先輩社員が語る「よきモノづくり」

法務部にとってのお客様は花王の社員のみなさんです。私は法務部の中で、アタックなど家庭内で使用される商品の事業グループを担当しています。契約書のレビューやドラフト、新規企画や事業のスキーム相談や法的リスクの抽出について、法的視点に立ってアドバイスを行うことはもちろんのこと、花王には「花王ウェイ」という企業理念があり、「正道を歩む」という基本となる価値観を共有しています。正道を歩むとは、法と倫理に則って行動し、誠実で清廉な事業活動を行なうことです。私たち法務のメンバーもこの「正道を歩む」も含めて花王ウェイに則り、事業がお客様に対して誠実で清廉かということも考えながらアドバイスを行い、“よきモノづくり”を支えます。花王の商品や花王に対するお客様からの信頼は様々な部門の人たちが関わり、築き上げてきた努力の結晶です。しかし、法律違反や重大なレピュテーションの低下というようなことがあれば、これまで大事に築き上げてきた花王の努力の結晶が一瞬にして崩れ去ってしまう可能性もあります。そのため、そういうことが起きないように常に緊張感を持ちながら日々業務にあたっています。

今やコンプライアンスという言葉はどこでも目に入るほど、広く浸透しています。コンプライアンス体制を築くことは企業を継続させるには必要不可欠な世の中になっています。コンプライアンスは一部の部門だけが目を光らせていれば達成できるものではなく、社員ひとりひとりのリスク感度の向上が必要です。そのため、法務部では社員のみなさんに向けて、法律に関する社内研修を企画・実施することも一つの重要な業務となっています。花王が事業を行う場合に関わる法律は山のようにあり、中でも特に注意していただきたい法律や実務に関する法知識について社内研修を行っています。ただでさえ法律はとっつきにくいですし、時間も限られているので、工夫のしどころがたくさんあります。勉強会を実施したあとに、「この前の勉強会で聞いたことで、ちょっと気づいたことがあるんですが」といってご相談に来てくださる方がいると、自身の工夫が報われたということだけでなく、コンプライアンスの向上に少しでもつながったということも実感でき、大きなやりがいを感じます。

法務の仕事の性質上、どうしても法的リスクを回避するために、社内クライアントに対してスキームの変更や、企画内容の変更などをお願いせざるをえないことがあります。ご相談にいただくまでに事業部において、時間、手間、費用をかけて立案されてきたものもあり、変更をお願いすることは心苦しいのですが、「NO」であるべきものについては「NO」とお伝えすることも求められます。しかし、法務のミッションは“よきモノづくり”をサポートすることですから、なぜできないかということを十分に説明し、「納得」していただきます。そして、“よきモノづくり”を前に進めるために、コミュニケーションを重ねながら代替案を提案します。法律というと「規制」というイメージが強いのですが、法務に相談いただくことを躊躇されないように、「納得」「コミュニケーション」を大切にし、相談しやすい法務というイメージを持っていただけるように努めています。

花王の法務部では、花王がB to CだけでなくB to Bも行っていること、世界各国に関係会社を有するグローバル企業であることから、非常に幅広い業務を扱っています。そのため、法務に関してエキスパート、かつ、ゼネラリストになるための環境が整っています。私は前職は特化した法分野に携わっており、自身の知見をより広めたいという思いもあり、花王に入社しました。法律や事業、商品のことなど、吸収すべきこと学ぶことはたくさんありますし、非常に頭を悩まされる法的な課題に当たることもありますが、それにチャレンジする機会と、サポートしてくださる先輩社員がいます。また、ご相談を受けていて法務も当然わからない専門的なことが出てきたときには担当の方から教えていただくことも多々あります。このように支え合って “よきモノづくり”をしようという社風は法務だけではなく、花王全体に感じます。入社するまで、ワクワクと不安があるかと思いますが、入社後、そのワクワクな日々が継続でき、その不安もサポートされる環境があります。少しでも花王や花王の商品に興味をもっていただけた方がいらっしゃれば、一緒に働けることを楽しみにしています。