くらしの現場レポート
2016.06.21 | 若者、働き方
20~30代男性は、一見、体の不調や健康への不安とは無縁に思えます。けれども、健康意識の高い“健康志向男子”の声に耳を傾けてみると、将来のために、今のうちから健康を意識して、日々の体調管理に励む姿がみえてきました。
「現在の健康状態」や「健康への気づかい」については、20~50代で年代ごとの大きな差はみられませんが、そこにあるおもいは異なっていました。40~50代のミドル世代では、「メタボ対策」「検診数値のクリア」など、直面している問題に対して「マイナスをゼロに」というおもい。一方、20~30代の若者世代は、今は健康に問題がなくても、「将来に備えよう」「魅力的な男性になりたい」という「ゼロからプラス」の価値観がありました。外見・健康面トータルで印象をよくして人間関係を良好にしたい、自信を持ちたい、そして将来の不安に備えたいという、堅実な安定志向をもった今どきの若者世代の特徴が表れているようです。
見た目の印象は大事。日頃からフェイスケアは欠かさない
85歳くらいまで生きたい。介護されない生活を目指したい。(29歳・既婚)
適度に筋力がついた細マッチョが理想。カッコよく服を着たい。(31歳・既婚)
65歳の定年まであと35年。働けなくなったら困る。(29歳・既婚)
体の外からも内からも老化を防止して40歳になっても若々しくいたい。(32歳・未婚)
仕事に家庭、育児、遊びに何かと忙しい若者世代。しかし、時間やお金をかけなくても、食べ方を意識したり、ランニングや自宅での筋トレ、「ながら」運動など、手軽にできる方法を日常生活にうまく取り入れて健康行動を実践していました。好きなことは我慢したくないというおもいの一方で、「食べ過ぎた分はランニングで消費して調整」「外では好きにお酒を飲みたいので自宅ではセーブする」など、楽しみながらも健康への配慮をかかさないのもこの世代ならでは。メリハリをつけてバランスを取りながら、日常的にメンテナンスに励んでいる姿がありました。
食事はベジファーストを実践して糖質の吸収をブロック。(35歳・未婚)
家ではバランスボールが相棒!インナーマッスルを鍛える。(29歳・既婚)
自宅では、プリン体OFFの機能性ビールを飲む。(29歳・既婚)
ジムに行けなくても、自宅でちょっとした時間を見つけては腕立て伏せと腹筋。(36歳・未婚)
バランスボールを使って、「ながら」運動
筋トレは自宅でテレビを見ながら
加齢やメタボなど「対策型」のミドルの健康管理とは異なり、20~30代の“健康志向男子”は、将来に備えながら楽しむことも忘れない「健康・楽しみ両立型」の健康行動に前向きに取り組んでいる姿が印象的でした。数値などの目標を設定して、ストイックに努力するというより、忙しくて余裕がない中でも、自分なりに今、取り入れられることを工夫しながら、健康行動を地道に行っていました。彼らの取り組みは決して特別なことではなく、今日からでも誰もが始められる手軽なことばかり。今から将来の健康に向かって備える姿勢を、大切にしていきたいものです。
将来も健康でかっこよくいるために
調査概要
「20~30代男性の健康価値観と実態」
◎2014年7月/グループインタビュー/健康・美容・身だしなみに関心がある20~30代男性/24人
「40~50代男性の健康価値観と実態」
◎2014年7~9月/家庭訪問インタビュー/40~54歳既婚男性/12人
「男性の健康に関する実態」
◎2014年7月/インターネット調査/20~50代男性/800人