花粉症の自覚症状のある人は年々増え続けています。なぜ、花粉症はこんなに増えているのでしょうか。
これには、花粉飛散量の増加、排気ガスなどによる大気汚染、住環境やストレスの影響など、いろいろな原因があるといわれます。とはいえ、同じ環境で生活していても、全員が花粉症になるわけではありません。 それは花粉症がアレルギーの一種だからです。アレルギーというのは、私たちのからだを守るための「免疫」と呼ばれる機能が過剰に働いてしまうために起こります。
アレルギー体質の人の場合、花粉という異物が体内に入ってくると、それに対抗するために「IgE抗体」という物質がつくられます。次に同じ花粉が侵入してくると、このIgE抗体が働いて、神経を刺激するヒスタミンなどの化学伝達物質が放出されるため、鼻や目などに異常が起きてしまうのです。 しかし、体内でIgE抗体がつくられたからといって、すぐ花粉症になるというわけではありません。アレルギー体質の場合でも、体内に入ってくる花粉の量が少なければ、花粉症にならないケースもあります。逆に花粉の量が多くなれば、早く発症する可能性が高まるわけです。
今は花粉症ではなくても、気管支ぜんそくやアトピー性皮膚炎などのアレルギー性の病気がある場合、また家族にアレルギー体質の人がいる場合は、発症する確率が高いといえます。花粉は、できるだけ吸い込まないように注意することが大切です。
花粉症の原因となる植物は、地域や個人によって違います。日本で最も多いのは「スギ花粉」で、花粉症の約8割を占めるといわれています。スギのほかにも、「ヒノキ」などの樹木、「カモガヤ」や「ハルガヤ」などのイネ科の植物、「ブタクサ」や「オオブタクサ」をはじめとするキク科の植物など、花粉症の原因になる植物は50種類にも及ぶと見られています。
原因となる植物は1種類とは限りません。たとえば、スギ花粉症の人の約6割は、ヒノキの花粉にもアレルギーがあるという報告もあります。 スギ花粉の飛散時期は、地域やその年の気候などによっても違いますが、だいたい2月上旬から4月いっぱい。ヒノキの花粉シーズンはスギよりも少し遅いので、4月末になってもひどい症状が続くような場合は、ヒノキ花粉症である可能性が高くなります。 なお、イネ科の植物はだいたい5~6月、キク科の植物は8~10月が花粉シーズンです。
花粉症の症状が最も強くあらわれるのは、花粉の侵入口である鼻と目。そのほか、のどや気管、皮膚などに症状があらわれることも多く、さらには頭痛や食欲不振など、全身症状を訴える人も少なくありません。
鼻の症状と並んで、目のかゆみも花粉症の典型的な症状のひとつ。涙目や充血、異物感(目がゴロゴロする)などがあらわれることもあります。 かゆみのために目をこすりすぎると、角膜に傷がついてしまうことがあるので、注意が必要です。
花粉症の3大症状といわれるのが、くしゃみ、鼻水、鼻づまり。花粉症の場合、くしゃみは連続的に出るのが特徴で、水のような鼻水が止まることなく流れ出ます。 鼻づまりで息苦しく、においがわからないといった嗅覚障害があらわれることも。
のどにかゆみ、不快感があり、鼻づまりで口呼吸になるため、のどが乾燥して痛みを訴える人もいます。また、口呼吸を続けていると、花粉が気管に入り込むため、せきやたんが出ることも少なくありません。
食欲不振や吐き気などの胃腸症状、発熱や頭痛、倦怠感、からだが熱っぽいといった全身症状があらわれるケースがよく見られます。 精神的にも、イライラしたり、落ち込んだりすることが多くなり、集中力が低下して、仕事や勉強に支障をきたすこともあります。
顔や首などに花粉がついてかゆくなったり、肌があれてしまうことがあります。顔がはれぼったい感じがしたり、ひりひりする場合も。ひどい場合は、かぶれたり、皮膚炎を起こすこともあります。
|