くらしの現場レポート

口を大きく開けて笑おう!
人生100年時代のオーラルケア

2020.06.23  |  生活スタイル、高齢社会

【くらしの現場レポート】口を大きく開けて笑おう!人生100年時代のオーラルケア

80歳を過ぎても毎日外出し、ボランティアや友人たちとのコミュニケーションを楽しみに、自立した生活を送る女性たち。彼女たちにとって、食事や会話、若々しく美しい表情を作るために欠かせないのが歯のケアです。元気なアラウンド80の女性たちのオーラルケアの実態とおもいを紹介します。

「8020(ハチマルニイマル)運動」の成果

「8020(ハチマルニイマル)運動」をご存知でしょうか?
これは、1989年に厚生省(当時)と日本歯科医師会が推進した「80歳になっても、20本以上の自分の歯を保とう」という運動の名称です。
「生涯、自分の歯で食べる楽しみを味わえるように」との願いを込めて、この運動が始まりました。

それから約30年。80歳前後で自分の歯を 20 本以上持つシニアの割合は、2005年(平成17年)の 約20%から 2016年(平成28年)には 約51%にまで増加し、厚生労働省と日本歯科医師会が当初設定した「2022年までに50%達成」という目標を前倒して達成できました。

20本以上の歯を有する者の割合の年次推移

20本以上の歯を有する者の割合の年次推移

20本以上の歯を有する者の割合の年次推移

※画像をクリックすると拡大してご覧いただけます。

「歯」は食べるためだけの器官ではない

現在、元気な80歳前後、いわゆるアラウンド80の自立した生活をしている女性たちは、健康のためにあえて毎日外出する用事を作り、 人と会う生活を心がけています。

趣味の講座やサークルに参加し友人たちと交流する他に、老健施設での食事サポートや老人クラブでのイベント実行役等のボランティア、 親族の世話などに励み、「人の役に立つことが自身の張り合い」と感じているようです。

そのような生活において「歯」 は食べるためだけの器官ではなく、滑舌よく話すためのものでもあり、口元の見た目を若々しく見せ、美しい笑顔を作るなど、大切なコミュニケーションに不可欠な要素と考えているようでした。

「歯」は食べるためだけの器官ではない

手帳には日々の予定がビッシリ。活動的な様子がうかがえる。

(78歳 自分の歯:28本)

ボランティア、料理教室のサポートをしている。人の役に立つことで、病気にならずに済む感じ。
(78歳 自分の歯:28本)

79歳 自分の歯:5本

今、好きなことができていて一番幸せ。笑顔で明るく振舞えば周囲も元気になって良いと思う。笑顔を絶やさないようにしたい。
(79歳 自分の歯:5本)

アラウンド80のオーラルケア

アラウンド80のオーラルケア

アラウンド80の女性たちが生まれた第二次世界大戦頃の時代は、口腔ケアの意識が低く、3歳時にむし歯になる人が約80%と高い状態でした。また、成人して、家事や育児などで生活習慣が不規則になったり、歯科治療を後回しにしたことから起こる歯の不具合も、出産で栄養が子どもの方にいってしまったから仕方がないとする考えが一般的でした。

その中で、8020を達成し自分の歯を維持している人は、むし歯や歯周病の予防意識が高く、こまめに歯科に通ったり、歯みがきだけでなく、最新の情報も取り入れながら、進化したケア品を使い、自分にあったセルフケアを実践していました。

(78歳 自分の歯:28本)

子どもの頃から鏡を見ながらみがいています。朝昼は歯みがきだけ。夜は、歯みがき、デンタルフロス、歯間ブラシを使って、しっかりみがきます。
(78歳 自分の歯:28本)

(83歳 自分の歯:25本)

食事の内容によって、みがき方をよりていねいに変えている。入れ歯を作ってからは定期的に通院し、教わったみがき方を意識している。
(83歳 自分の歯:25本)

一方、 歯を多く失った人は、適切な歯みがき習慣を身につける機会が遅く、昔ながらの習慣や歯みがきの癖を修正できないまま、今ある歯と入れ歯の両方のケアをおこない、家族や友人に入れ歯と知られたくなくて苦労している様子がみられました。

(82歳 自分の歯:3本)

家族の前では入れ歯を絶対に外さないので、子どもも私の歯の状態は知らない。
(82歳 自分の歯:3本)

生涯、笑顔で健康に

今回紹介した元気なアラウンド80の女性たちは、「人前に立ち、人の役に立ちたい」というおもいが「歯」を大切にする強いモチベーションになって、様々なオーラルケアを積極的におこなっています。

歯を失って、口腔状態が悪化すると、食べられるものが限られたり、滑舌の機能が悪くなるだけでなく、心身の機能低下にまでつながる「オーラル(口)フレイル(虚弱)」になり、健康寿命にも大きく関わってきます。自分の歯や自分の口の状態に適した入れ歯で食べ物をしっかり噛むことができれば全身の栄養状態も良好になりますし、よく噛むことで脳が活性化され、認知症のリスクが軽減するという調査結果も出ています。

生涯、笑顔で健康に生活を楽しむために。
人生100年時代の健康には、「生きがい・おもい」を持つこと、定期的に歯科医でチェックを受けながら、セルフケアを中心とした「適切な口腔ケア」を続けることが大切です。

生涯、笑顔で健康に

調査概要

「オーラルケアの意識と実態調査」
◎2017年12月、2018年3~4月、8~9月/家庭訪問インタビュー、歯みがき行動観察/首都圏在住 自立生活をしている75~85歳女性/18人

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