猫も長寿が増えている
人間同様、猫もだんだん寿命が長くなり、個体差はあるものの、20年くらい生きる猫たちも少なくはありません。ワクチン接種の普及、獣医学の進歩、猫に適した食事の定着、室内飼育の普及、そして家族の一員としてのたっぷりの愛情と行き届いたケアを受けられるようになったことなどが、長寿の理由と言えるでしょう。
一般的に猫の老化は、7歳くらいから始まります。いつまでも無邪気な子どものようでいても、この頃から、体に少しずつ変化がみられるようになるので、年齢にあったケアに徐々に切り替えつつ、老化をくい止めるための対策を講じることが大切です。
<老化のサイン>
目 …眼球が白っぽく濁り、見えづらくなってくる。
耳 …耳が遠くなり、呼びかけや音への反応がにぶくなる。
歯 …歯石や歯の摩耗で歯周病が増えたり、歯が抜けることも。
口臭がきつくなる。
毛… あまりセルフグルーミングをしなくなり、毛づやが悪くなる。
口や鼻のまわりに白髪が出てくる。
足腰…起きあがるときの動作が重そうで、歩くときに足腰がふらつく。
段差につまずく。
行動…動きが鈍くなる。不活発になり、高い所へ上れなくなる。
寝ている時間がさらに長くなる。
老化とともに目立ってくる猫の病気
年齢とともに体のさまざまな機能が衰え、体力、抵抗力なども低下しやすくなるので、どうしてもいろいろな病気にかかりやすくなります。
高齢猫に多くみられる病気には、「骨関節炎」「変形性関節疾患」などの関節の病気、「心筋症」などの心臓の病気、「乳腺腫瘍」「リンパ腫」「肥満細胞腫」「扁平上皮がん」などの悪性の腫瘍、「慢性腎不全」など腎臓や泌尿器の病気、「白内障」、「歯周病」などが挙げられます。猫では犬ほど「痴呆症」は多く起こりません。
7歳をすぎたら、年に1~2回は動物病院で定期検診を受けさせましょう。病気を早期発見・治療し、早めの予防対策を講じることは、愛猫に元気で長生きしてもらうためには欠かせません。
高齢猫にも生きがいを
老化が進んで足腰が弱り、目や耳などが不自由になって体が衰えてくると、「生きる張りあい」が乏しくなり、ますます老化や痴呆が進んできます。高齢猫をいたわり、手厚くケアすることはもちろん大切ですが、生活には刺激も必要です。過干渉になりすぎないよう、愛猫が自分でできることはなるべくやらせてあげたり、一緒に遊ぶ時間も増やしたりすることも大切です。また、自宅でもできるだけスキンシップをとりましょう。飼い主の愛情がこもったふれあいこそ、最良の生きる刺激です。
猫は20年くらい生きられるのですから、猫の人生の半分以上は高齢期ということになります。猫の老化に合わせたケアを行って猫にとって快適な生活を確保し、いつまでも元気で少しでも長く一緒に過ごせるように工夫することも飼い主の愛情といえます。