2020.5.12

~8,492人の調査からみえた生活者の現在~
新型コロナウイルスが暮らしに与えた影響

2020年に入って新型コロナウイルスが世界的に流行し、終息にはまだ時間が必要そうです。日本でも3月以降、外出自粛要請や緊急事態宣言、3密の回避や新しい生活様式の推奨など、日常生活も大きく変化しつつあります。 今回は、本サイトの読者アンケートを中心に、みなさんの「くらしの様子や工夫」について紹介します。

新型コロナウイルスの登場で、感染症対策への取り組みが変化

アンケートでは、ほぼ全員が「この冬に何らかのウイルス・感染症への対策をした」と回答しました。最も多かった対策は、「手洗いをする(94%)」、続いて、「マスクをする(89%)」、「うがいをする(77%)」、「手指用の除菌・消毒商品を使う(70%)」となりました。
2018年の「インフルエンザへの対策」の結果と比較すると、「手指用の除菌・消毒商品を使う(+44%)」、「マスクをする(+21%)」、「人混みを避ける(+27%)」、「空間の換気をする(+23%)」を実施する人が大きく増えていました。

冬のウイルス・感染症対策 2018年との比較のグラフ 20~60代女性  2020年3~4月 8,492人、2018年3~4月16,453人(花王「くらしの研究」サイト調べ)(複数回答)

冬のウイルス・感染症対策 2018年との比較のグラフ 20~60代女性  2020年3~4月 8,492人、2018年3~4月16,453人(花王「くらしの研究」サイト調べ)(複数回答)

冬のウイルス・感染症対策 2018年との比較のグラフ 20~60代女性  2020年3~4月 8,492人、2018年3~4月16,453人(花王「くらしの研究」サイト調べ)(複数回答)

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従来から感染症対策として普及していた手洗い・うがいに加え、新型コロナウイルスの拡大防止に有効な手段として公的機関などが推奨している対策方法をきちんと実行した人が多かったようです。

必ず手洗いとうがい、出かけるときはマスクをし、人混みは避ける。 (58歳・女性)

今までの手洗い、うがい、マスクに、消毒液での予防もプラス。今まではしたことがなかったけど、今年は徹底している。 (46歳・女性)

コロナの影響で手洗い、うがい、室内の換気を例年より意識した。こんなにも感染予防について考えたり、家族で話題になったのは初めて。 (36歳・女性)

改めて見直された「手洗い」、効果と楽しさを両立する工夫も

この冬にウイルス・感染症対策として最も多く実施された手洗いですが、みなさん、どのようなことを意識したのでしょうか?
回答が多かったのは、「こまめに手を洗う・手洗いのタイミングを増やす(76%)」、「石けん・ハンドソープを使用して洗う(69%)」、「帰宅時・外出後に手を洗う(66%)」、「ていねいに・時間をかけて手を洗う(55%)」でした。

感染症予防のために「手洗い」で意識したことのグラフ 20~60代女性 8,492人、2020年3~4月(花王「くらしの研究」サイト調べ)(複数回答/30%以上の項目抜粋)

感染症予防のために「手洗い」で意識したことのグラフ 20~60代女性 8,492人、2020年3~4月(花王「くらしの研究」サイト調べ)(複数回答/30%以上の項目抜粋)

感染症予防のために「手洗い」で意識したことのグラフ 20~60代女性 8,492人、2020年3~4月(花王「くらしの研究」サイト調べ)(複数回答/30%以上の項目抜粋)

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今回、新型コロナウイルスの流行によって手洗いの有効性が改めて見直され、歌や動画、商品などの情報を上手に取り入れて、効果的に楽しく手洗いできる工夫をされている人もいました。
一方で頑張って手洗いをしている分、手荒れを感じ、ハンドクリームなどでハンドケアに気を配る人も増えているようでした。

花の形に出る泡ハンドソープを購入。子どもが「お花の泡見て~」と興味を持ち、適当だった手洗いを毎回ちゃんとやるようになり、効果的だった。 (36歳・女性)

歌いながらやる手洗い方法を子どもから教えてもらい、手を洗う回数も増やした。 (42歳・女性)

海外の医師が、黒インクを使った手の洗い方をレクチャーしている動画を見てから、正しい手洗いを意識するようになった。 (30歳・女性)

頻繁に手洗いをしたり、アルコール消毒をするために手荒れがひどい。洗面所、台所、ベッドサイドなどあちこちにハンドクリームを置きまくっている。 (62歳・女性)

「ウイルスを持ち込まない・拡げない」を意識して行動

ウイルスの感染・拡大予防には、手洗い以外の除菌や消毒も大切な対策となります。この冬に「身の回りで除菌や消毒をした場所・もの」を質問したところ、「手指や顔(74%)」、「食卓まわり(45%)」、「ドアノブ(44%)」、「スマホやPC(36%)」、「マスク(32%)」 、「トイレ(31%)」など、手や口が日常的に触れる場所・ものが多い結果となりました。

ウイルス・感染症予防のために「除菌・消毒」した場所、もののグラフ 20~60代女性 8,492人、2020年3~4月(花王「くらしの研究」サイト調べ)(複数回答/20%以上の項目抜粋)

ウイルス・感染症予防のために「除菌・消毒」した場所、もののグラフ 20~60代女性 8,492人、2020年3~4月(花王「くらしの研究」サイト調べ)(複数回答/20%以上の項目抜粋)

ウイルス・感染症予防のために「除菌・消毒」した場所、もののグラフ 20~60代女性 8,492人、2020年3~4月(花王「くらしの研究」サイト調べ)(複数回答/20%以上の項目抜粋)

