title_people

  • <研究職> 生物系 No.02

徹底した研究で革新的な
バイオ素材の開発へ挑戦する

農学研究科 生物産業創成科学専攻 2018年卒業

biology02-2

革新的なバイオ素材の開発で
持続可能な社会の実現に貢献する

私が所属する生物科学研究所では、研究対象が生物であるという共通点はありますが、健康科学や植物生理学、微生物学、タンパク質工学といった様々な視点から研究を行っています。その中で、私が所属する研究室では、花王が目指す「持続可能で豊かな共生世界の実現」に向け、“バイオテクノロジーを用いた環境に配慮したモノづくり”として、再生可能な植物原料を用いたバイオ素材の開発を行っています。再生可能資源は難分解性のものが多く、より効率よく分解して資源を無駄なく活用するためには高度な技術を要します。私たちはこの目標を達成すべく、チーム一丸となって高分解活性を有する独自の酵素開発に取り組んでいます。
さらに私たちは環境問題に加えて、次世代抗体医薬品として注目されている低分子抗体や、熱帯地域に蔓延する腸内寄生虫を駆除するタンパク質の開発などを通じて様々な社会問題の解決にも取り組んでいます。これらの開発は社内だけではなく、外部の研究機関や企業とも協働しながら行っており、最先端の技術を活用して活発な研究開発を行っています。

biology02-3

研究に真摯に取り組むことで、
微生物の本質理解を目指す

入社以来、産業用酵素の開発に取り組んでいます。私は大学では遺伝子工学や微生物学などを学び、農学博士の学位を取得してから入社しました。現在は大学時代に学んだことをフル活用して、目的の酵素を大量かつ安定的に生産できるような微生物の育種に取り組んでいます。
微生物は私たち人間が想像している以上に複雑な制御機構を有しており、育種の過程で想定外の結果が出ることは日常茶飯事です。そんなところが微生物育種の面白さでもありますが、面白いだけで終わらせてはいけないのが仕事です。「どうして想定外の結果になったのか」「次の手は何か」など、実験結果と真正面から向き合いながら日々試行錯誤を続けますが、それでも思い通りにいかないときは心が折れかけます。
しかし、花王の研究開発では本質理解を重要視しており、徹底した研究により科学的エビデンスに基づいたモノづくりを行うことを大切にしています。私が花王へ入社することを決めたのも、この研究への真摯な姿勢に共感したからです。だからこそ、私自身も簡単に諦めることなく、研究員として研究に真摯に取り組むことで誰よりも微生物への理解を深めた結果、これまでに無い新たな技術を生み出し、安価かつ高性能な酵素の開発に貢献できた時は達成感とともに強いやりがいを感じることができました。

biology02-4

仲間と共に異分野融合で、
これまでに無い新しいモノを生み出す

私は仲間と協力することを大切にして仕事をしています。研究開発の仕事は、最初から最後まで何も問題が無くスムーズに結果が出ることは極めて少なく、常に様々な課題に直面しながら進みます。直面する課題は多種多様で、生物の知識だけでは解決することはできず、有機化学や機械工学など様々な知識を必要とすることもあり、私ひとりの力では解決できない課題が多くあります。そんな時に頼りになるのが、様々な専門性をもった研究員の仲間たちです。
花王では様々な製品を扱っているため、それらの製品を生み出す研究員の専門性も多岐にわたっています。さらに、全研究員が良いものを作りたいという熱い想いを持っているため、同じ部署の研究員だけでなく、他部署の研究員も課題解決のために積極的に協力する土壌があり、最終的に想像以上に良いモノが出来上がることも少なくありません。また、定期的に研究交流会も開催されており、他部署の研究員と繋がりを持ち、共に新しいモノを生み出す良いきっかけ作りの場になっています。
もちろん、課題に対してまずは一人でじっくりと向き合い、解決策を模索する時間も大切です。しかし、一人で悩んでばかりで先に進めない時間は非常に勿体ないです。だからこそ仲間を頼り、さらには自らも仲間から頼られる存在に成長することで共に協力し合い、お客様に驚いていただけるような商品を生み出していきたいと考えています。

目の前の研究に集中し、
未来に活きる力を身につける

今は自分の研究に集中して取り組んでほしいです。私自身大学での研究を通じて得た学びは非常に多く、それは実験の基礎的技術や専門知識だけではなく、例えば「自分で考える力」「自分の考えを相手に伝える力」「相手と議論する力」「頭で考えたことを次の研究につなげる力」など、真摯に研究に向き合うことで身につけることができる力はたくさんあると感じました。そして、これらの力は会社でも十分に活きると実感しています。
さらに研究をする上で意識して欲しいことは、自分の研究に「責任感」を持って取り組むことです。会社では一人ひとりに研究テーマが与えられ、日々結果を出すことを求められますが、テーマによってはなかなか結果が出ないこともあります。しかし、そんな時に「うまく行かないからやめる」とすぐ諦めるのではなく、自分の研究に責任感を持って「どうすればうまく行くのか」をじっくり考え、一歩一歩確実に前へ進める必要があります。そして、そうやって進んだ先にはお客様が驚き喜んでいただけるモノが生み出せると、私たちは信じています。
私たちは課題に対して簡単に解決を諦めるのではなく、根気強く向き合って解決へ導いてくれる方々と一緒に働きたいと思っています。ぜひ私たちと一緒に不可能を可能にし、世界中の人たちがワッと驚くような革新的で良いモノを一緒に作りましょう。

biology02-5

DAILY SCHEDULE

私のある1日の仕事

出社時


06:50 起床


07:00 朝食・身支度


07:40 通勤


08:10 出社・メールチェック


08:30 実験(微生物の生育チェックから開始)


10:00 実験データの整理、会議用資料作成


11:00 実験(植菌・培養開始)


12:30 昼食


biology02-6


13:30 実験(酵素活性測定など)


15:00 チームミーティング


16:00 実験データの整理、文献調査


18:00 翌日の実験計画・準備


19:00 退社


19:30 帰宅


20:00 夕食


21:00 自由時間(読書、テレビ鑑賞など)


23:00 就寝


在宅勤務時


07:00 起床、朝食、身支度


08:30 勤務始業、メールチェック


08:50 実験データ解析・整理


10:00 文献調査(論文、特許など)


12:00 昼食



13:00 会議用資料作成


14:00 会議へ参加


15:00 実験データ解析


16:00 文献調査(論文、特許など)


17:00 今後の実験計画


18:30 勤務終業


20:00 夕食


21:00 自由時間(読書、テレビ鑑賞など)


23:00 就寝


Page Top