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被服衛生学の観点からみた、ムレや濡れの不快感覚について
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被服衛生の観点から

被服衛生学の観点からみた、ムレや濡れの不快感覚について

 人間はどのようにムレや濡れを感じているのか
人間の身体には、ムレや濡れの感覚(湿潤感)を直接感知するセンサーはありません。では、人間はどのようにムレや濡れを感じているのでしょうか。
文化女子大学 田村照子教授によると、ムレや濡れの感知機構には、『温冷感』と『触感』が関係しているようです。

例えば、長時間不透湿性の椅子に座っていたという場面を想像して下さい。座位中は何も感じなかったのに、起立するなど動いた時、改めて座面に『汗による濡れ』や『もあっとしたムレ』等の不快感を感じたという経験はありませんか?

椅子で皮膚が長時間閉塞されると、皮膚表面での水分蒸散が抑制され、本来蒸散されるべき水分が皮膚の角層に過水分(皮膚膨潤)として残ってしまいます。このときは、水分が存在していても濡れや蒸れを感じないのですが、起立して、皮膚表面から椅子が離れると、衣服内や角層の過水分が一気に放散し、気化熱が皮膚表面の熱を奪うため、その温度変化を皮下の温冷覚受容器がとらえ、濡れていたことを感知したのではないかと考えられます。

湿潤感を引き起こすもう一つの要因として、触感があげられます。
起立などの動作をすると、汗で湿った下着と接触する皮膚との間に触感が生じより複雑に湿潤感の質(べたつき等)を感知することができるのです。勿論汗等で皮膚が膨潤すると、触感そのものの感知レベルも変わるでしょう。

これまでの研究知見から、温冷感は個人差が大きく、また湿潤感も、個人差が大きいことが明らかになっています。
被服衛生学の観点から、ムレや濡れの不快感を軽減する設計としては、以下の点が重要と考えられます。
  1. 皮膚からの水分蒸散量は気温によって変化します。気温に応じた水分蒸散量に配慮しこれを抑制しないようにする必要があります。
  2. そのためにはできるだけ皮膚を閉塞しないこと、または皮膚面での接触面積をできる限り少なくすることも重要です。
このような知見は、スポーツウエア等の設計にも応用されています。
文化女子大学 田村照子 教授
日本を代表する被服衛生学研究の第一人者である。医学博士。

お茶の水女子大学 大学院 家政学研究科 修了後、 順天堂大学 体育学部 解剖学 助手を経て、現在、文化女子大学 教授並びに 文化・衣環境学研究所 所長。

主な著書に、 「衣環境の科学」 「着ごこちの追求」 「アジアの風土と服飾文化」 など。
 
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