ある夏のこと。
僕は彼女と二人でキャンプにでかけた。前日から彼女の目には、ものもらいにしては少し大きいできものができていた。
僕は心配したが
「大丈夫。楽しみにしてたんだから」
と気にしない様子。
キャンプ場は僕たち二人だけ。
テントを設営した僕たちは、川辺でひと休みすることにした。
高校の夏休み、僕は男友達と三人でサイクリングに出かけた。 地図で発見した、山奥にある滝を見に行くのが目的だった。
しばらく山道を走っていると“この先、立入禁止”と書かれた看板と道を塞ぐように張り巡らされたロープにぶつかったが、
「遠回りすると時間がかかるし…」
「いいじゃん、このまま行こうよ」
と、そのまま進むことにした。
しかし、近道のはずがなかなか滝にたどり着かない。いつしか日が沈み、辺りは電灯のひとつもなく黒い闇に包まれていた。 静まり返った山道とは対照的に、雑木林からは不気味なざわめきが響く…。
「引き返そう……」
皆の顔には、不安の色が浮かんでいた。
何の気なしに
僕は川に向かって石を投げた。川面をぴょんぴょん跳ねる石を見て彼女は
「すごーい!」
と感心した。
調子に乗って何度となく石を投げていると、
向こう岸で石が何かに当たった鈍い音がした。すると、彼女が指差した。
「あそこに、何かいない?」
目を凝らすと、確かに向こう岸の岩陰に
何かが動いている。
次の瞬間、それと目があった。
いや違う……“それ”自体が大きな目玉だった。
ぎょろりと動く目玉からは、いやに黒光りした手足のようなものがのびている。
「め、めだま!?」
動揺しきった情けない声が、静寂に響いた。
瞬間、対岸にいた目玉が川の上を這うように猛スピードでこちらに向かってきた。
ザザザッ!!!ザザザザザザザッ!
恐怖に足がすくんでいるとその生物は彼女の前でとまり、手のようなものを伸ばして彼女の顔をなでた。
彼女は恐怖のあまり失神。僕は倒れた彼女を抱きかかえるしかなかった。その生物はそのままふっと水中に消えて行った。
ふと、木々の間からかすかな光が漏れ出てきた。目を凝らすと屋台が連なり、提灯が垂れ下がっているようだった。
「あれ?さっきこんな屋台見かけなかったけど」
不思議に思い近づいてみると、そこには誰もいなかった。 ただ、なんとなく誰かに見られているような妙な視線だけは感じる。
周りを見渡し視線を戻すと、提灯の真ん中にギョロリとした大きな目玉が現れ、僕たちを捉えていた。
途端、大きな口から舌が飛び出したかと思うとどこまでも伸び、 僕たちに絡みつこうと追ってくる。
「うわあああ!!」
ペダルを踏み外しそうになりながらも必死でどこまでも逃げた。
息も絶え絶え、もうダメだと思った瞬間、僕は意識を失った。
一瞬のことだったのか、それともずいぶん時間が経ったのかはわからない。
目を覚ました時には三人そろって "立入禁止"とロープが張られた道の前で、自転車とともに倒れていた。 追いかけてきていた怪物はいない。辺りは明るくまだ昼間だった。
「助かった・・・」
すっかり肝を冷やした僕たちは、身を震わせながら家路についた。
恐怖に震える中、彼女の顔を見やると、
大きなできものはきれいに消えていた。
あれは何だったのか、思い出すだけでもゾッとする。あの生物が何者かはまったくわからないが、彼女の目を治したのは事実だ。
今年の夏もふたりでどこかに行こうと計画している。
一つ気になるのは、
彼女の目の上にものもらいのようなものが、
またできていることだ。
その後、何度か地図を広げてみたが、不思議なことにあの山道は見当たらない。
あれは夢だったのか?しかし夏が来るたび、怪物に触れられた瞬間の、ざらりと湿った舌の感覚を鮮明に思い出すのだ。
ゾクッとした後には、怪談よりヒンヤリ!?
これは不思議...温まったはずなのに
湯あがりがさらりと爽快...
正体は
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