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  • <研究職> 化学工学系 No.01

バイオの本質理解から製造プロセスを構築、
安定供給まで成し遂げる

工学研究科 化学工学専攻 2017年卒業

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バイオならではの特性を理解し、
プロセスを練り上げる

製品の製造プロセスの開発に携わる研究所に所属し、微生物や酵素といった生体触媒を活用したモノづくりを担当しています。バイオ反応の強みとしては、温和な条件で機能性基材を作ることができる点、ケミカル反応では合成が難しい酵素や抗体などの高機能基材も作ることができる点が挙げられます。これらのポテンシャルをモノづくりの現場で最大限に引き出すことができるかが、プロセス設計を担う私たちの腕の見せ所です。大切にしているのは、生体触媒ならではの特性を工学的に捉え、反応場を考えること。既存の技術でも巧みに組み合わせると驚きの新技術に化ける可能性もあります。本質の追求と柔軟な発想、これに時には執念とも言える試行錯誤を繰返し、理想のプロセスへと近づけていきます。搭載した生体触媒が狙い通りの働きをしてくれたときは、非常に心が躍ります。自信をもって設計したプロセスを通じて、お客様に真にお役に立てる商品を提供できるよう、日々研究に取り組んでいます。

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「リライズ」の生産立ち上げを経験
乗り越えた時の達成感は無類

入社してすぐに、「リライズ」の着色成分DHI(ジヒドロキシインドール)の生産立ち上げを経験しました。DHIは月桂冠株式会社において少量生産されていましたが、リライズの発売にあたり量産化技術を確立する必要がありました。DHIの製造においては酸素濃度やpHなどを極めて精密に制御する必要がありましたが、大きなスケールでの制御は困難を極めました。
期待の新商品リライズにとってDHIは欠かせないものです。発売までのリミットはわずか。DHI量産体制確立を担う我々に、緊張が走りました。チーム一丸となって、DHI生成反応の本質理解と各種スケールでのデータ取得を並行して、猛スピードで進めました。途中うまくいかないことも多々ありましたが、関連部門の力も借りながら、実機スケールで安定した制御を実現するため議論を重ね、ベンチスケールで何度もトライしました。そして実機での試作を迎え、張り詰めた緊張感の中、大スケールの反応槽で設計通りDHIが出来上がったときの歓声は今でも覚えています。小スケールでやってきたことを大スケールで実現でき、まさに化学工学の醍醐味を味わうと共に、チームワークの大切さを実感しました。DHI量産化課題を乗り越え、リライズが実際に店頭に並んだ時の喜びは胸にこみあげるものがあり言葉にできませんでした。

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お客様に安定して製品をお届けする
エンジニアとしての使命

実機での生産立ち上げを終え一息つきたかったころの出来事です。製造工程の1つである濾過工程において、濾過速度が日によって変動する現象が確認されました。その時点では基材の供給は問題なくできていましたが、先輩エンジニアの反応は、「これでは生産とは呼べない」でした。当時新人であった私にとって、予想外に厳しい先輩の反応でした。製造現場で想定外の現象が起きていることは、安定して基材を供給するうえで懸念材料となる。そう気づかされた私は、対策を急ぎました。不純物の解析から本質原因を特定し、製造条件に反映させることができました。大きなトラブルとなる前に安定運転を達成できた際は胸をなでおろしました。
お客様にとって真によきモノをお届けするために、実生産を実現するための技術確立を行うことはもちろん、安定生産と自信をもって言えるまで責任をもってやり遂げること。これが私のミッションですと、今では自信をもって言えます。これからもエンジニアとして大切にしていきたい教訓です。

私の入社動機と皆様へのメッセージ

私は就職先を考えるうえで、専攻している化学工学を活用しモノづくりに携わりたいという、漠然とした気持ちを持っていました。その中でも花王を選びたいと思ったきっかけは、インターンシップを通じ実際に働く花王研究員の姿勢を知ることができたためです。
製造プロセスの本質を研究者の視点から徹底的に解明し、独自の技術を作り上げている点はもちろん、作り方をもっと工夫すれば新しい機能が見つかるのではないか。このような技術ができれば世の中を変えられるのではないか。自らの考えで果敢にチャレンジし、価値を創造しようとする姿勢が印象的であり、このような研究者になりたいと思ったためです。
会社選びの際に、実際に働いている先輩社員の声を聴くことはとても有意義であると思います。皆様も是非自ら積極的に動き、様々な情報を獲得してみてください。その過程で、自分にとって何が大切か、会社で何をしたいか、会社選びの軸をじっくり整理してみてください。就職は人生の大きな分岐点であり悩むこともあるかと思いますが、ベストと思える決断ができることを願っています。

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DAILY SCHEDULE

私のある1日の仕事

出社時


06:30 起床


07:30 通勤


08:30 出社、メールチェック


09:00 実験準備


10:00 実験


12:30 昼休み


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13:30 実験


15:00 他部署との打ち合わせ


16:00 実験データ整理、考察


17:00 翌日の実験条件の考案


18:00 退社


18:30 帰宅


19:00 夕食などリラックス


24:00 就寝


在宅勤務時


06:30 起床


08:30 勤務開始、メールチェック


09:00 月報会参加


12:30 昼食、休憩



13:30 月報会続き


14:30 実験データ整理・考察、資料準備


17:00 勤務終業


19:00 夕食などリラックス


23:00 就寝


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