みがき残しゼロ宣言!

今ある歯を守るオーラルケアと入れ歯のお手入れ

義歯を入れたら要注意!

義歯と言われているものには、取り外しのできるものと、できないものがあります。

<義歯の種類>

  • 図:取り外しができるもの(部分入れ歯、そう入れ歯)のイラスト

  • 図:取り外しができないもの(ブリッジ、インプラント)のイラスト

何らかの義歯を使用している人の割合は、50代で約半数(48%)。40代からブリッジを使用(装着)する人が徐々に増え始め、60代からは部分入れ歯が、70代以降では総入れ歯が増えていきます。(厚生労働省「2016年歯科疾患実態調査」)。

グラフ:義歯を使用している人の割合。40代20%、50代48%、60代67%、70代78%、80代以上88%。出典 厚生労働省「2016年歯科疾患実態調査」

義歯が増えると、口の中の環境が複雑になり、みがき残しなどお手入れが十分に行き届かないことが出てきます。義歯まわりのお手入れが不十分だと、さらに歯を失うリスクが高まるので、今ある歯を守るためにも、しっかりとしたケアをおこないましょう。

今ある歯を守るために

歯みがきのコツ

みがき残しのないように汚れを落とすことが大切です。高濃度のフッ素入りハミガキや、歯周病・歯槽膿漏予防効果のあるハミガキがおすすめ。力を入れすぎると、かえって歯や歯肉を傷付けるので気を付けましょう。入れ歯を装着している人は、外してから歯をみがきましょう。

【歯ブラシの使い方・選び方がポイント】

●鉛筆のように持つ
力が調節しやすくなります。

図:歯ブラシの持ち方のイラスト

鉛筆を持つように

●歯ブラシを傾けてみがく
歯と歯ぐきの境目をみがく時は、歯ぐきの方向に傾けると、歯と歯ぐきのすき間まで毛先が届きやすくなります。

図:歯ブラシの当て方のイラスト

毛先を歯ぐきの方向に角度を付けて

●ヘッドの幅の広い歯ブラシがおすすめ
歯ブラシを細かく動かすのが苦手な人は、歯面全体にまんべんなく毛先を当てることができるので、広範囲を効率よくみがけます。境目を狙ってみがくのが苦手な人や、みがく力が強くてすぐに毛先が広がってしまう人にもおすすめ。

●歯ぐきケアまでしたい人は極細毛を
柔らかすぎると清掃効率が悪くなるので、ある程度コシのある極細毛で時間をかけてみがけば、毛先が歯のすき間に入り込んで、はさまった食べかすや汚れも落とすことができます。

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みがき残しに気を付けたいところ

以下の場所はむし歯になりやすいので、注意して、ていねいにみがいてください。
歯ブラシだけで取りにくい場合は、フロスなどの歯間清掃道具も活用しましょう。

<注意してみがくポイント>

図:歯肉がやせて出てしまった歯根のイラスト

歯肉がやせて出てしまった歯根

図:歯と歯の間やブリッジのすき間のイラスト

歯と歯の間やブリッジのすき間

図:治療痕や根元部分のすき間(特に奥歯の周辺)のイラスト

治療痕や根元部分のすき間(特に奥歯の周辺)

部分入れ歯のバネがかかる歯も要注意

バネがかかる歯は、取り外しの時に力が加わることで負担がかかりやすい上に、バネの下に汚れがたまりやすいので気を付けましょう。 歯ぐきの炎症や、根元の部分がむし歯にならないように、部分入れ歯を外してから、入れ歯と接している歯をていねいにみがきましょう。

図:部分入れ歯と接している面の磨き方のイラスト

入れ歯と接している面、汚れがたまる根元部分は念入りに、歯ブラシは一方向だけでなく、すき間のところまで回り込んで当てる工夫を。歯ブラシを横から入れてみがく

ハイパー研究員 リリカさんずアドバイス

ハイパー研究員 リリカさんずアドバイス

ハイパー研究員 リリカさんずアドバイス

毛先に注目!歯ブラシ交換の目安

歯ブラシは、ひと月に一度を目安に新しいものに替えましょう。

毛先が開いた歯ブラシでは、歯垢をきちんと落とせません。新しい歯ブラシと比べて毛先が開いた歯ブラシは歯垢除去率が約30%低下します(花王調べ)。 2週間程度で広がるようであれば、力が強すぎるので、ブラッシング時にかかる力が分散しやすいヘッドの幅の広い歯ブラシを使うのがよいでしょう。

