脂質の食用油としての役割
脂質は三大栄養素の1つであり、また必須脂肪酸の供給源、ビタミンの吸収を助けるなど、様々な役割を果たす食品であり、美味しさの上でも欠かせない栄養素です。また、揚げや炒めなどの油を使用した調理は、栄養損失を抑えつつ素材の持ち味を生かす優れた調理法です。
食用油としてのジアシルグリセロール油
ジアシルグリセロール油は、このような油に求められる栄養、風味、調理の特長とともに、さらに『食後の血中中性脂肪が上昇しにくく、体脂肪になりにくい』という新しい栄養学的な特性を持っています。
ジアシルグリセロール油は大豆油および菜種油を原料としていることから、その脂肪酸組成はオレイン酸、リノール酸、リノレン酸が主となっています。また、ジアシルグリセロールの純度は80%以上であり、残りのほとんどはトリアシルグリセロールです。ビタミンの吸収については、渡邊らによって報告されており、ヒトでのDAG摂取試験における血液中の脂溶性ビタミン(A, D, E)量はトリアシルグリセロール摂取時と同等であることが明らかにされています1)。ただし、ジアシルグリセロール油には消泡作用がありますので2)、食用油を多用するシフォンケーキは膨らみにくくなることがあります。シフォンケーキを作る場合には、小麦粉に対し3%のベーキングパウダーを加えることをおすすめします。
胃にもたれにくいジアシルグリセロール油
ジアシルグリセロール油は、炒めもの、揚げ物、ドレッシングなどに一般の食用油と同じように使用できます。ジアシルグリセロール油による調理品は、“軽い”“さっぱりしている”“胃にもたれない”などの特長があります。
『胃もたれ』については、実験でも確かめられています。ジアシルグリセロール油またはトリアシルグリセロール油で料理を作り、食後に胃から排出されるまでの時間を測定し、胃の内容物量が半分になるまでの時間を比較しました。油を使用せずに作った料理には及ばなかったもののトリアシルグリセロール油と比較して、ジアシルグリセロール油は明らかに胃の滞留時間が短く、胃での消化が速やかに行われていることがわかりました3)。これは、同時におこなった官能評価とも一致していました。