A.人間はどれくらいの期間、眠らないでいることができるのか、これまでたくさんの実験が行われています。これは「断眠実験」と呼ばれていますが、当然ながら、死に至るまで実験を行うことはないので、人間が眠らないと死ぬかどうかはわかりません。 これまでの断眠記録から考えると、少なくとも4~5日間は眠らなくてもいられるようです。ただ、断眠3日目頃になると、判断力や記憶力が低下して、幻覚が起こることもあるという結果が出ています。
A.睡眠時間には個人差が大きいので、絶対に「8時間必要」というわけではありません。ただ、8時間くらい眠ると、すっきり目覚められて、昼間、眠気を感じたりすることがないと感じている人が多いというだけのことです。 ナポレオンの睡眠時間が3時間だったというのは有名な話ですが、世の中には、何と1日に45分~3時間しか眠らなくても特に支障がない「ショートスリーパー(短時間睡眠者)」と呼ばれる人たちもいます。逆に、1日10時間以上眠る「ロングスリーパー(長時間睡眠者)」もいます。 これらは特殊なケースですが、実際、4、5時間の睡眠で元気に暮らしている人は少なくありません。「8時間眠らなければいけない」という思い込みは捨てて、自分の睡眠時間を見直してみてはどうでしょうか。
A.「春眠暁を覚えず」というのは中国の古い詩の一部で、もともとは朝の目覚めが満ち足りていることをうたったもの。でも、一般には、「春は眠気が強く、なかなか目覚められない」といった意味で使われることが多いようです。 実際、睡眠の内容には季節によって違いが見られます。夏は暑いうえに夜が短いので睡眠不足になりやすく、逆に晩秋から冬にかけては睡眠時間が長くなることが多いようです。 では、春の場合はどうなのでしょう。春は季節の替わり目で、ホルモン分泌などにも変化が起こりやすい時期です。そのため、疲労感が強くなり、眠気やだるさを感じることが多くなります。また、春は年度の替わり目でもあり、卒業、入学、就職、職場での異動など、生活上もいろいろと変化のある季節です。その結果、寝つきが悪くなったり、熟睡できなかったりして、朝は眠く「暁を覚えず」ということになるようです。
A.睡眠の内容は、年齢によって大きな違いがあります。高齢になると、若い頃より寝つきが悪くなり、夜中や早朝に目が覚めてしまうことが多くなります。また、眠りの質も低下することが知られています。 人間の眠りは、「レム睡眠」と呼ばれる浅い眠りと、「ノンレム睡眠」と呼ばれる深い眠りで構成されています。眠り始めると、まずノンレム睡眠があらわれ、その後レム睡眠に変わって、一晩のうちにこれが交互に繰り返されているのです。 若いときは、入眠後、早い段階でノンレム睡眠のなかでも最も深い眠りが出現します。ところが、年を取ると、この深いノンレム睡眠が少なくなってしまうのです。
A.夢を見るのは、おもにレム睡眠と呼ばれる浅い眠りのときです。だからといって、必ずしも夢を見ない人が熟睡しているというわけではありません。 一晩のうちに、レム睡眠とノンレム睡眠は交互に繰り返し訪れます。そのため、レム睡眠の段階で目が覚めると夢を記憶していることが多くなります。ところが、そのまま眠り続けてノンレム睡眠の深い眠りに入ると、レム睡眠のときに見た夢を忘れてしまうことが多いのです。 世の中には、「よく夢を見る」という人もいれば、「ほとんど見ない」という人もいます。でも、実際には、ほとんどの人が毎晩何回か夢を見ているのですが、記憶していないのだろうと考えられています。
A.最初に結論をいうと、そんなことはまったくありません。睡眠薬については、「依存性がある」「副作用が強い」「多量に飲むと死ぬ」など、怖い薬というイメージを持っている人も少なくないようです。 これは、以前広く用いられていたバルビツール系睡眠薬のイメージによるものと思われます。しかし、現在用いられているベンゾジアゼピン系睡眠薬の場合は、多量に飲んでも死亡する危険はなく、依存性も低くなっています。副作用についても、バルビツール系睡眠薬より、ずっと少ないのが特徴です。 ベンゾジアゼピン系睡眠薬の副作用としては、まず、多量に飲んだときなどに、翌朝まで薬の作用が見られ、眠気やふらつきを感じることがあります。また、睡眠薬を常用している人が突然、服用をやめると、以前よりも不眠状態になる「半跳性不眠」が見られることもあります。 そのほか、多量に服用したときなど、就寝前や目覚め後など一時的期間の記憶が途切れることがあります。これは「健忘作用」といわれるもので、ふつうの常用量で起こる心配はまずないといっていいでしょう。
|