2009年3月にドイツのリスク評価機関(BfR)が、精製油脂(*)およびそれを用いて製造された乳児用粉ミルクにグリシドール脂肪酸エステルという化学物質が含まれていることを公表しました。弊社でエコナ油を分析したところ、グリシドール脂肪酸エステルが精製工程において生成され、微量とはいえ一般食用油に比べて多く含まれていることがわかりました。
※現状では、グリシドール脂肪酸エステルそのものについては、発がん性を含め、安全性への懸念を科学的に示す報告はありません。
しかし、分解すると、おそらく発がん性があるといわれているグリシドールに変化する可能性も指摘されているため、EUを中心に健康への影響等の情報収集、調査が進められています。
エコナ油については、これまで数多くの安全性試験を重ねており、食品としての安全性に問題はないと考えております。しかし、グリシドール脂肪酸エステルについては未知の部分も多く、その含量を一般の食用油並みに低減させることが弊社の企業責任であると考えました。
このため2009年9月16日、その成分を一般食用油程度に下げるまでのしばらくの間、製造・販売を中止することにしました。
※「弊社が一時製造・販売中止を行なった理由」の詳しい説明はこちら
早めに情報提供をするべきとの企業判断で行った製造・販売中止でしたが、コミュニケーションの至らなさから、多くのお客様に対し、ご不安・ご心配をおかけすることになりました。弊社は信頼回復に向け新たに特定保健用食品(以下トクホ)の申請を目指すこととし、 2009年10月8日、エコナ関連製品のトクホ許可の失効届けを提出しました。
現在、弊社では、すでにグリシドール脂肪酸エステルの含有量低減の目処がつき、再発売に向けた取り組みを進めています。
微量のグリシドール脂肪酸エステルの精度の高い分析法は、まだ世界的に確立されていないことから、現在、EU、アメリカ、日本の産官学と協働してその分析法の確立を進めています。
なお、厚生労働省から要請のあった「副生成物であるグリシドール脂肪酸エステルに関する補足資料」の提出についても、都度、関連データを報告しております。