達人コラム

管理栄養士 小島美和子さん
食事バランスを整えて体調もやる気もアップ

2015.10.08 | 若者

【達人コラム】管理栄養士 小島美和子さん

元気で美しくいるために、食生活に気をつかい、体に良いことを積極的に取り入れる、前向きな20代女性が増えています。一方で、太りたくないというおもいから、食べることに罪悪感を持ったり、正しくない食生活で不調を訴える人たちも少なからずいます。今回は、管理栄養士の小島美和子さんに、食生活と健康についてお話をうかがいました。

正しくないがんばり方の軌道修正をしよう

くらしの現場レポート:20代女性ひとり暮らしの食レポ 自分流!がんばりすぎず、できる範囲で努力!』では、ひとり暮らしで試行錯誤しながらも、自分なりの工夫で1日3食ちゃんと食べようとしていることや、健康を気づかっている様子に感心しました。私が面談をしているいまどきの20代女性たちは、健康意識が高いのに3食食べていない人が多く、体調の悪さを訴える人もたくさんいます。

昔ながらの日本の食事は1日3食、「主食・主菜・副菜のそろった献立」が基本でしたが、彼女たちが育ってきた家庭の料理がすでにそのスタイルではない場合も多いため、食事の基本知識が足りずに、残念ながらがんばり方が正しくない方向へ行ってしまいがち。でも、正しい方向に軌道修正していけば、健康状態もよくなるし、確実に効果も表れます。

栄養バランス、加工度を意識して体にいいものを取り入れよう

体にいい食べ物というと、「食物繊維たっぷり」「ビタミン補給」などの謳い文句のついたヘルシー食品を選ぶ人が多いことでしょう。若い人たちは、「チョコレートを食べちゃったから、ヘルシーなもずくも食べておこう」という「良いもの」と「悪いもの」でバランスを取る傾向にあります。けれども、食事のバランスとは、1つの成分にだけ目を向けるのではなく、全体の栄養やカロリーをきちんと考えることが大切です。

食材は“生きもの”なので、原型に近いほど代謝が良くなるようにできています。例えば、お米は糖質のほかにビタミンB1や繊維を含み、効率よくエネルギーに変わります。脂の多い魚にはタンパク質のほかに脂の代謝に必要なビタミンB2も含まれます。加工度の高いものばかりに偏らず、なるべく素材に近いものを取り入れるようにしましょう。

小島美和子さん

情報を整理して食事の優先順位を考える

私は体調に合わせて食生活を整え、健康な体をつくる「食コンディショニング®」という考え方を提唱しています。その中で重要視しているのは食事の優先順位を考えることで、情報をピラミッドに当てはめて整理することをお勧めしています。一番下の土台は3食の時間や配分など「いつ・どう食べるか」、真ん中が「何を食べるか」、そして一番上がピンポイントで補給する「栄養素」です。ピラミッドの頂上から何とかしようとしても効果はありません。まずは、生活リズムを整えて3食しっかり食べ、土台を築くことが大切です。

次に「何を食べるか」です。『くらしの現場レポート』で朝食にチョコレートやスナックを挙げている人がいましたが、それは単純に「朝、食べたもの」であって朝食とは言えません。食事とは栄養を補給して体を作るもので、「主食(ごはん)」「主菜(タンパク質)」「副菜(野菜など)」が基本です。1食で何品も摂るのは大変と思うかもしれませんが、たとえばランチのパスタは野菜やタンパク質が多めに入っているものを選ぶなど、少し意識を向けるだけでも違ってきます。

「食コンディショニング」の3ステップ

食事は必要な量をおいしく楽しく食べる

3食の食事の中でも、朝食はとくに大切です。早起きをして太陽の光を浴びてから、なるべくごはんとタンパク質の朝食を食べると、代謝と体温が上がり、昼間、エネルギーが燃焼しやすく太りにくくなります。そうすれば、体も頭もしゃきっとして、朝のお化粧のノリも良くなるし、仕事の生産性も上がります。朝はしっかり食べて、昼間の代謝を上げることから始めてみましょう。
20代女性の1日の必要摂取カロリーは1,650~2,200kcalとされていますが、1日の摂取カロリーが低く、1,000kcal以下という人もいます。それで体重が減らないのは、代謝が落ち、体がとても省エネになっている証拠。摂取カロリーと消費カロリーのバランスは取れていても、必要な栄養素は全然足りないので、疲れやだるさで体が動かない状態に陥っているのです。普通にいろんな栄養素を摂る一番簡単な方法は、しっかり食べて必要な摂取カロリーをきちんと摂ることです。

食事は必要な分を食べるというのが最も大事なことですが、減らす程よいという最近の風潮もあり、「食べる」ことに罪悪感をもつ人もいます。けれども、「いつ食べるか」と「何を食べるか」を間違えなければ太ることもないので、怖がらずにきちんと食べましょう。正しい食事を1週間続ければ体が変わっていくことが実感できると思います。頭だけで考えると、体に良いものをただ食べればいいという感覚になっていきがちです。でも、それでは本当の意味での食事とは言えません。難しく考えすぎず、おいしさや楽しさを大切にして、心も体も満足できる食生活を送ってください。

小島美和子さん

Profile

管理栄養士、健康運動指導士、食コンディショニング・プロデューサー 小島美和子(おしまみわこ)さん

管理栄養士、健康運動指導士、食コンディショニング・プロデューサー
小島美和子(おしまみわこ)さん

有限会社クオリティライフサービス代表取締役。管理栄養士の専門性を活かし、体の状態やライフスタイルに合わせて食生活をコントロールして、引き締まった健康体を手に入れる「食コンディショニング®」を提唱。自治体や企業、個人に向けての食生活研修や、ヘルシーメニューの企画・開発など、食の現場で QOL を高める事業を展開している。著書に『1週間でお腹からスッキリやせる食べ方』(三笠書房)他。

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