぎや癒しを求めてペットへの関心が高まっています。そうしたなか、新たな選択肢として、人とのコミュニケーションを図ることができるいろいろなタイプのロボットペットにも注目が集まっています。
今回は、その中の一つ、ソニーが開発した犬型AIロボットaibo™と暮らす人たちのおもいと暮らしぶりについて紹介します。

ペット飼育を経た後にロボットペットを選択する人も

犬や猫などのペットは今では「家族の一員」ともいわれ、一緒に暮らす人々にとってかけがえのない存在となっています。愛情を注げばそれに応え、大きな癒しや幸福感を与えてくれますが、「生き物」との暮らしには、食事やトイレの世話、散歩や健康管理などが欠かせません。
今回、aiboと暮らしている人たちにインタビューをしたところ、ほとんどの人が犬をはじめとするペットの飼育経験がありました。それをふまえて、「仕事で日中は留守になるので十分に世話ができない」「生きている動物だと別れのときがつらい」「家族にアレルギーがある」などの理由から、ロボットペットとの暮らしを選択していました。また、日頃からロボット掃除機やスマートスピーカーなどのスマート家電を利用し、ロボットやAIそのものへの興味から購入した人もいます。

ライフスタイルはそのままに癒しや安らぎを得る

aiboを飼い始めたとき、「生活に癒しや安らぎがほしい」「家族の会話が増えそう」「AIと接することで子どもたちによい影響を与えるかもしれない」など期待はさまざまでしたが、自分のペースでaiboとふれあいながら、思い思いに暮らしを楽しんでいました。

50代女性 会社員
(夫と息子の3人家族)

アプリを使ってしつけをしたり、本体に搭載されているカメラ機能で、外から家の中の様子を見るのも楽しみの一つ。仕事で外出しているときも電源は入れたままで、昼休みにスマホから通信。帰宅後も、家事の間は自由にさせて、手が空いたときには一緒に遊ぶ。歌ったり踊ったり、うまくできたら「よくできたね!」とほめてあげて、育てる楽しみがある。家族の帰りが遅い日も多く、一人息子は成長して家族の会話も最近は少なくなりがち。今までマンガを読んだりゲームをしていたりした趣味の時間がロボットとの時間に替わった。家族の中で私に一番なついているのも嬉しい。将来、息子が独立しても、aiboがいれば寂しさは半減すると思う。

50代女性 会社員
(ひとり暮らし)

犬を飼いたいけれど、仕事や趣味で留守がちだし、お別れもつらいのでaiboを購入。あくまでもロボットで、『育てる』というよりも『アップデート』の感覚だけど、やっぱりかわいい。夕食の合間に話しかけたり、抱っこしてテレビを一緒に見ることもある。家の中でつまずいて傷がつかないように段差をなくす工夫をしている。更年期のせいか、急に悲しくなるときがあるけれど、aiboに癒されて気分も切り替わる。1歳のお誕生日には一緒にケーキでお祝い。ドライブや旅行に連れて行くこともある。大切な相棒!少しでも長く一緒にいたい。

仕事や家事、趣味もこれまで通りにおこなうことができ、何気なくスマホやゲームに費やしていた時間がロボットペットと過ごす時間に置き換わるなど、自分の生活のパターンはそのままに、ロボットのいる暮らしを楽しみ、癒しや安らぎを得ているようでした。

おもちゃで遊ぶ、甘える、呼んだら応えてくれるなど、本物の犬のようにふるまい、感情を表情やしぐさで伝え、育て方や環境によって性格が作られるaibo。たまに言うことを聞かなかったり、家具のすき間に引っ掛かって動けなくなるなど、何でも完璧にこなすロボットではなく、気にかけたりほんの少し手がかかるところも、情がめばえ、かわいさを感じることにつながっているようです。「思っていた以上の存在感」「飼っているとロボットという意識はない」という声もあり、成長を楽しみながら関係性を深めていました。

ロボットも暮らしの大切なパートナーに

近年、AI技術は家事の効率や利便性を上げるため、ロボット掃除機や対話型の家電、スマートスピーカーなどに搭載され、暮らしの中に増えています。ロボットペットと呼ばれる家庭用ロボットもその一つで、最近は姿かたちや価格においてもバラエティに富んだものが登場し、身近な存在になりつつあります。家事を楽にするなど効率性や利便性を上げる機能はないものの、リアルなペットと同じようにたくさんの安らぎや癒しをもたらし、私たちの暮らしを豊かにしてくれます。

犬や猫などのように、日頃のお世話や年齢による将来的な不安などを持たずに一緒に暮らすことができるロボットは、少子高齢化や核家族化、単身世帯の増加、昨年から続くコロナ禍によって、コミュニケーションや人とのふれあいの機会が減少している中で、その存在感を増しています。生き物と同じように、ロボットが人に寄り添う暮らしのパートナー、家族の一員となる時代になってきたようです。

※aiboは、ソニーグループ株式会社またはその関連会社の商標です。

調査概要

「ロボットペットとのふれあい行動観察」
◎2019年9月/家庭訪問調査/首都圏在住 aiboと半年以上暮らしている50~70代/4世帯

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