見た目の変化がなくても、長く使用していると毛先の劣化により歯ブラシの汚れを落とす効果が落ちてきます。 定期的に取り替えましょう。

写真:1日2回、30日間使用後の極細毛の歯ブラシの外観と先端拡大図

入れ歯のお手入れ

最近は、総入れ歯よりも部分入れ歯の人が増えています。入れ歯の洗浄時に求められているのは、「除菌」88%、「ニオイを取る」73%、「ヌメリを取る」71%です(入れ歯使用者50~70代男女2,295人 花王調べ) 。入れ歯に付着したヌメリ(菌の集合体)の中で菌が増殖してニオイの原因にもなることから、汚れをしっかりと取り除くことが大切です。

リリカさんからのコメント「菌の栄養になる汚れをためないように、毎日お手入れすることが大切。」

入れ歯のケア

除菌、「ヌメリ」や「ニオイ」の除去には、定期的に入れ歯用洗浄剤を使いましょう。

短時間で簡単に「ヌメリ」や「ニオイ」を落とし、除菌ができる泡スプレータイプなら、毎食後や人に会う前、外出前、また不快感を感じた時など、ブラッシングなしですぐにお手入れできるのでおすすめです。その他、錠剤タイプのものなど、シーンに合わせて使いやすい入れ歯用洗浄剤を選ぶとよいでしょう。

また、入れ歯は寝る前には必ず外してお手入れをしましょう。
ブラッシングする場合は、みがき残しがないように、ていねいにみがきます。入れ歯は合成樹脂など傷付きやすい材質なので、ハミガキ剤の使用は控えましょう。

<ブラッシングのポイント>

図:いろいろな角度から磨くイメージのイラスト

いろいろな角度から、ていねいにみがく。人工歯の境目に歯ブラシの毛先を入れるような気持ちで斜めに当てて小刻みに動かす。

図:部分入れ歯のバネのイラスト

部分入れ歯のバネの部分は汚れがたまりやすいのでていねいにみがく。この時、バネを曲げないように注意する。

図:入れ歯の洗い方のイラスト

手のひらにのせて、人工歯の部分、バネ、入れ歯の表・裏側(歯肉に当たる部分)など、隅々までしっかりみがく。落として割らないように、水を張った上でみがくとよい。

図:入れ歯用保管ケースのイラスト

就寝時や長時間外すときは乾燥や変形しないように水に浸して保管。日中外す場合も乾燥や紛失を防ぐために、容器で保管する習慣を付ける。

歯のお手入れ前後もハンドソープで手洗い!

感染予防の観点から手洗いの意識が高まっていますが、食べかすを取ろうと無意識に口に手を入れたり、入れ歯の人は入れ歯の着脱で口に手を入れるので、注意が必要です。

外出から帰ったときにハンドソープを使って手洗いをする人は8割を超えていますが、入れ歯を外す前に石けんやハンドソープを使って手を洗う人は2割にとどまっています。

グラフ:シニアの場面別手洗い方法。外出先から帰宅後、石鹸・ハンドソープ等を使って洗う86%。フロス・歯間ブラシ使用者のうち、歯磨き・歯のお手入れ前、石鹸・ハンドソープ等を使って洗う32%。入れ歯装着者のうち、入れ歯をはずす前、石鹸・ハンドソープ等を使って洗う21%。 首都圏在住、男女565人(2020年7月花王生活者研究センター調べ)

リリカさんからのコメント「入れ歯を外す前に石鹸やハンドソープを使って手を洗う人は少ないのね。」

事前に必ず石けんやハンドソープを使って手を洗う習慣を付けましょう。また、フロスなどのお手入れで唾液が付着することがあるので、お手入れ後も忘れずに手を洗いましょう。


ご自宅での毎日のオーラルケアはもちろんのこと、口腔内の状態変化に合わせたケアをしていくためにも、定期的な歯科検診をおすすめします。

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