特集

自分ごととして備えを
2018年の被災経験者から学ぶ工夫と対策

2019.03.08

震災の教訓を忘れないでほしい 被災経験者の声から学ぶ「備え」

2018年は、日本各地で地震をはじめ集中豪雨や大型台風などいくつもの自然災害が起こった1年でした。
被災された方には心からお見舞いを申し上げます。

2018年の自然災害による被災状況

昨年の3月には、突然起こる自然災害に対して、日頃から備えることの大切さを被災経験者の声からお伝えしました。

2018年は、その年の世相をあらわす「今年の漢字」が「災」であったことからも、自然災害の多い1年だったと感じている人は多いのではないでしょうか。(2018年の主な自然災害 4月:島根県西部地震、6月:大阪府北部地震、7月:平成30年7月豪雨、9月:台風21号、北海道胆振東部地震、台風24号)
 
2018年12月に実施した読者アンケートによると、2018年に被災した人のうち、台風・竜巻による被災は54%、地震は47%、大雨・豪雨は23%でした(複数回答)。
今回は、2018年に起こった災害での被災経験者の声をお伝えします。

2018年 災害ごとの被災経験の違い

地震による被災者と、台風、豪雨等*による被災者、いずれの被災者も、経験したことのトップは「停電」でした。地震による被災で、「停電」が高いのは、北海道胆振東部地震による北海道全域の停電“ブラックアウト”が大きく影響しているものと考えられます。「断水」は災害の種類に関わらず、25%の人が経験していました。
地震で特徴的なのは、「公共交通の寸断」や揺れによる「室内の家具・家電などの破損」。一方、台風・豪雨等で特徴的なのは「家屋の被害」「屋外設備(塀や車庫、物置等)の破損」で、非常に勢力が強かった台風21号や24号による被害と考えられます。
*台風・竜巻、大雨・豪雨、河川の氾濫のいずれか。以降「台風・豪雨等」と表記

■災害ごとの被災経験の違い

災害ごとの被災経験の違い

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被災者が困ったことをみると、全般的に地震の方が台風・豪雨等よりも様々な点で困りごとが多いことがわかります。「停電」により、電話での連絡が取れなくなったり、情報を入手できない状況に置かれました。また「断水」によりお風呂やトイレが使えない、洗濯ができないといった水周りのことや、食料品・飲料水・生活用品の入手が困難になるなど、日常生活に大きな支障が生じました。
台風・豪雨等でも「停電」や「断水」による日常生活への影響はありますが、地震と異なり、事前に情報が得られることが多い自然災害であるため、あらかじめ食料品・日用品等の確保など準備ができる点が大きな違いとなっていました。また、台風による家屋の破損、雨漏り、またその修理ができないなどの台風ならではの困りごともみられました。

■災害別 困ったこと

災害別困ったこと

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実際に工夫したこと、役立ったこと

2018年に被災した人たちが実際に体験した、被災時に工夫したこと、役立ったことを挙げます。

<停電への対応>

冷蔵庫のものは冷凍庫に移すと、食品が劣化せずに済みました。(北海道/30代女性)

懐中電灯の光を少しでも広げるために、懐中電灯の上にペットボトルを置き、光を広げました。(北海道/30代女性)

懐中電灯にペットボトル

夜は子どもが暗い家に怖がっていたので、キャンプ気分を味わえるように盛り上げました。(北海道/30代女性)

ロウソクを使う時、倒れないように使わなくなったマグカップに立てて使った。取っ手が付いているので持ち運びも安心。(北海道/30代女性)

<台風・大雨への対応>

台風や大雨は来ることがあらかじめわかるので、事前の備えがより大事になります。

台風が来るとわかっていたので充電できる物は全て充電し、お風呂に水をためたり食料・飲料を買い揃えました。(大阪/20代女性)

非常持ち出し袋

台風が来るとわかったら、おにぎり、お芋をふかしておいたり、そのまま食べられるものを確保しておきました。(和歌山/30代女性)

給油

<協力することが大事!>

日頃からご近所さんとコミュニケーションを取っていたおかげで、足りないものなど物資の交換や情報を得ることができました。(大阪/30代女性)

SNSで困っていることを発信したら、たくさん連絡をいただき、お風呂を貸してもらった。人とのつながりが一番です。(北海道/20代女性)

SNSで情報発信

自分ごととして備えを

地震は突然起こります。また、台風、大雨は事前に来ることがわかりますが、備えを怠るといざという時に大変困ります。近年の異常気象に見られるように、今後はますます台風の大型化も予想されることでしょう。
被災者からは、「今まで自分は関係ない、自分は大丈夫だろうと思っていたのが本音。今回、身を持って体験して、他人事ではない、災害への備えの大切さを感じました。(北海道/20代女性)」「これまで台風の被害が無かったので、甘くみていたなと反省。何から始めたらいいのか?うろたえました。(大阪/30代女性)」といった声が挙がっていました。
 
アンケート結果から、2018年に被災経験のあった人では、行動(備え)に変化があった人が7割近くいましたが、逆に今まで被災経験のない人では、7割の人が行動(備え)に変化がないと回答しました。「やはり他人事だと思ってしまう。いつかしなければと思いつつ、費用がかさむのと、非常食などを置くスペースがない。(京都/20代女性)」という声もありました。

■2018年に、防災に関する気持ちや行動(備え)に変化があったか

防災に関する気持ちや行動の変化

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<(2018年被災経験あり)気持ちも行動も変化があった>

実際に大地震に遭ってみると、今までの対策だけでは足りないのを実感。生活そのものを細かな部分から見直しました。家具を固定したり、すぐに日用品を持ち出せるようにまとめたり、出来る限りのことはしました。(大阪/50代女性)

西日本豪雨に遭い、今までは災害とはどこか他人事のように思っておりましたが、身近に起こり得ることなのだと実感しました。災害に遭った際、避難場所の確認や、素早く避難することの大切さを改めて感じました。(広島/20代女性)

<(今まで被災経験なし)気持ちも行動も変化があった>

ここ数年の震災や災害で意識はぐっと高まり、さらに娘が生まれたことで、今まで以上に持ち出し用品のチェックを小まめにしたり、地域のハザードマップや避難場所をチェックするようになりました。(神奈川/20代女性)

「備える」ことは、防災用品を準備したり、備蓄することだけではありません。住んでいる場所のリスクを知り、いざという時のために家族で話し合い、ルールを作っておくこともとても大切なことです。
今まで被災経験のない人の中にも、全国の災害を目の当たりにして、自分ごととして考え始め、行動を起こしている人もいます。
 
アンケートで回答いただいた皆さんの声をこれからの行動につなげ、自分の身は自分で守れるように、そして非常時に慌てることのないように、是非自分ごととして捉えて、みんなで備えていきましょう。

調査概要

◎2018年12月/インターネット調査/『くらしの研究』読者/20,640人 

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