環境カウンセラー和田由貴さんに聞く

今すぐ始めたい「省エネ」作戦!

まずは見直し!水まわりの省エネの基本は、お湯の無駄遣いをなくすこと

まずは見直し!水まわりの省エネの基本は、お湯の無駄遣いをなくすこと

まずは見直し!水まわりの省エネの基本は、お湯の無駄遣いをなくすこと

家庭で使われる水の割合をみると、1位は「風呂」(43%)、次いで「トイレ」(20%)、「洗濯」(16%)、「炊事」(15%)の順となっています。(東京都水道局「令和3年度一般家庭水使用目的別実態調査」)

グラフ:家庭での水の使われ方。令和3年度一般家庭水使用目的別実態調査。出典 東京都水道局ホームページ「水の上手な使い方」

特に注目したいのが「給湯」です。水をお湯に変えるには、ガスや電気などのエネルギーが必要なため、家庭のエネルギー全体の使用量でみると、「給湯」が約3割(29%)を占めてトップ!(資源エネルギー庁 「エネルギー白書2023」) 給湯器を40℃に設定した場合のお湯は、水道水の約3倍のコストがかかっています。給湯を上手に省エネできれば、大きな効果を実感できます。

グラフ:一般家庭の用途別エネルギー消費量の割合(2021年度)。 出典 資源エネルギー庁 エネルギー白書2023

お風呂編

シャワー15分のお湯が浴槽1杯分。浴槽にお湯をためれば再利用も可能

シャワーの出しっぱなしは、水だけではなくエネルギーの無駄遣い。シャワー約15分のお湯は浴槽1杯分に相当するので、こまめにお湯を止めることが基本。手元に止水ボタンがついた節水シャワーヘッドなどを利用するのもよいでしょう。
入浴をシャワーで手短に済ませた方が、浴槽にお湯をためるより節水になると思われがちですが、シャワーのお湯は流れたら終わり。浴槽にお湯をためて、残り湯を賢く再利用するほうが省エネ効果は大きくなります。
また、洗髪の時は、すすぐ前にシャワーで髪に軽く水を含ませたら、いったん止め、絞るようにして泡を落とすと効率的です。

保温シートを活用して、沸かしたお湯を冷まさない

お風呂のお湯が冷めないうちに、家族が時間を空けずに続けて入るのがベスト。それが無理なら、なるべく冷まさない工夫を。フタをして熱を逃がさないようにするのはもちろん、お湯の表面に保温シートを浮かべておくと、湯温を保つ効果がグンとアップします。

寒い日はお湯の沸かし直しより、給湯器からお湯をためた方がおトク!

お風呂のお湯は、冷たい水から沸かすよりも給湯器のお湯をためる方が、エネルギーも時間も節約に。寒さの厳しい日は、翌日までお湯を置いておくと水温がかなり低下してしまうので、前日のお湯の沸かし直しよりも、毎日新しくお湯をためた方がおトクです。残り湯は、お洗濯や掃除などに再利用しましょう。ただし、入浴剤を入れたお湯の再利用については、商品の表示を確認してください。

残り湯を沸かし直して入浴するときは、「マジックリン ふろ水ワンダー」がおすすめ。入浴後に1錠入れるだけで、残り湯を清潔に保ち、気になるニオイやヌメリを防ぎます。翌日のお洗濯やお掃除にも、気持ちよく使えます。

キッチン編

使い方次第で、節電&ガス代の節約に

電子レンジは、オート機能に任せると温まり過ぎて電気を使い過ぎてしまうこともあるので、手動で設定するようにしましょう。また、煮込み料理は、電子レンジで材料をあらかじめ加熱・下ごしらえした方がガス代の節約になります。コーヒー1杯分のお湯を沸かすなら、ガスよりもおトクです。

電子レンジの庫内に汚れが付いていると加熱の効率が落ちるのでこまめなお掃除も大切。「キッチンクイックル」なら油汚れをスッキリ落とし、2度拭きの必要はありません。

トータルコストでみると、手洗いよりも食洗機が断然おトク!

