製品と生活者。
それぞれの視点に寄り添った「言葉」と
「コミュニケーション」を紡いでいく
ハイジーン&リビングケア事業 広告作成担当
人間文化学部 2018年卒業
コピーライター=素敵な言葉をさらっと添えられる人。この肩書を見るとそのように想像する方が多いと思います。実際私も花王に入社するまでのイメ―ジといえば、映画や街のポスターにキャッチコピーを書く“言葉を生業をとしている人”という認識でした。ですが、花王の「コピーライター」は良い意味でそういったイメージとは大きく異なります。
私は現在「ロリエ」「キュキュット」の2ブランドを担当していますが、その業務はとても多岐にわたります。基本的な店頭販促物のキャッチコピー制作はもちろん、製品に名前を付けるネーミング作業、製品に対してどのような特徴を付ければ生活者のみなさんの“好き”“欲しい”という気持ちを引き出せるか?というコンセプト作りだったり、CM企画作りや撮影の立ち合い、時には自分たちでSNS広告の企画・撮影・編集を行ったり…と、ここに並べただけでもコピーライターという肩書を越えた様々な業務を行っていることが伝わるかと思います。もちろん、デザイナーや広告代理店様、制作会社様など社内外のエキスパートのお力をお借りしながらの業務もありますが、製品がこの世に生まれた時から生活者の方の手に届くまで、トータルでモノづくり・広告作りに携わることが出来るのは花王のコピーライターならではのお仕事です。
入社5年目の時に「ロリエ」のリニューアルプロジェクトを担当しました。事の発端は、ある生活者の「生理のときCMで描かれているようにハッピーになんて過ごせない」というお声でした。このお声をきっかけに、私たちは本当に寄り添いたい方のリアルに寄り添えていただろうか?と自分たちのクリエイティブを見つめ直すと同時に、「生理の時もいつも通り過ごすべき」というイメージを押し付けてしまっていなかったか?と作り手としての責任の重さや影響力の大きさを再認識させられました。
真っ先に行ったことは、生理に対しての考え方や生理を取り巻く現状を一つ一つお聴きすること。そこから「ロリエにできることはなにか?」をコピーライター、デザイナー、マーケター、広告代理店様など社内外チーム一丸となり何度も議論を重ね、ロリエというブランドの存在意義を模索しました。そして、生理をありのままに描くCMへの表現チェンジと、職場の備品としてロリエを置く生理の困りごとへのアクション「職場のロリエ」を提案。現在、多くの方にご賛同いただきながら実施しています。
生理という現象は人によって違い、皆が納得出来たり共感できるコミュニケーションを作り上げることは難しいです。だからこそ、最も寄り添いたい人をとことん思い続け、その人にプレゼントするように言葉やコミュニケーションを紡ぐ。それがコピーライターとしての使命であり、やりがいだと感じています。
製品と出会ったときの「あ、いいな」「これ欲しいかも」という心の動き、つまり“トキメキ”。これを創り出すのが、コピーライターのお仕事だと思っています。そのために大切にしているのは、「こんなことを言ったら驚いてくれるかな?」「こんな風に言ったら喜んでくれるかな?」と生活者をイメージしながら、いろいろな角度・視点・言葉から表現を探すことです。
例えば食器用洗剤のコピーを考えるとき、まずは純粋にターゲットである生活者の気持ちになって、どんな表現だったら興味を持ってもらえるかを考えてみる。それから少し見方を変えて、例えば「母親世代の人たちがこの製品を使ったら、なんて言うだろう?」と違う人の気持ちになって考えてみます。そこからさらに「この製品の魅力を子どもっぽく言ってみたら?」「友達のAちゃんだったらどんな風にこの製品を紹介するだろう?」と身近な人やターゲットと全く違う人の視点になって製品を見たり表現を探すようにしています。そうすると自分視点では思い浮かばなかった新しい表現が生まれたり、新しい角度からワクワクするようなコピーが出てきたりと、アイデアが溢れ広がっていくんです。もちろん、いつもドバドバと溢れてくるわけではないですが(笑)。生活者を想像しながら言葉やアイデアを分解したり、くっつけたりする作業はこの上なく楽しく、コピーライターとしての冥利に尽きるなと感じています。
「コピーライターってことは学生時代から何かされていたのですか?」とよく質問を受けます。ですが、学生時代にウェブマガジンの編集のお手伝いをしたりだとか、コピーライター養成講座に通ったりだとか、そういったことは一切行っていませんでした。ほんの少し、人よりも作文やレポートなど文章を書くことが得意だったり、人と話をしながら何かを作り上げていくことが好きだったというぐらいです。ですが、振り返るとこれが大事なポイントだったのかなと思います。
花王は、生活者の「暮らし」を創り、支え、豊かにしていく会社です。そこにコピーライターとして必要なスキルは、言葉選びの上手さも勿論あるに越したことはないですが、それ以上に、日常のどこにでも溢れていて、誰しも感じているけれど言葉にすることはできない…そんな漠然とした生活者の思いをすくい上げ、形にする力だと思います。そして、原石状態のアイデアを社内外のクリエイターと何度も議論を重ね、キラリと光るダイアモンドに磨き上げていく粘り強さ。コピーライターは孤高の人と思われがちですが、花王のコピーライターはさながら協働作業の達人という感じです。
文章を書くのが好き。人と何かを作り上げるのが好き。そんな思いがあれば誰でもコピーライターになれるチャンスはあります。一緒に働ける日を、楽しみにしています。
DAILY SCHEDULE
07:00 起床
07:30 身支度
08:00 通勤
09:00 出社
09:30 メールチェック
10:00 ウェブサイトの原稿チェック
11:00 打ち合わせ(ウェブサイトの原稿の議論)
12:00 昼食(社員食堂)
13:00 資料作成
14:00 移動
14:30 広告代理店様とCM企画の打ち合わせ
16:00 帰社 CM企画の修正
17:30 終業
18:30 帰宅
19:30 自由時間 夕食など
23:30 就寝
07:30 起床
08:00 身支度
08:30 始業
09:00 メールチェック
09:30 企画アイデア出し
11:00 ネーミング案出し
12:00 昼食(自宅)
13:00 企画提案会議
14:00 打ち合わせ(部内アイデア持ち寄り会)
15:00 チーム内進捗共有会
16:00 制作会社様と打ち合わせ
17:30 資料のまとめ
18:00 情報収集(他社の広告チェック等)
18:30 終業
19:30 夕食 自由時間
23:30 就寝
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