猫が満足する爪とぎ棒を与える
爪とぎは、どんな猫でも行う正常な行動で、これには大切な二つの意味があります。一つは、爪の外層の死んだ部分を削り落とし、鋭いポイントを維持して、外敵から身を守るという意味。もう一つは、垂直な木の幹や、塀の柱を爪でひっかいて傷をつけたり、足先のフェロモンをこすりつけ、においで自分の縄ばりを他の猫に知らせたりする「マーキング行動」という意味です。最近では、爪をとがらせるためよりも、フェロモンのこすりつけや、体の筋肉や腱を伸ばすストレッチの役割の方が重要な要素と考えられています。
しかしながら、ご質問のように、その対象が大切な家具や柱だったりすると、本当に困ってしまいますね。ただ、猫は元来、怒られても、基本的にはやりたいことは遂行するタイプの動物ですので、叱るよりも、気持ちよく爪とぎができるように環境を整えてあげたいもの。お宅の爪とぎ棒は、以下のポイントを満たしていますか。チェックしてみてください。
□ 猫が十分にストレッチできる高さ(約1m)がありますか。
□ 棒を支えているポストは、グラグラせず、安定していますか。
□ 爪とぎ棒の柱を覆っている表面は、ひっかきたくなるような
魅力的な素材ですか。
□ 爪とぎ棒は、猫によく見える場所にありますか。
□ 複数の猫を飼っている家では、1匹1匹に相当する十分な数の
爪とぎ棒がありますか。
爪とぎされたくない場所を保護する
猫は、自分の縄ばりを他の猫に主張するために、環境の中で一番目立つ所で爪をとぎます。垂直でよく目立ち、かつ感触のよいものを選ぶので、椅子やソファーの角などが、爪とぎの格好の対象となるわけです。
爪とぎをされたくない所は、プラスチックやアルミホイルなど、表面がツルツルしたもので覆ってください。そして、爪とぎ棒を目立つところにしっかりと固定し、猫の手をとって、フェロモンをこすりつけ、においをつけておきます。猫が爪とぎ棒を気に入って使い始めたら、ボロボロになっても、なるべく変えないでください(その棒を安定して使い始めたら、飼い主の希望する位置へ徐々に移動しても大丈夫です。1日に数cmずつ動かすようにしてください)。猫の爪は、伸びすぎないようにまめに切ってあげましょう。また、爪をカバーする製品を利用してもいいですね。
大切な家具で爪とぎをしたからといって、むやみに怒ったり、たたいたりしても効果はありません。悪いことをする前に、霧吹きや水鉄砲、音の出るもので驚かせてやめさせてください。ただし、爪とぎ自体は、猫の自然な行動なので、やめさせることはできません。やむを得ない事情があるときは、最終手段として、抜爪の手術を受ける方法もありますので、かかりつけの先生にご相談ください。