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新型コロナウイルスは感染経路が明らかでないことも多く、ウイルスが付着していそうな場所やものへの意識が高まっているのだろうと感じます。そのためか、身の回りの除菌・消毒だけではなく、外から持ち込まないために「帰宅後に洗濯・入浴」といった対策をしている人もいました。また、調査時点では入手困難だったマスクですが、快適に使える方法を工夫したり、洗って繰り返し使えるマスクを使い始める人も増えてきたようでした。

コロナウイルスがプラスチックの上で3時間くらい生きていると聞き、リモコンやスマホ、パソコン、マウス、ドアノブをこまめに除菌している。(48歳・女性)

医療機関で働いているので、家にウイルスを持ち込まないよう、帰宅後は手洗いとうがい、なるべく早く入浴し、洗濯にも気をつかっている。 (36歳・女性)

子どもがマスクをしたがらなかったので、マスクに吹き付ける香りスプレーを買って、マスクをしてもらえるようになった。 (45歳・女性)

マスクが不足しているので、洗濯をするようにしたら、思ったよりもふんわりしたつけ心地で、洗剤のにおいもしてよかった。 (54歳・女性)

新型コロナウイルスによって、日常生活も変化

今回の新型コロナウイルスの感染拡大により、外出の自粛要請や休校・休業要請など、日常生活を制限される状況が続いています。これによって、みなさんのくらしにはどのような変化が起こっているのでしょうか?

新型コロナウイルス流行での行動変化のグラフ 首都圏在住20~60代女性 500人、2020年3月(花王生活者研究センター調べ)

新型コロナウイルス流行での行動変化のグラフ 首都圏在住20~60代女性 500人、2020年3月(花王生活者研究センター調べ)

新型コロナウイルス流行での行動変化のグラフ 首都圏在住20~60代女性 500人、2020年3月(花王生活者研究センター調べ)

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新型コロナウイルスの流行で日常行動の時間や回数に変化があったかどうかを調査したところ、多くの人が”減った”と回答したのは、「外出・買い物」に関連する項目(旅行・レジャー、外食、電車・バスの移動、店舗での買い物)で、不要・不急の外出をしないという外出自粛要請に対応した結果となりました。

それ以外にも、「化粧」に関連する項目(リップ・口紅、ファンデーション、アイメイク)で”減った”が目立ちました。買い物やレジャーの減少に加え、テレワークや休業・自宅待機など、働き方の変化に伴う外出機会の減少や、マスクの使用が増えたことなど、複数の要因が考えられる結果となりました。
 
また、「運動」に関する項目では、屋内施設(ジムなど)や屋外での運動が”減った”人が多い一方、自宅での運動は”増えた”人が多く、在宅時間が増加した分、自宅でできるフィットネスなどを取り入れる人が増えているようです。
 
「家事」に関しては、すべての項目で”増えた”人が多く、中でも食事づくりや、家の換気が増えた人が多い結果となりました。在宅時間が長くなったこと、休校や在宅勤務などで、家で過ごす人数・時間が増えたことなどが影響していると考えられます。

外出できないストレス、家族とのコミュニケーションは?

外出の自粛や日常生活への制約は、私たちの気持ちにも影響を与えているようです。
外出ができず、普段よりストレスがたまっている人は55%と半数以上、家族とのコミュニケーションが良くなった人は48%と約半数にとどまりました。

これまでとは異なる状況や変化の中で、ストレスや疲れをためている方も少なくないようです。

外出ができないので、普段よりストレスがたまっている/家で過ごす時間が増え、家族とのコミュニケーションがよくなったのグラフ 首都圏在住20~60代女性 500人、2020年3月(花王生活者研究センター調べ)

外出ができないので、普段よりストレスがたまっている/家で過ごす時間が増え、家族とのコミュニケーションがよくなったのグラフ 首都圏在住20~60代女性 500人、2020年3月(花王生活者研究センター調べ)

外出ができないので、普段よりストレスがたまっている/家で過ごす時間が増え、家族とのコミュニケーションがよくなったのグラフ 首都圏在住20~60代女性 500人、2020年3月(花王生活者研究センター調べ)

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2か月近く子どもと自宅に閉じこもっている。のびのびと外で過ごせる日が来るのを待ち望んでいる。 (40歳・女性)

主婦仕事には休みがない。テレワークという名の家族たちの世話が3倍増えるだけ。 (56歳・女性)

コロナで夫が家にいてテレビとビデオをほぼ一日見ている。 (63歳・女性)

今できる工夫で、毎日を少しでも安心・快適に

新型コロナウイルスの感染拡大によって、私たちはこれまでに経験したことがない状況の中にいます。気付かぬうちにストレスや疲れをためがちです。そのような中でも、「規則正しい生活をして免疫力を上げたい」「体力アップして抵抗力をつけたい」といった、こんな時だからこそ健康習慣を大切にしたいという声も多く寄せられました。

体によい食事を摂る、適度な運動をする、睡眠時間をとる、ゆっくり入浴するなどの習慣は、現在のストレスや疲れの解消だけでなく、体力の維持やコロナ太りの予防のためにも大切にしたいですね。

また、家で過ごす時間が増えている現在を、何かに取り組むチャンス!と考え、夫婦や親子で一緒に家事に取り組んだり、好きなことを極めたり、新しいことにチャレンジしてみるのも良いかもしれません。

前向きな気持ちで、がんばり過ぎず、毎日の暮らしを少しでも安心・快適に過ごせるように工夫していきたいですね。

調査概要

「冬のウイルス・感染症に関する調査」
◎2020年3月24日~4月20日/インターネット調査/『くらしの研究』読者20~60代女性/8,492人
◎2018年3月27日~4月24日/インターネット調査/『くらしの研究』読者20~60代女性/16,453人

「生活者の意識と行動に関する調査」
◎2020年3月23日~26日/インターネット調査/首都圏在住20~60代既婚女性/500人

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