協力:全国災害ボランティア支援団体ネットワーク(JVOAD)
自宅が安全な状態であれば、避難所に行かず自宅にとどまる「在宅避難」という選択肢があります。しかし、ライフラインが止まった状態で生活を続けるには、事前の準備が欠かせません。水や食料だけでなく、携帯トイレや衛生用品など、生活に最低限必要なものを備えておくことで、安心して在宅避難を乗り切ることができます。

かつては「災害発生から72時間(3日間)」の備えが目安とされてきましたが、近年は被害の広域化や物流の停滞により、支援が1週間以上届かないことも少なくありません。さらに、地震や台風などで水道・電気・ガスといったライフラインが長期間止まる可能性もあります。
また、避難所の混雑・密集や感染症リスクを避けるため、自宅や知人宅で過ごす避難を選ぶ人も増えています。そうした状況に備え、国も「1週間以上の備え」を推奨しています。各家庭で日常的に必要な食料・水・生活用品・医薬品などを、自分たちの生活スタイルに合わせて備えておくことが大切です。
「1週間以上の備え」と聞くと難しく感じるかもしれませんが、まずは家の中にある食品や日用品に目を向けてみましょう。冷蔵庫や冷凍庫にあるご飯やパン、野菜、冷凍食品、戸棚の乾麺やインスタント食品、そしてトイレットペーパーやティッシュ、石けん、ハンドソープなどの予備も立派な“備え”です。
ここで意識したいのが、「普段の生活の中で使っているもの」と「非常時に必要なもの」を分けて考えること。前者は日常の中で消費しながら「使ったら補充する」ローリングストックの方法で管理します。一方、普段あまり使わないが、いざというときに命や健康を守るために必要なものは備蓄としてストックしておきましょう。
食べ慣れた味や使い慣れた日用品は、非常時に心を落ち着かせてくれます。ローリングストックといざというときに必要な備蓄を組み合わせることで、日常の延長で、無理なく備える習慣を始めましょう。

災害時に安心して過ごすためには、命や健康を守るための備えに加え、清潔や快適さを保つための備えも欠かせません。自分や家族の生活、季節に合わせて、下のリストを参考に準備を進めましょう。
特定非営利活動法人(認定NPO法人)
全国災害ボランティア支援団体ネットワーク(JVOAD)
(外部サイト)
災害時に必要な支援が迅速に行われるためのコーディネーションを行うことを目的に2016年に設立されたNPO法人。平時から官民の支援者間の連携体制構築や熊本地震以降、毎年のように発生している災害への対応を行う。