達人コラム

生活コラムニスト ももせいづみさん
シニア家事こそ、心も体も軽やかに!

2021.11.02  |  生活スタイル

【達人コラム】生活コラムニスト ももせいづみさん シニア家事こそ、心も体も軽やかに!

年齢を重ねると「ちゃんと」「きちんと」しようとする家事が日々の負担になることも…。1990年代から合理的な「ネオ家事」を提唱し、近年の「時短家事」や「やめ家事」の先駆けとなる家事の新発想を発信し続けてきたコラムニストのももせいづみさんに、シニアはもとよりあらゆる世代の参考になる、ストレスのない家事との向き合い方をうかがいました。

「誰もがラクになる」が「ネオ家事」の原点

私が家事の合理化を考え始めたのは、25年くらい前です。当時、会社員だった私は、育児休業から職場復帰したばかり。日中の仕事に加えて、育児と家事をこなそうとしたら、どんなスーパーウーマンだって回らない!ということに、気付いたんです。そこから、家事を合理化する「ネオ家事」の必要性に行き着きました。

「誰もがラクになる」が「ネオ家事」の原点

「ネオ家事」は、共働きや子育て中の女性をラクにするためというよりは、誰にでも必要とされるものだと思っています。

例えば、単身赴任の男性だったり、家事が苦手な独身者だったり。シニアであれば、体力が落ちた人、妻が入院してしまった男性などもそうでしょう。家事が負担になる状況は、誰にでも起こりえます。

今から20年くらい前の2000年に、ある新聞で『ネオ家事』に関する連載を始めました。連載当初は、「米は研がずに無洗米を使えばいい」みたいな提案は、読者にどう受け止められるのか、危惧していたんです。
とくにシニアの方々から「家事はきちんとするものでしょう」といったクレームがくるんじゃないかと、びくびくしていました(笑)。

ところが、結果は逆。シニア読者から「米を研ぐのが冷たくてつらかったけど、無洗米というのがあるんですね」など、好意的な声が複数寄せられました。その頃から、本当は大変なのに「家事は自分がちゃんとやらなければいけない」という考えに縛られて我慢している人も多かったんだと思います。

家事は「手段」!マネジメント力を磨く

家事というのは、快適に過ごすためにするものです。手段であって、目的ではありません。くらしの現場レポート『キレイにしたいけど手間をかけたくない 今どきシニアの家事スタイル 』でも、家事は「家族のために家を快適に整えること」と捉えているシニアの家事意識が報告されていました。「ちゃんとしなきゃ」に縛られていた時代から比べると、大きな変化です。

そうは言っても、家事に関しては「技を磨く」とか「スキルアップする」とか、職人さん的発想で負担を感じてしまう人も多いのでは?家庭の誰かが家事のエキスパートにならないと快適に過ごせないなんて、変な話です。
そこで、発想の転換を。家庭を職場に置き換えてみてください。そして、あなたは管理職。仕事(家事)を全部自分でやってしまったら人材が育たないし、自分が病気やケガをしたら業務が滞ってしまうというのも困ります。

自分が不在のときや体調が優れないときでも、家事が回って快適に過ごせるように、前もって手配をしたり、家族で分担したり、道具やサービスを利用したり。そんなマネジメント能力を発揮できたほうが、自分もラクだし、家族みんなも幸せになると思います。

【「道具」をきっかけに家事に家族をまきこむコツ】

家事をシェアしたくても、家族が家事分担に消極的。そんなとき、役立つのが新しい「道具」の導入です。単に家事の方法を教えたり、シェアをお願いしたりするよりも、効果的。

例えば、自動調理器具や便利なお掃除グッズなど、道具を選ぶところから一緒に始めましょう。相手が「こんなものも」「あんなものもある」と面白がってくれたら、しめたもの。道具をきっかけに家事を始める人、多いですよ。

