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猫は色を識別できるのか?
監修/どうぶつ行動クリニック・ファウ 尾形 庭子先生

くるくると表情を変える魅力的な猫の目。
彼らの目は世界をどのように捉えているのでしょう。
私たちと同じように色が見えるのでしょうか?
暗闇でどれほど視力が効くのでしょうか?
今回は、猫の「目」の不思議をサイエンスしました。



▲上のボタンをクリックすると人・猫それぞれの視点に切り替わります。
猫の目には赤は見えませんが、青と緑は見えます(猫の脳が色の違いを識別しているかどうかは別ですが…)。

 色覚とは、目の網膜に届いた光の波長の違いによって、別々の色の感覚が生じることをいいます。猫の網膜には、この色覚をつかさどる「錘体(すいたい)細胞」が2種類確認されていて、「青」と「緑」の色と、その混合色が見えると考えられています(人は3種類あり、「赤」も見えます)。
 でも、色が見えることと、色を認識することとは別の話。私たちが色の違いを理解するように、猫がそれらの色に意味を見出しているかどうかは、残念ながらわかりません。


 網膜の視細胞には、色を感じる錘体細胞以外に、光を感じる「杆体(かんたい)細胞」があります。夜行性の猫は、この杆体細胞の数が人間よりずっと多いのです。そのうえ、猫の目には、網膜のうしろに網膜を通る光を反射させて、もう一度網膜に光を送りかえす「反射鏡(タペタム)」があります。ですから、星明かりなど、わずかの光があれば、網膜に入る光が増幅されて、猫は闇夜でもよく物が見えるわけです。
 ちなみに猫は人間の6分の1の光で物を見ることができます。ただし、光のまったくない「暗室」のような暗闇では、さすがの猫もお手上げ。人間と同様に何も見えません。
うす闇の中で、まん丸に瞳孔を広げ、できるだけ多くの光を取り入れようとしている猫の目。網膜のうしろにある反射鏡がその光を反射し、猫の目を神秘的に光らせます。


 闇夜でもよく物が見えることは、本来、夜行性で、夜、ネズミなどを捕食して生きてきた猫にとって、とても大切な能力です。しかし、「色」を見分けることは、夜間、茶色や灰色など、ほとんど発色しない保護色におおわれたネズミを見つけるには、あまり役に立ちません。それよりも、獲物の敏捷な「動き」に反応する動体視力のほうがずっと価値があるわけです。
 また、動物が色を識別するかどうかは、目の構造・組織の問題ではありません。目から入った視覚情報を処理する「脳」の働きにかかっています。脳が、重要度の高い情報を選んで、よりはやく、より正確に、獲物に関する情報を処理していかないと、待ち伏せしている猫が一瞬のすきをついて、獲物をとらえることはむずかしいでしょうね。そう考えてみると、猫が獲物の「色」よりも「動き」に敏感に反応して、狩りをする能力を磨いてきたことも、よく理解できます。






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