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猫に関するよくあるご質問

 

その他 健康管理

下痢が数カ月続いている

ペルシャ猫を多頭飼育しています。その中の2匹(11歳オスと10歳メス)に、数カ月間、下痢が続いています。血液検査をおこなったところ、コロナウイルスの抗体価が異常に高く、腹膜炎の疑いがあるが、断定はできないとのこと。症状は下痢のみで、元気や食欲はあります。他の猫たちも元気です。食事は、下痢を抑えるということで、w/d、r/d、LRFを与えています。コロナウイルス腸炎の可能性はありますか。また、インターフェロンの点鼻薬をあげているのですが、効果的でしょうか。生後2週間の子猫がいるので、隔離しています。1カ月間隔離して離乳すれば、コロナウイルスフリーになると聞いたのですが、本当でしょうか。(神奈川県横浜市 カンディンスキーさん)

コロナウイルス抗体価が高い=伝染性腹膜炎ではない。

 慢性の下痢、難治性の下痢は、原因を解明するのに、たいへん労力を必要とする病気のひとつです。しかし、ご相談者の場合は、同居の2匹に、数カ月間もずっと続いているようですので、問題は深刻です。
 コロナウイルスの抗体価が高いことから、コロナウイルス性腸炎の可能性はあるとも考えられます。しかし、腹水や胸水、葡萄膜炎などの伝染性腹膜炎の症状はないようですから、伝染性腹膜炎を発症しているとは考えにくいでしょう。
 コロナウイルスと伝染性腹膜炎については、いまでも発症のメカニズムは完全に解明されているわけではありません。最新の説では、「猫の世界では、病気を起こす性質が弱い、腸コロナウイルスが非常に蔓延しており、運悪く、ある猫の体内で、これが突然変異を起こすと、病気を起こす力の強い猫伝染性腹膜炎ウイルスになる」と考えられています。
 猫伝染性腹膜炎は、病名の通り、腹膜炎を起こすものが一番多いながらも、胸膜炎で胸水がたまったり、食欲不振や下痢が続いたりすることもあります。いずれにせよ、発症すれば、徐々に病気は進行する傾向にあり、死亡率は非常に高いとされています。とくに貧血と衰弱が進み、神経症状が出ていると、治療の望みはありません。
 しかしながら、先ほども述べたように、コロナウイルスの抗体価が高いからといって、必ずしも伝染性腹膜炎になるとはいえません。また、コロナウイルスの抗体価が高い状態がずっと続いているのは、もちろんよいことではありませんが、健康状態の回復に伴って、抗体価が下がっていくこともあります。メールの内容だけでは、伝染性腹膜炎かどうか、判断することができません。もし、コロナウイルスの増殖が考えられるとすれば、インターフェロンの点鼻は、それなりに効果はあると思われます。

糞便検査を繰り返し受けてみて。

 ただ、ご相談の場合は、元気も食欲もあるとのことですので、他に原因があるのかもしれません。慢性の下痢の原因を突きとめるためには、繰り返し、糞便検査を受けることが必要です。繰り返しの糞便検査で、消化管内寄生虫が見つからなければ、糞便中の脂肪やでんぷん質を確認し、それでも異常がなければ、総合的な血液検査、腹部レントゲン検査、バリウム造影を受けた後、必要に応じて、内視鏡や腸の全層生検を受ける必要があるでしょう。
 また、排便の状況から、下痢の原因を小腸性のものと大腸性のものに、大きくわけることができます。日頃から、以下の項目をチェックしておいて、獣医師の診察の際に伝えるようにしてみてください。原因究明の手がかりとなるかもしれませんので。なお、現在、食事は、w/d、r/d、LRFを与えていらっしゃるとのことですが、これらは主に大腸性の下痢に対応するためのもの。原因によっては効果がない場合もありますので、まずは下痢の原因をつきとめるように努めてください。

しばらく子猫を隔離して様子を見る。

 コロナウイルスの抗体価が高くなる大きな原因として、多頭飼育や長距離の移動による「ストレス」があります。ご相談者のお宅は、多頭飼育で、生まれたばかりの子猫がいるとのこと。これは、あくまで想像なのですが、多頭飼育のストレスに、妊娠や出産、育児が加わって、より大きなストレスを感じているのかもしれません。個々の猫が安心して安らげる場所をつくってあげたり、子猫を隔離したりして、ストレスを軽減するようにしてみてください。
 また、ご相談者は、子猫をコロナウイルスフリー(コロナウイルスを持たない状態)に育てたいとのこと。子猫は、4週齢までは親から受け継いだ抗体があるので、親猫と一緒にしていても大丈夫だそうです。ただし、4週齢以降は、この抗体の効果がどんどん薄れていくので、コロナウイルスを持っている猫と一緒にしておくと、子猫にもコロナウイルスが伝染します。たいがいの猫は、コロナウイルスを持っているので、子猫をコロナウイルスフリーにしたい場合には、4週齢のときに、他の猫から隔離することが必要です。そして、一生涯、コロナウイルスを持った猫とは一緒にしないようにしなければなりません。
 コロナウイルスフリーに育てるか否かは別としても、コロナウイルス抗体価が高い親猫と一緒にしておくのは、子猫の健康上、確かに望ましくありません。親猫が健康を取り戻すまでは、隔離して育てることをおすすめします。

(回答:ACプラザ苅谷動物病院 葛西橋通り病院院長 内田 恵子先生)
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