やらない潔さや新しい方法を試すことも大事

やらない潔さや新しい方法を試すことも大事

家事を負担に感じる人は、自分に課しているゴールが高いのかもしれません。自分がつらいと感じることは、もっとハードルを下げてもいいのでは?自分の合格点が高いと、「私がこれだけやっているのだから、あなたも同じように努力してほしい」といったように、周りにも同じことを期待してしまいがち。でも、自分の許容範囲を広げると家族にも寛容になれて、共感しやすくなります。

嫌なものは嫌なんだから、しなくて済む方法を考えればいいじゃない?とも思います。面倒な家事に対しては、道具を変える、シェアする、外のサービスを利用するなど、しなくて済む方法をどんどん取り入れてみてはどうでしょう。特にシニアは、健康・安全面からも、「痛い・つらい・危ない」家事は、絶対に避けるべき。苦痛や危険がない方法を見つけることが大事です。

そもそも、家事の多くは「汚れたから、元に戻す」というようなマイナスをゼロに戻す作業。だから、「ゼロに戻すのをラクにする方法」ではなく、「マイナスにしない工夫」に発想を転換すると、家事はもっとラクになります。
例えば、頻繁に洗わなきゃいけないトイレマットは置くのをやめて床掃除をしやすくする、バスタオルをフェイスタオルに変えて洗濯量を減らすなど。その上で、家事をルーティン化しないこと。私の場合は、毎日、掃除機をかけるのは非合理的だと思うので、汚れを見つけても1日我慢して2日目に掃除するようにしています(笑)。

やらない潔さや新しい方法を試すことも大事

「家事が負担だけど、何をどう変えればいいかわからない」という人には、日々の家事をまず書き出してみることをおすすめします。

① 楽しいし、やり続けたい家事
② つらいけど、続けたい家事
③ つらいから、できることならやめたい家事

に分けて書き出してみましょう。

文字にすることで、家事の優先順位が整理できます。さらに、それを家族と共有することで、自分一人では気付かなかった家事を軽減する方法が見つかるかもしれません。

【離れて住む親の家事負担が心配。そんなときは…】

離れて暮らす高齢の親をサポートしたいとき、家事がラクになる・安全になる生活用品をプレゼントしてみてはどうでしょう?

例えば、掃除道具など。「これを使うと腰がラクみたいよ。これだと危なくないしね」など情報も提供しつつ、気に掛けている気持ちも伝えてみて。親の尊厳を損ねることもなく、とてもいいコミュニケーションの材料になります。

家事への思い込みを手放して、心と時間にゆとりを

家事を合理化する意味というのは、自分がしたいことに時間を使えるゆとりを生むことにあると思います。ゆとりというのは、物理的にも心理的にも。実際にはそこまで忙しくなくても、「そろそろ昼ご飯だ。その前に買い物に行かないと…」「家族が帰ってくる前に洗濯物をたたまないと…」など、家事中心にスケジュールが決まると、心理的なゆとりがないままタスクに追われて1日が終わってしまいます。

自分の時間を自分で選び取るためにも、家事の縛りやこだわり、やらなくてはいけないという思い込みを手放しましょう。もちろん、「自分は料理が好き」「掃除が好き」という人は、楽しくて満足感のあることまで効率化する必要はありません。
大事なのは、能動的に自分の時間を楽しむために家事を見直してみること。それが、これからの暮らしを楽しむことにつながると思います。

Profile

【達人コラム】生活コラムニスト ももせいづみさん

生活コラムニスト
ももせいづみ さん

暮らし、ライフスタイルを主なテーマとするコラムニスト。生活情報総合サイト『All About』時短生活ガイド。日々の暮らしの中から生まれるコラム、忙しくてもゆるりと楽しく暮らすためのアイデア、時短レシピ、生き方のアドバイスなどは、性別や世代を超えて支持されている。新聞や雑誌の連載多数。近著に『お弁当にスープジャー 超簡単レシピ』『すててもやめてもうまくいく』『夢を叶える 魔法の引き寄せ手帖』など。執筆、イラスト、講演やテレビ・ラジオなど、さまざまな媒体で「個」として豊かに生きるためのアイデアや知恵を発信している。

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