達人コラム

管理栄養士 小島美和子 さん
朝食で体も心もベストコンディションに

2019.06.04  |  生活スタイル

【達人コラム】管理栄養士 小島美和子さん 朝食で体も心もベストコンディションに

一日の始まりの活力となる朝食。慌ただしい朝の中でも、効率よくしっかり栄養を摂りたいと考える人は多いようです。心身ともに健康に過ごすために、朝食は何をどんなふうに食べるのがよいのでしょうか?管理栄養士の小島美和子さんに、朝食の役割と食べ方のコツをうかがいました。

朝食で一日のコンディションが決まる!

【達人コラム】管理栄養士/小島美和子さん 

現代は共働きの家庭も多く、夫婦ともにフルタイムで働いているケースもめずらしくはありません。忙しい朝にちゃんと朝食を摂ることが難しいと感じる方も多いでしょう。その半面、くらしの現場レポート『いつもの習慣を味方に 忘れず摂りたい食べ物は朝食に』にもあったように、健康的な朝食を摂ろうと工夫している姿も見受けられます。
 
朝食は3食の中でも、特に重要です。その理由はたくさんありますが、第1に挙げられるのが、体内時計のリセット効果。人は朝起きて光を浴びると、まず脳にスイッチが入り、さらに朝食べることで、全身にある時計遺伝子にダイレクトにスイッチを入れることができます。この両方の働きで、体内時計はしっかりリセットされます。
脳のスイッチと全身のスイッチにタイムラグがあると時差ボケのような状態になるので、朝食は起床後1時間以内を目安にしましょう。体内時計がしっかりリセットされると、一日をいいコンディションで過ごせるばかりか、睡眠にもよい効果が得られます。眠りを誘うホルモンのメラトニンは、体内時計がリセットされてから15時間後くらいから分泌されるからです。
 
もし、「朝は食欲がない」と言うのであれば、体内時計が乱れているのかもしれません。消化器にも一日のリズムがあって、寝ている明け方に消化器が働き始めるから、朝食べることができるのです。食べられないから食べないのではなく、消化器の一日のリズムを整えて、朝も食べられるようにすることが大切です。そのためには、遅い夕食時間を少し早めるなどしてみましょう。
また、通勤途中や会社でトイレに行くのが嫌だから朝食を抜くという人もいるようですが、夕食の時間を早めることで、朝食後、家を出る前に排便できるリズムに整えることができます。

栄養バランスのいい朝食メニューの基本はシンプル!

管理栄養士/小島美和子さん 

「朝食は大切だから、栄養を考えて色々作らなきゃ」と思うかもしれませんが、難しく考える必要はありません。『炭水化物とたんぱく質を摂る』、『脂質を摂りすぎない』この2点です。

まず、炭水化物は主食のご飯やパンで摂り、それに、主菜としてたんぱく質のおかずを一品付けます。ご飯なら、納豆や卵など。時間のない朝は、卵かけご飯におかかだっていいのです。これだけで炭水化物とたんぱく質が摂れてしまいます。パンの場合は、脂質の多い菓子パンよりフランスパンやベーグルなどを選び、果物などで糖質を少し足して、たんぱく質のおかずは、ノンオイルのツナや蒸し鶏などで脂質を控える工夫をするといいでしょう。
主食と主菜、あとは副菜として前日の野菜のおかずなど、余裕があれば何か足していくといったイメージです。体が必要としている栄養素を時間に合わせて摂るということがすごく重要なんです。
 
主食・主菜・副菜というのは、栄養の最低限のバランスを取るためのルールのようなものです。たんぱく質・脂質・炭水化物といった三大栄養素のバランスを取ることがベースになり、それを働かせるためのビタミンやミネラルなど微量栄養素を摂ることで、健康が維持できるというのが栄養の基本です。
 
健康のために体にいいといわれる食品を取り入れる場合も、主食・主菜・副菜をそろえて三大栄養素をバランスよく取ることがベースとなることを忘れないでおきましょう。体にいいといわれるものだけを組み合わせた食事だと、三大栄養素が偏っていたり、微量栄養素が足りていない場合が多いので、注意が必要です。

朝食を摂らないことは体型や精神面にも影響!?

管理栄養士/小島美和子さん 

朝食は体型にも影響します。朝食でたんぱく質をしっかり摂ると筋肉は増えやすくなり、基礎代謝がアップして脂肪は燃えやすくなります。たんぱく質は体内に貯蔵することができないので、朝・昼・夕と、その都度摂ることが大切なのですが、特に一日の活動前に摂る意味は大きいのです。反対に朝食を抜いたり、食べてもたんぱく質が足りなかったりすると、運動をしても効率よく筋肉が付きません。

また、安定した精神状態を保つためにも、朝食の役割は重要です。朝食を食べないと血糖値が下がったままで午前中を過ごすので、血糖値を上げる働きのあるドーパミン、ノルアドレナリン、アドレナリンといったホルモンが過剰に分泌されます。そうなると興奮状態になり、メンタルが非常に不安定になるといわれています。また、低血糖の状態から昼食を摂ると血糖値は急激に上がってから下降するので、午後はだるくなったり眠くなったりしやすく、一日を通してとても不安定になってしまいます。
 
特に女性はたんぱく質が足りていない人が多いようです。加齢とともに必要カロリーは減っていきますが、たんぱく質の必要量は変わりません。たんぱく質は、高齢になるほど重要度が増す栄養素だということを意識しましょう。

体の声を聞きながら、体調管理をしましょう

栄養バランスの取れた朝食を実践すると、その効果を体感できます。例えば、午前中の集中力が持続する、午前中におやつを食べずに済んだ、化粧ののりがいい、寝つきがいい、など。朝食をしっかり摂ると自分のコンディションが全然違ってくるのがわかるので、ぜひ、ご自分の体で確認してみてください。
 
「朝ってどれくらい食べればいいですか?」と質問されることも多いのですが、それも自分の体に聞くのが一番。お昼頃にちょうどおなかが空くのが、ちょうどいい量です。代謝率は一人ひとり違うし、女性の場合は月経周期でも変動します。また年齢と共に基礎代謝は下がっていくので、「これまでと同じ量を食べているのに、昼におなかが空かなくなった」ということも起こります。これは代謝が落ちた証拠です。
自分の体と相談しながら、量を減らしたり増やしたりして調整しましょう。


朝食で心身のコンディションは大きく変化します。『炭水化物とたんぱく質を摂る』『脂質を摂り過ぎない』といった朝食メニューの考え方を参考に、無理なく続けられる朝食習慣で健康的に過ごしましょう。

Profile

管理栄養士/小島美和子さん 

有限会社クオリティライフサービス代表取締役
管理栄養士、健康運動指導士、食コンディショニング・プロデューサー
小島美和子(おしまみわこ)さん

管理栄養士の専門性を活かし、からだの状態やライフスタイルに合わせて食生活をコントロールして、ベスト体調・ベスト体重を手に入れる「食コンディショニング®」を提唱。自治体や企業、健康保険組合に向けての食教育事業や、ヘルスケアコンテンツの企画・開発など、食の現場で QOL を高める事業を展開している。著書に『おいしく食べて「やせる!みそ汁」』『1週間で体調がグンとよくなる食べ方』(三笠書房)など。

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