花王というと洗剤や化粧品など一般消費財だけを扱っていると思われがちですが、実は化学工業品の原材料など、エレクトロニクスや金属、プラスチック、紙、医薬、食品などをはじめとするあらゆる国内外のメーカーへ、産業用製品を販売しています。この中心となっているのがケミカル事業ユニットです。
もともと花王には"すぐれた製品は、すぐれた原料から"という理念があります。それに基づいて、最終的な製品だけでなく、それを生み出す原材料の研究や開発に力を入れているのが花王の特長。その中で生まれた花王独自の技術を"シーズ"として、いろいろな産業界のユーザー側が希望する"ニーズ"に結びつけ新たなビッグビジネスを創る。それが「ケミカル営業」という仕事です。
ケミカル営業の仕事を一言でいうなら「創造型のビジネス」となります。たとえばその一例として、複写機用のカラートナーについて説明しましょう。
最近では複写機やレーザープリンターのカラー化が進んでいますが、カラー化が進む当時のマーケットや産業界の動向を前に、ひとりの「ケミカル営業」担当者は「花王の技術を使って新しい製品がつくれないか?」と考えました。もともと花王には粉体に関してすぐれた技術があります。
このため、彼はカラートナーの開発を発案し、開発プロジェクトをスタートさせたのです。そして現在、世界市場で3分の1のシェアを誇るビッグビジネスにまで成長させています。
このように「ケミカル営業」の仕事は基本的に法人ユーザーへの事業提案からはじまります。そのためにはユーザーの現場に深く入り込むことや、技術コンサルタントとしての役割も必要で、また提案が受け入れられれば、そのプロジェクトのリーダーとなって戦略を描き、社内外・国内外で、製品販売の枠を超えたダイナミックな活動をすることになります。まさにそれは新規事業のグローバルプロデューサーといってもいいかもしれません。
CHECK
ケミカル事業分野において、新製品の開発、売上事業収支、マーケティング施策・販売などについて戦略を描き、事業計画を立て実行します。
エレクトロニクスや金属、プラスチック、紙、医薬、食品などをはじめとするあらゆる産業メーカーへ、グローバルに産業用製品(原料)を販売するのが主な業務です。そのためには、市場のニーズに適合した新製品を開発し、戦略を描き、実行していくとともに、社内で開発した新製品を市場に投入していくことも重要。このため、単に産業用製品を売るだけでなく、研究部門や生産部門と一体となった市場開発活動を行うことも大きな業務の柱となります。