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茶カテキンによる体脂肪低減メカニズム
食事の中の脂質は小腸から吸収され、血液によって全身の様々な組織に送られます。体の中で脂質代謝に大きく関わっているのが肝臓です。脂質の一部は肝臓で「β酸化」というエネルギーを得るための分解を受け、最終的に水と二酸化炭素になります。これは、肝臓(肝細胞)にある脂質を燃焼させエネルギー化するための酵素(β酸化関連酵素)の働きによるものです。そして、エネルギーとして使用されなかった脂質は血液を介して全身をめぐり、脂肪組織に蓄えられていくのです。
体脂肪の蓄積は、食物から摂るエネルギー量(摂取エネルギー量)が、運動などで消費するエネルギー量(消費エネルギー量)を上回る場合に起こります。 高濃度の茶カテキンを継続的に摂取することによって起こった体脂肪量の減少は、消費エネルギー量が摂取エネルギー量を上回ったことを示しています。 では、高濃度の茶カテキンはエネルギーの摂取量と消費量のどちらに影響を与えたのでしょうか? 今回の肥満モデル動物を用いた実験では、高濃度の茶カテキンを継続的に摂取しても摂取した脂質の吸収抑制は認められず、総摂取エネルギー量も変わらないことが確認されました1)。
一方、最近茶カテキンの摂取により、ヒトや動物で消費エネルギー量が増加することが報告されています2,3) 。 また、高濃度の茶カテキンを摂取すると、血中にでてきたカテキンは肝細胞に到達することが報告されており4,5) 、さらに、肥満モデル動物を用いた最近の研究において、高濃度茶カテキン摂取時、肝臓での脂肪燃焼酵素(β酸化関連酵素:ACO*1、MCAD*2)の遺伝子発現量が40%近く増加していること、さらに脂質のβ酸化活性が約3倍に上昇していることが報告されました(図-1)。これらの結果は、高濃度茶カテキンを摂取することにより、肝臓での脂質代謝が活発になり、結果として脂質の燃焼によるエネルギー消費の増加が起こっていることを示唆しています6) 。
| *1) | ACO :acyl-CoA oxidase (ペルオキシソームβ-酸化酵素の1つ) |
| *2) | MCAD:medium-chain acyl-CoA dehydrogenase(ミトコンドリアβ-酸化酵素の1つ) |
以上のことから、 高濃度の茶カテキンは、エネルギー消費量を増加させることや脂質の燃焼を促進することにより、体脂肪を低減する効果が発現しているものと推察されます。
更に、最近の肥満モデル動物を用いた試験において、定期的な運動と茶カテキンの継続摂取を併用することで、肝臓や骨格筋の脂質代謝が活性化すること7,8)や、ヒト試験において、定期的な運動と茶カテキンの継続摂取を併用することで、食事や軽運動時での脂肪の燃焼性が上昇していること9~12)が確認されました。
以上の試験結果から、高濃度茶カテキンの継続摂取によって、脂肪がエネルギーとして燃焼されやすくなるため、体脂肪が低減すると考えられます。
引用文献
| 1) | Meguro S. et al., J.Oleo Sci., 50, 593-598, 2001 |
| 2) | Dulloo A.G. et al., Int.J.Obes., 24, 252-258, 2000 |
| 3) | Dulloo A.G. et al., Am.J.Clin.Nutr., 70, 1040-1045, 1999 |
| 4) | Hackett A.M. et al., Eur.J.Drug Metab.Pharmacokinet, 8, 35-42, 1983 |
| 5) | Chen L. et al., Drug Metab.Dispos., 25, 1045-1050, 1997 |
| 6) | Murase T. et al., Int.J.Obes.Relat.Metab.Disord., 26, 1459-1464, 2002 |
| 7) | Shimotoyodome A. et al., Med.Sci.Sports Exerc., 37, 1884-1892, 2005 |
| 8) | Murase T. et al., Int.J.Obes.(Lond.), 30, 561-568, 2006 |
| 9) | Ota N. et al., J.Health Sci., 51, 233-236, 2005 |
| 10) | Harada U. et al., J.Health Sci., 51, 248-252, 2005 |
| 11) | Takashima S. et al., Plog.Med., 24, 3371-3379, 2004 |
| 12) | Kataoka K. et al., Plog.Med., 24, 3358-3370, 2004 |
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