達人コラム

子育て支援士 田宮由美さん
お風呂タイムは子育てのチャンスがいっぱい

2015.12.18 | 子育て

【達人コラム】子育て支援士 田宮由美さん

子どものお風呂タイムは、親子のふれあいや喜びを感じられる幸せなひとときでもあると同時に、子どもの健やかな成長と自立を促す大切な時間でもあります。今回は、親子ともに笑顔にし、生きる力を育む子育てアドバイスを行う、子育て支援士の田宮由美さんにお話をうかがいました。

お風呂は集中して子どもと向き合える時間

「親子のふれあいは、子どもの成長においてとても重要」と分かっていても、子育て中のお母さんは本当に忙しく、ゆっくり子どもに関わりたくてもなかなか時間が作れないのが現実です。そこで『くらしの現場レポート:親子が向き合えるお風呂タイム 忙しい毎日だからこそ、ふれあいを大切に』にもあったように、お風呂の時間を大いに活用することをおすすめします。お風呂場は部屋よりも狭いので、心の距離感も縮まり、心身共に密接な関わりができるでしょう。テレビやスマホからも解放されて、集中して子どもと向き合うことができます。

またお風呂の中では、ひとり洗いが上手になってきたことなど、子どもを伸ばすほめ方ができる機会もたくさんあります。なにより、お風呂には毎日入りますから、1回の時間は短くても毎日積み重ねることによって、大きな時間となります。仕事で忙しいお父さんにとっても、お風呂だと、短時間で子どもとのコミュニケーションを深めることができます。お風呂の時間は子育てに必要なたくさんのチャンスがあふれているのです。

子どもの心は自立と依存を行ったり来たりしながら成長する

子どもには自分でなんでもやりたがる時期があります。からだ洗いやシャンプーもそうです。親から見れば「まだ一人ではできないのに……」と思っても、子どもが何かに挑戦しようとしたら、その気持ちを尊重してあげてください。そしてもし失敗しても「次はきっとできるよ、またがんばろう!」と励ましてあげてください。

生まれたての赤ちゃんは100%母親に依存して生きていますが、成長とともに母親と離れて自分でやりたいという意欲が湧いてきます。しかし、いざ自分でやってみると、うまくできないこともあるし、そばに親がいないことに不安を感じたり、さびしくなったりし、また親を頼ってきます。そのときに、「自分でやりなさい」と突き放してしまうと、一旦親から離れるともう受け入れてもらえないと子どもは感じ、逆に離れようとしなくなります。失敗しても受け入れてもらえる安心感を持たせることが、自立を促すには大切です。子どもは依存と自立、安心と不安の間を行ったり来たりしながら、らせん状に上に向かって成長していくものなのです。

田宮由美さん

結果ではなく、がんばった過程をいっぱいほめる

よく、ほめて伸ばすと言いますが、そのポイントは結果ではなく努力した過程をほめること、兄弟姉妹やよその子と比べるのではなく、過去の本人と比べてほめること、事例を具体的に指してほめることです。たとえば、お風呂で髪の毛を自分で洗えたら、「よくできたね」だけではなく、「今までママが手伝っていたのに、今日はシャンプーを使って自分一人で頑張って洗えたね」とほめます。「一人で洗うことができた!」という達成感は自信へとつながり、大好きなママにほめられたことは大きな喜びになり、子どもにとってもお風呂がさらに楽しい時間になっていきます。

親は子どものできないことに目が向きがちですが、その子の個性もありますし、得意なこと、苦手なことが両方あっていいのです。今できていることをたくさんほめてあげてください。

お風呂の時間は子どもの健やかな成長を育む

子育てをしていると、育児書に書いてあることや他の子どもと比較して、思い通りにいかずに落ち込んだり悩んだりすることもあるかと思います。でも、私の経験からも言えることは、親の思い通りにはならないのが子育てで、それだからこそ、楽しくやりがいがあると言えます。正解は一つではありません。子育てのコツは、私は私のやり方でいいと「自分らしい子育ての軸」を見出し、親のさせたいことを一方的に子どもに無理強いするのではなく、親も一緒に楽しむことです。

今回のレポートにもあったように「お風呂タイム」で、実践できることはたくさんあります。子どもの肌に直接触れることにより、親が子どもをより愛おしく感じるホルモンが分泌され、親子の絆や愛情がより深まることは、子どもにとっても親にとってもいいことです。子どもは概ね9歳くらいまでに脳の95パーセントが完成すると言われています。家庭によって差はありますが、親子一緒にお風呂に入るのも、この頃までになるのではないでしょうか。子どもの健やかな成長のために大切なひとときとして、お風呂の時間を上手に活用し、楽しんでください。

Profile

子育て支援士 田宮由美(たみやゆみ)さん

子育て支援士
田宮由美(たみやゆみ)さん

子ども能力開花くらぶ「ちゅーりっぷ ふれんず」代表。小学校教諭・幼稚園教諭・保育士・日本交流分析協会 子育て支援士・ 子どもの権利支援センター 子育てハッピーアドバイザー・幼児教室の指導者、また幼稚園・小学校・中学校での勤務を経て、2010年に独立。奈良新聞社発行の小学生新聞、AllAbout子育て記事など、多数の執筆。携わった仕事や子育て支援のボランティアと自らの子育てをもとに発信する子育て法が、親の気持ちに寄り添い、実生活に落とし込んでいることで好評を得ている。保育園での講演や県・市後援のセミナーで講師を務めるなど現在は執筆、講演、セミナーを中心に活躍中。
著書:「子どもの能力を決める0歳から9歳までの育て方」KADOKAWA

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