研究の組織は、「商品開発研究所」と「基盤技術研究所」の二つに分けられ、課題ごとにさまざまな組み合わせで両者が共同で研究を推進する「マトリックス運営」が行われています。
商品開発研究所では、商品ブランドを統括するマーケティング部門(事業部)との緊密な連携のもと、商品の発売や改良に関わる研究を行っています。基盤技術研究所では、素材、生物、生産技術、構造解析、安全性、感性など、さまざまな商品に広く横断的に関わる研究や、次の新しい事業展開のための中・長期的な研究を行っています。
この運営の仕組みにより、それぞれの専門領域の知がダイナミックに、柔軟に交わり、研究開発のスピード・アップにも大きく貢献しています。
このような柔軟な組織運営が、よく表れているのが研究室の「大部屋制」です。専門領域や担当分野の異なる多くの研究員が、同じ一つのフロアで常に対話をし、情報を交換しながら、日々の研究を進めています。このオープンな環境の中で、領域を越えた幅広い知の交流が日常的に行われ、そこから新しい発想と、自発的な協働が生まれ、花王の研究開発部門の大きなポテンシャルとなっています。
また、こうした組織運営の仕組みの背景には、研究課題を自ら考え、計画、提案、遂行するという、研究員の自主性を重んじる自由闊達な組織風土があります。