食洗機は電気やガスなども使うため、「コストが高そう。」と思っていませんか。実は、使う水の量が少なくて済むので、給湯器のお湯を使って手洗いするよりも、トータルでみると実は省エネでおトク!

一般に食洗機では、最後のすすぎに80℃くらいの高温のお湯を使用します。このお湯は食洗機内のヒーターで温めてつくられるので、給湯接続の食洗機なら、使うときに給湯器の温度を60℃くらいの高温にしておくと、機内ヒーターの使用が減ってさらにコストダウンに。

食洗機用洗剤には「食器洗い乾燥機専用 キュキュット ウルトラクリーン」や「食器洗い乾燥機専用キュキュット クエン酸効果」がおすすめ。油汚れ・ごはん粒・卵などのこびりつき汚れを強力に分解。グラスのくもりや庫内の汚れ・ニオイまでスッキリ落とします。

「同時調理」や「保温調理」で省エネ&時短

火を使う加熱調理は、ガスや電気などのエネルギーが必要になるので、できるだけ手際よく進めたいもの。たとえば、パスタと野菜を一緒にゆでる、炊飯器でご飯を炊くときに耐熱容器に野菜を入れて一緒にふかすなど、「同時調理」をおこなえば、省エネだけでなく時短にもなります。また、圧力鍋は調理時間が短縮できますし、真空保温鍋などで余熱を利用して料理を仕上げる「保温調理」も注目されています。

お洗濯編

「洗い」には残り湯でも、「すすぎ」には必ず水道水を使用

お風呂の残り湯の再利用法は、お洗濯への活用が定番中の定番。節水になるうえ、冷たい水を使うよりも汚れ落ちがよくなります。
ただし気を付けたいのは、その使い方。「洗い」のときは残り湯が使えますが、「すすぎ」に使うと、洗剤でせっかくきれいになった洗濯物に、残り湯に含まれる汚れや雑菌がついて、気になるニオイの原因になることも。すすぎの回数は1回でも2回でも、必ず水道水を使うようにしましょう。

入浴剤入りの残り湯の利用はココに注意!

入浴剤を使ったお風呂の残り湯は、お使いになる前に、あらかじめ、お手持ちの入浴剤の使用上の注意を確認してください。お洗濯に使える場合でも、すすぎには必ず水道水をお使いください。また、金魚用の水として利用したり、植木や野菜へかけたりすることはお避けください。植物の種類によっては、入浴剤の成分を嫌うものがあります。

「すすぎ1回」の洗剤を利用すれば、時短&節水に

洗濯用洗剤には、「すすぎ1回」で済むタイプがあります。このタイプの洗剤を選べば、節水・節電はもちろん、時短にもなって、忙しい主婦にはとても便利です。

洗剤は、すすぎ1回でOKの「アタックZERO」や「アタックZERO パーフェクトスティック」がおすすめ。節水・節電だけでなく、時短にもなります。

「まとめ洗い」が基本、でも詰め込み過ぎはNG

節水・節電のためにも、汚れ物が出たら、その都度こまめに洗濯するのではなく、なるべくまとめ洗いをしましょう。ただし、詰め込み過ぎは汚れが落ちにくくなるので、縦型全自動洗濯機では洗濯槽の7〜8割まで、ドラム式洗濯機では7割以下の量を目安にしてください。

洗剤は、抗菌効果のある「アタックZERO」や「アタックZERO パーフェクトスティック」がおすすめ。

  • すべての菌・カビの増殖を抑制するわけではありません。

わだゆうきさんの写真

【監修】

環境カウンセラー 和田由貴(わだゆうき)さん

消費生活や環境問題の専門家として、また現役の主婦・母の視点から、節約術や家事情報に精通する節約アドバイザーとして幅広く活躍中。消費生活アドバイザー、環境カウンセラー、省エネルギー普及指導員、3R推進マイスター(環境省第一期国推薦委嘱)などの資格を生かし、講演、執筆、テレビ出演、新聞・雑誌・WEBでの連載など多方面で活躍。著書に『裏ワザ名人のちゃっかり!節約生活』『年間50万円は貯まるチリ積も節約術』『快適エコのライフスタイル』など。

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