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皮膚のバリア機能とセラミド

私たちの身体は、太陽光線や気温、湿度、ホコリや汚れなどの影響に、つねにさらされています。こうした外界の影響から体内の諸器官を守っているのが、身体の表面をおおう皮膚です。
その構造を詳しく見てみると、皮膚は「表皮」と「真皮」からなり、皮下組織がこれを支えています(図1)。


皮膚の厚さは、身体の部位により異なりますが、成人の平均で約2mm。眼のまわりは薄く、手のひらや足の裏は厚くなっています。皮膚の総面積は、成人で約1.6m2。重さは、全身で約4kgにもなります。


表皮は、皮膚の最も外側にある、厚さわずか0.2mm程度の薄い膜ですが、さらに角層(角質層とも言う)、顆粒層、有棘層、基底層に分けられます。表皮の最も内側にある基底層は、一層の基底細胞から成っており、細胞分裂によって、新しい細胞が絶えず一定のリズムでつくりだされています。

新しく生まれた細胞は、形や構造を少しづつ変えながら、上方へと押し上げられて、有棘細胞、顆粒細胞へと変化し、やがて角質細胞となって角層を形成します。そして、皮膚表面に達した角質細胞は、正常の場合、ほぼ1日1層ずつ垢となってはがれ落ちていきます。
これが、「表皮細胞の角化」と呼ばれるプロセスです(図2)。


角層は、体内と外界を分ける膜で、これには「保湿機能」と「バリア機能」という2つの重要な役割があります。

保湿機能は、適度な水分を含有することによって皮膚に柔軟性を持たせ、なめらかな美しい肌にする働きです。一方、バリア機能は、体内の水分が出ていくのを防ぎ、身体が干からびないようにするとともに、外部からの異物が体内に侵入するのを防ぐ働きです。
この角層の水分は、「皮脂膜」と「NMF」(Natural Moisturizing Factor:天然保湿因子)、そして「細胞間脂質」の働きによって保持されています(図3)。


皮脂膜は、皮脂腺より分泌された皮脂(表1)と汗腺より分泌された汗が混じりあって形成されたもので、その主な成分は脂肪酸、トリグリセリド、ワックスです。皮脂膜が適度にある皮膚は、しっとりうるおい、なめらかな肌ざわりになります。

しかし、皮脂が多すぎると、脂っぽくベタついた感じとなり、汚れがつきやすくなったり、毛穴がふさがれてニキビができやすくなったりします。逆に少なすぎると、カサついたり、ザラザラした皮膚になり、皮膚を保護する力も弱まってしまいます。

NMFは、角質細胞内にあり、細胞が水分を保持していられるように機能している重要な物質です。その主な成分は、アミノ酸、ピロリドンカルボン酸、乳酸塩、尿素で(表2)、これらが水分を抱え込んでいます。

細胞間脂質は、角層の細胞と細胞の間にある特殊な脂質です。これはレンガ塀(角層)のレンガ(角質細胞)同士をくっつけるモルタルにたとえられます。細胞間脂質の主な成分は、スフィンゴ脂質、コレステロールエステル、コレステロールです(表3)。


このように皮脂膜、NMF、細胞間脂質の3つの働きにより、角層中に水分が保持されます。特にバリア機能に関しては、このうちの細胞間脂質が大きな役割を果たしている、と考えられます。

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